クリーム使用はNG?カバン屋がお勧めする、革製品のお手入れ方法

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レザーバッグ等をご購入頂きましたお客様より、ちょくちょく頂くご質問なのですが、「革製品って、お手入れが必要なんですか?」というもの。

ご質問頂いた際にはしっかりと回答させて頂いておりますが、こんなベタな話でありながら当ブログではほとんどお手入れの話をしていなかったなと思いまして、本日はカバン屋がお勧めする、革製品のお手入れ方法を、ご紹介していこうかなと思います!

皮革用クリームは、使い方次第で毒にもなります!

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どうも、東ヒマのメガネっ子担当、猪野です。

革製品のお手入れに関して、お問い合わせ頂きましたお客様がまず最初に口にされる事なのですが、「皮革用クリームって、塗った方が良いんですか?」というお話。

これはもちろん、決して間違っているわけでは無いです。がしかし、革製品にとって皮革用クリームは、場合によっては毒にもなります。

その毒となる最たる原因が塗りすぎです。

僕がその昔、初めてレザーブーツを買った時の話なのですが、当時としては非常に高価な買い物だったので、大切に履きたいという気持ちから出かける度にクリームを塗って手入れをしておりました。

また、クリームを塗る程にレザーが飴色に輝くものですから、「クリームは塗れば塗る程、レザーは味わいが増していくんだ!」と思い、暇さえあればクリームをたっぷりと塗っていました。

その結果、美しいヌメ革は次第に表面が泥のようにドス黒くなり、飴色の輝きは消え、何だかドロドロの汚いブーツへと変わり果ててしまいました、、

そう、皮革用クリームの塗りすぎは、革本来の風合いを壊してしまう恐れがあるのです。

私がお勧めする、皮革用クリームの正しい使い方を紹介

では、皮革用クリームはどのようなタイミングで使用すれば良いのか。

これは手入れをする対象が革バッグなのか革財布なのかによっても変わってきますし、何とも言い難い所ではありますが、個人的な感覚としてはせいぜい月に1回、週1回以上は絶対塗りすぎだと思います。

また、こちらも個人的な意見ではありますが、皮革用クリームによるお手入れは、必要最小限に留めて欲しいというのが僕の考えでして、何なら塗らないで済むのがベストだとすら思っています。

革の状況を見て、ちょっと乾燥しすぎだなとか、なんかパサパサで元気が無いなという時に、しっかりとブラッシングや乾拭きで汚れを落とした後に、薄ーくクリームを塗ってあげるのがコツです。厚塗りしても全く意味が無いどころか逆効果です。

そして、クリームでお手入れをしたらしっかりと陰干しをして、オイルがしっかりと革に馴染んだら乾拭きをして完成、という具合です。

また、長期間使用していたとしても、見た目的に乾燥などの心配が無さそうなのであれば、クリームは別に使わなくて大丈夫だと思います。むしろ、使わない方が良い可能性が高いです。

皮革用クリームを使うか否かは、使用期間ではなく、革の状態を見て判断すべきです。

普段のお手入れとしては、しっかりとブラッシングで汚れを落とし、必要があれば乾拭きをして、風通しの良い所に保管する、これだけやっておけば十分です。

皮革用クリームを超える、最強のお手入れアイテムとは?

革製品のお手入れと言えば皮革用クリームだと思われがちですが、実はそれを超える最強のお手入れアイテムが存在します。

それが、人間の皮脂です。

バッグのハンドル部分だとか革財布とかって、なんだか良い塩梅にエイジング(経年変化)してるなと感じた事は無いでしょうか?それは、掌の皮脂を革が吸収しやすいからなんですよね。

革製品の最高のエイジング結果と言われるのが、表面が飴色に輝き、ペッタリとこなれた風合いに仕上がっている状態というのが王道ですが、そういったエイジングを目指すならば皮脂は必要不可欠、つまり、たくさん使ってあげる事が最も重要なのです。

革も元々は動物ですから、人間の皮脂のようなナチュラルな成分の方が馴染みやすいのかもしれませんね。

革手袋メーカーのクロダ製品に至っては、「革の表面を素手で撫ぜてあげて下さい」というのが、お手入れに関するアナウンスです。

これは、クロダ製品が上等かつデリケートな革を使用している事も一因なのですが、手袋に限らず、革製品は「撫でる」というお手入れが想像以上に有効ですので、是非お試し下さい。

但し、全体的に乾燥が進んでしまっている場合や、汚れが目立つ場合はやはりクリームで手入れをして頂いた方が良いと思います。常に革の調子を見て手入れをする事がポイントです。

革製品につきまとう「カビ」の心配!もっともカビが発生するシーンとは?

