日本最大の手袋産地、東かがわ市の革手袋メーカー「佐々木手袋」を紹介します

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佐々木手袋は、国内随一の手袋産地である香川県東かがわ市に本社を構える、創業40年を超える革手袋専門メーカーです。

香川の手袋職人の中でも大ベテランと呼べる、職人歴40年、50年といった職人達だけで生産が行われており、香川の革手袋文化を色濃く纏ったメーカーとなっております。

使用する素材は、鞣し等の加工だけでなく原皮も国産の牛革です(主に淡路島の乳牛)。牛革手袋は羊革手袋に比べて丈夫である事が最大の特徴ですので、長年使用できる革手袋をお探しの方に大変お勧めの商品となっております。
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どうも、東ヒマのメガネっ子担当「猪野」です。

本日は、日本の革手袋の名産地、香川県東かがわ市にある老舗の革手袋専門メーカー「佐々木手袋」をご紹介させて頂きます。

今回のブログを執筆するにあたって実際に香川に出張に行って工場を見学させて頂いたのですが、代表の佐々木さんと創業者であるお父様にお話を伺えば伺う程、皆様にお伝えしたい貴重な情報をたくさんお聞きする事が出来ました。

という事で本日は工場見学日記も兼ねて、佐々木手袋の魅力をたっぷりとお伝えしていきたいなと思います。

佐々木手袋の代表「佐々木 学」様を紹介します

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こちらの方が、佐々木手袋の代表「佐々木 学」様です。

佐々木手袋は、今から40年以上前に佐々木様のお父様が創業された会社なので、佐々木学様は二代目代表となります。

メーカーの代表と言うと実務にはほとんど関わらないイメージがありますが、佐々木様は自身もベテランの職人ですので、実務の方が多いくらいだそうです。

後述しますが商品の営業等も多くは行っておらず、物作りに専念して仕事をされているそうです。

革手袋の品質を大きく左右する「金型」について

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物作りの実務と言うと、ミシン等を使って縫製をするイメージがあるかもしれませんが、縫製は代表自身ではほとんどしないそうです。

出来ないわけでは無いそうですが、自分がやるよりも「縫子(ぬいこ)」と呼ばれる専門職人に任せた方が圧倒的に早いらしく、全てそちらに任せているとの事です。(縫子に関しては後述致します)

では代表は何をしているかと言うと、中でも重要な仕事が「金型作り」だそうです。

現代の革製品作りは金型で裁断をする方法が主流です。上記写真のように金型を素材に乗せて、プレス機で圧力を掛けて生地をカットするのです。

ずっと昔は小刀等で革を1枚1枚裁断していたそうですが、非常に時間が掛かる上に仕上りもブレが出るので、品質・速度共に優れた金型裁断を多くのメーカーが採用しております。

金型の製造は、専門業者である「金型屋」の仕事となりますが、この金型屋に具体的な指示を出すのが佐々木様の仕事です。

手袋は、人間が手に履いて使用するといった道具の為、僅か1mmのズレさえも敏感に使用感に響いてきます。

だからこそ、金型作りは革手袋作りの要であり、難しいポイントとなります。

また、手袋のサイズは「手囲い」と呼ばれる独特なサイズ展開があり、加えて男性と女性で骨格の違いがある事も難しい所です。

そういった諸々の都合を把握しつつ、立体に縫製した際の仕上りを想定し、要所でサンプルを作ったりしながら、金型の設計図と呼べる「型紙」を仕上げていきます。

この調整が品質の大きな分岐点となる為、佐々木手袋が受注したオーダーは全て、代表自ら型紙作りを行っているそうです。

東かがわ市のベテラン手袋職人だけで生産される佐々木手袋の製品

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前述致しましたが、縫製は主に「縫子(ぬいこ)」と呼ばれる縫製専門の職人が担当しており、この縫子さんの技術力も品質を大きく左右します。

そして、佐々木手袋の製品を担当する縫子さんはと言うと、全員が職人歴40~50年以上という、東かがわの手袋職人の中でも大ベテランだけを集めて生産をしているそうです。