クリームや皮脂でも防げないもの、それが「カビ」です。革製品の寿命は、このカビをどれだけ抑えられるかが大きなポイントとなります。

特に最大級に危険なのが長期間、押し入れにしまうという行為です。これは、どんなに事前に革クリーナーで手入れをして、不織布などで覆っていたとしても、発生する時は発生します。

カビを防ぐ為の最高の対策が、日々コンスタントに使うという事です。例え直接手で触れていなくとも、自然と革が外気にさらされたり、風に吹かれるなどして、カビが成長しにくい環境を作る事が出来ます。

また、押し入れにしまうのではなく、壁に吊るすなどして風通しの良い所に置いておく事が出来るのであれば、絶対にその方が良いです。

押し入れにしまう場合ですが、せめて月に1度は押し入れから取り出して、ブラッシングと乾拭きくらいのお手入れはしてあげた方が良いと思います。

革製品のマメなお手入れと言うのは、実は使っている最中よりも、使っていない時の方が重要だと心得て下さい。

革製品は型崩れもご用心!型崩れを防ぐ正しい革製品の扱い方

革製品の寿命を左右する大きなポイント、そのもう一つは型崩れです。

どんなに高価な製品であれ革製品に型崩れはつきもので、それは何十万もするようなスーパーブランドのバッグだって同じです。

財布などであればある程度大丈夫だと思いますが、やはりバッグが一番危ないですね。また、ブリーフケースのような形がしっかりとあるバッグならまだマシですが、一番危険なのはトートバッグ!油断するとすぐにクシャクシャになってしまいます。

毎日持ち歩くような場合はそこまで気をつけなくても大丈夫だと思うのですが、1週間使わない時もあるような場合だと注意が必要です。

軽いバッグであれば壁に吊るして形を整えておくのが良いと思います。重めのバッグであれば、長期間保管するのであれば、やはり何か詰め物をして保管しておいたほうが安心ですね。

カビの話同様、革製品は毎日使っている内は自然とメンテナンスが出来てしまうのですが、使わない時ほど慎重な手入れが必要です。

お手入れをしても意味の無い革製品とは?

革製品の中には、はっきり言って、手入れをするまでもない革があります。

まず第一に合皮です。合皮はWikipediaにも記載されている通り、皮革に似せて作られた人工素材ですので、当たり前ですが革ではございません。

なので、いくら皮革用クリームを塗ろうとも意味がありません。強いて言えば、表面が一時的にツヤが出て、汚れが落ちる程度でしょうか。

次に、安物のクロム鞣し革です。こちらは確かに本革ではあるのですが、強力な薬品処理がされており、皮革用クリームなどを塗っても効果が無い場合がほとんどです。

このような素材は、要するにエイジング(経年変化)をしないんですよね。使えば使うほどにボロくなる、つまり経年劣化しかしないのです。

その他、商品毎のお手入れ方法は当店まで個別にご相談下さいませ

革製品というのはそれぞれ個性があり、お手入れの方法と言っても、それぞれ対処の仕方がかなり違ってきます。

例えばクロム鞣しの中でも強度を優先したような革であれば、特に皮革用クリームを必要としない場合もございます。

フルタンニン鞣しの革は、エイジングしやすい反面、乾燥等もしやすいので比較的コンスタントにクリームによる手入れをした方が良い場合が多いですが、当店で取り扱っておりますボーデッサンの革製品なんかですと、同じフルタンニン鞣しではありますが、一般的な硬度のある革と違い、非常に柔軟で柔らかな仕上がりとなっておりますので、そこまで神経質にお手入れをする必要は無いと思います。

この辺りのお手入れ方法に関しましては、当店でご購入頂きました商品に関しましては個別に回答させて頂きますので、是非お気軽にご質問下さい。

必要がございましたら、メーカーや工場、デザイナーや職人に直接お手入れの方法を確認する事も可能です。

正しいお手入れをして、大切な革製品と末永く付き合っていきましょう!

という事で、「カバン屋がお勧めする、革製品のお手入れ方法」、参考になりましたでしょうか?

何となくのイメージで、価格が高い革製品は頑丈!と、思われている方も多いかと思いますが、その考えは完全に誤りです。むしろ、高価な革製品ほど色々と注意が必要ですね。

多少傷がついても味と言えるという点では革製品は丈夫と言えるかもしれませんが、革は基本的に水に弱く、カビも生え、型崩れもするという、それなりにデリケートな素材なので取り扱いは気を付ける必要があると思います。

がしかし、そんなデメリットを差し引いても魅力的なのが革製品!是非正しいお手入れをして、末永いお付き合いをして下さいね。

当店では、末永くお付き合い出来る革製品を厳選セレクトしておりますので、是非お店の方も覗いて行ってみて下さい。

という事で、おしまい!東京ヒマワリ ショップページはこちら
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