これは言い換えれば職人の高齢化が進んでいるという事でもあり、喜ばしい事でない一面もあるのですが、それでもやはりベテラン職人が手掛けた製品というのは価値を感じてしまいますね。

ご存じ無い方も多いかと思いますが、「日本製」と記載された商品であっても、皆様がイメージするような「日本人の職人」が手掛けた製品というのは近年どんどん少なくなってきております。

生産している工場はもちろん日本国内ではあるのですが、実務をこなしているのは海外から日本に仕事を探しに来た外国人といったパターンが非常に多いという事です。

それが悪い事ではありませんが、佐々木手袋のように日本人のベテラン職人が生産した製品というのが非常に貴重であるという事は、是非皆様にお伝えしたい所です。

また、それだけ歴の長い職人さんが作ったともなれば、さぞかし値段も高いのだろうと思いますが、佐々木手袋の製品はどれも1万円以内に十分収まる程度で、革手袋の中ではミドルクラスと言える価格設定となっております。

この辺りについてご紹介する為に、創業者である佐々木様のお父様について次章ではお話していこうと思います。

佐々木手袋の創業に関するお話

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佐々木手袋の創業者であるお父様は元々、当時香川で大手手袋メーカーであったウルシハラ手袋(現在は廃業)に勤めておりましたが、その後独立して今の会社を設立したそうです。

そして、創業当時に主力の卸先だったのが、国内の大手ショッピングモールだったそうです。

これはどういう事かと言うと、百貨店のように品質を最重要視した物作りでも、量販店のように安さを追及した物作りでもなく、品質とコストのバランスがとれたミドルクラスの製品開発が求められていたという事です。

百貨店で取扱うような高級革手袋は、基本的に柔軟性のある羊革(ようかく)が使用されております。

しかし、羊革は高級素材である為、ミドルクラスの価格帯では予算の都合で使用する事が出来なかったそうです。

そこで選ばれたのが、現在でも佐々木手袋の主軸素材である牛革でした。

革素材というのは基本的に、家畜が食肉用等に加工された際の副産物なのですが、牛革は羊革に比べて世の中の流通量が多い事に加え、一頭辺りの採取出来る面積が大きい等の理由もあり、羊革の約半値で仕入れる事が出来たそうです。

牛革は堅牢度は高いものの非常に固く、革手袋の素材として最適ではない事も事実でしたが、タンナーとの共同開発によって堅牢度を維持しつつも薄手で柔らかさがある牛革の開発に成功しました。

そうして完成した牛革手袋は、羊革手袋には無い風格や耐久性を備えた仕上りとなり、コストに関してもショッピングモールが求めるミドルクラスに収める事が出来ました。

また、過去には牛革をメインで使用する革手袋メーカーは他にも存在していたそうですが、ミドルクラスの革手袋の多くが海外生産となってしまった事情により、国内メーカーは相次いで廃業となってしまったそうです。

よって、現在では国産品としての牛革手袋を扱う手袋メーカーは東かがわ市でも佐々木手袋一社のみとなってしまったそうです。

日本で革手袋を手掛けるメーカーは、ほぼ全て東かがわ市に集約していると言って過言ではありませんので、日本国内の売り場で見かける「日本製」と記載された牛革手袋は、ほぼ100%佐々木手袋製であると言えます。

柔らかな羊革手袋も素晴らしい製品ですが、堅牢度の高い牛革手袋も非常に味わい深く、どちらも違った個性と魅力があると思います。

※スポーツ手袋等では牛革手袋を生産するメーカーは他にもあります

佐々木手袋の製品を取扱うお店やブランドについて

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「日本国内の売り場で見かける日本製と記載された牛革手袋は、ほぼ100%佐々木手袋製」だと言いましたが、それらの牛革手袋の全てに「佐々木手袋」と記されているわけではありません。

佐々木手袋は、生産の大半をOEM(受託製造)として仕事をしておりますので、他社のブランド名やショップ名が刻印されている事がほとんどなのです。

依頼主は前述しました国内の大手ショッピングセンターだけでなく、比較的高級価格帯のセレクトショップや、過去には日本最大規模の衣料品メーカーの仕事も受けた事があるそうです。

実は私達のように、同社製品を「佐々木手袋」として販売するのは滅多に無いそうで、ほとんどの依頼主が自社ブランド等のロゴを入れるそうです。

せっかく自分達がお金を出して仕事を依頼するのですから、自社ブランドの名前を育てたいと思うのが普通ですからね。

しかし当店は、ファッション業界の裏側でこういった方達が実務をこなしているという事を紹介し、そのクオリティーにご納得頂いた上で商品を選んで欲しいと考えている為、このようなスタイルで商売をさせて頂いております。

佐々木手袋の製品は、原皮や各種パーツも日本製です

佐々木手袋がメインで使用している革素材は、姫路のタンナーと共同開発した国産原皮の牛革です。状況によって稀に変わる場合もあるそうですが、基本的には淡路島のホルスタイン(乳牛)が使用されているそうです。

また、手袋で大事なのは保温性や履き心地であり、それに大きく影響するのが裏地ですが、こちらは創業当時からベンベルグ起毛素材をメインで使用しているそうです。

ベンベルグというのは日本の生地メーカーである旭化成が開発した素材で、もしかしたらキュプラと言った方が伝わりやすい方も居るのではないでしょうか?

ベンベルグやキュプラは、高級なジャケットやコートの裏地に使用される定番素材で、ポリエステル等と比べて吸放湿性が非常に高く、滑らかで快適な高級裏地の大定番素材です。

その生地に起毛加工を施す事で保温性も向上させたのが、ベンベルグ起毛素材です。

その他、各種金具やカフス等も全て日本メーカー製品を使用されているという事で、現代では極めて珍しい純国産品の革手袋となっております。

※ハリスツイード等の海外生地を使用する場合は例外となります

佐々木手袋製品が低価格である理由

ここまでの説明を読んで頂けた皆様の中には、1つ大きな疑問を感じている方が居るのではないでしょうか?

それは、なぜここまで手の込んだ国産革手袋なのに、ミドルクラスの販売価格が設定出来るのかという事です。

羊革より安価な牛革を使用しているとは言え、ベテラン職人によるオールハンドメイド手袋の価格ではありません。

こちらについて代表に質問した所、しばらく首を傾げ、その後に出てきた言葉はこちらです。

「職人さんの心意気ですね」

そうなんです、種も仕掛けも無く、ただ単純に職人さんの心意気でもってミドルクラスの価格帯が維持出来ているだけだそうです。

素材などの材料費はどうにも下げようがありませんので、調整出来るのは結局職人さんの報酬だけなのだそうです。

ミドルクラスの製品は、アジア圏等で生産された海外生産品と価格でも勝負していかなくてはならず、ギリギリまで経費を削って価格を調整しているのが現状です。

「牛革手袋」という括りだけで見れば、佐々木手袋よりも海外製品の方が安い事は事実ですが、細部の作り込みや革の味わいなど、表記上のスペックだけでは表現出来ない魅力が佐々木手袋にはたくさん詰まっています。しかし、中々そういった魅力は伝わり難い事も事実なのだそうです。

また、この販売価格を支えているのは、ベテラン職人達の仕事の早さも大きな理由です。佐々木手袋の仕事を請け負うベテラン勢は、歴2~3年くらいの職人と比べ、3倍近いスピードで縫製作業等が出来るそうです。

1双辺りの作業単価が半額になってしまったら、2倍の仕事量をこなして同額の報酬を得るという力技で生き抜いてきたベテラン職人達だからこそ、驚異的な技術力の差があるのだそうです。

高技術&低報酬である手袋職人の現状について

革手袋というのは、他の革製品に比べて1mm単位のズレが履き心地に大きな影響を与える道具です。

また、袋状の為に縫製は難しく、数ある革製品の中でもかなり難易度が高いと言えます。

しかしながら革手袋というのは単価が安く、更には冬にしか売れない商品というのもあり、他の職人に比べて報酬は安いそうです。

つまり、手袋職人というのは技術を習得する事が難しい上に儲からないといった職種なのです。

だからこそ過去に手袋職人をやっていた人達の多くは、より稼ぎやすい鞄業界や衣料品業界へと流れて行ってしまったそうです。

難易度の高い手袋の縫製が十分出来るという事は、他の業界でも即戦力になるので仕事を変えやすいのです。

そんな状況の中で手袋業界に残った職人というのは、端的に言えば手袋を作る事が好きな人達なのだそうです。

様々な事情があるとは思いますが、何らかの理由で報酬額よりも東かがわの手袋職人としての生き方を選んだ人達という事です。

職人さんの報酬が安いというのは国内生産の大きな問題点であり、正直言って良い話では無いのですが、「販売価格が安いのは品質が悪いから」だと思われないように、事実としてこのようなお話をさせて頂きました。

今後は私達のような小売店も売り方を工夫する等して、正統な報酬を職人さんが受け取れる環境を作っていく必要性をつくづく実感します。

佐々木手袋を取扱う商社「イーグル商会」を紹介します

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「佐々木手袋の代表は、商品の営業も多くは行っておらず、物作りに専念している」とお話しましたが、代わりに営業業務をこなしているのが、同じ東かがわ市に本社を構える「イーグル商会」という会社です。

実はこちらの会社の代表は、当店でも取扱っている東かがわ市で最大の革手袋メーカー「クロダ」に元々勤められていた方です。

佐々木手袋の他にも、東かがわ市に点在する手袋メーカーの製品を数多く取扱っており、こちらの会社があるからこそメーカーは物作りに専念出来るといった仕組みになっております。

東かがわ市は手袋の名産地ですが、実売のほとんどは首都圏なので、イーグル商会の代表が各社の商品を持って各都道府県に行って商談をしたり、展示会を開いたりしているそうです。

また、手袋のデザイン等に関する企画もするそうです。元々がクロダ出身なので、商社という立場でありながら手袋に関する実務まで本格的にこなせてしまうのが大きな特徴ですね。

生産に関する段取りや、検品等も全てこちらの会社が担当しており、メーカーはひたすら製品を作れば何もかも上手くいく仕組みが構築されております。

今まで商社というと、利益を間引きされるような悪い印象がありましたが、少なくとも佐々木手袋とイーグル商会はほとんど同チームといった感覚ですね。イーグル商会は、東かがわ市の手袋業界全体の総合窓口といった存在なのです。

また余談ですが、イーグル商会本社の1階は上記写真の通り「喫茶イーグル」となっております!元々こちらの建物はイーグル商会代表のご両親が所有しており、もう何年もこの地で商売をしているそうです。

ずっと昔は食事処だったそうですが、世の中が喫茶店ブームの際に今のお店に変更し、当時この辺りでは唯一のナウいお店だったそうです。

今でも常連客がいつも利用しており忙しいそうで、イーグル商会の代表も毎朝モーニングの仕込みと調理を担当しているそうです!大変そうですが、学生時代から店の手伝いが当たり前だったので問題じゃないそうです、、パワフル過ぎる!

ブランド化粧箱が付属するのでプレゼントにもお勧めです

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佐々木手袋の商品は全て上記ブランド化粧箱に入れてお届けさせて頂きます。ラッピングをご依頼頂いた場合は上記化粧箱をギフトバッグに入れてお届けさせて頂きます。
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更にクリスマスシーズンに関しては、ご希望の方に向けて上記写真のようなクリスマス仕様の包装紙ラッピングを無料で行わせて頂いております。

ネット通販ですと配送の都合等があり包装紙ラッピングを行っている所は少ないかと思いますが、やはりプレゼントと言えば百貨店等でもお馴染みの包装紙ラッピングですよねという事で、正直かなりコストは掛かっているのですが毎年恒例のイベントとさせて頂いております。

イベント開催時は当店ホームページのトップページ等に情報を掲載しておりますので、そちらから詳細等を確認して頂ければと思います。

東かがわ市の老舗手袋メーカー「佐々木手袋」を紹介させて頂きました

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と言う事で、まだまだ話足りない部分もありますが長文となって参りましたので、ブログはこの辺りで終わりにしようと思います。

その他のちょっとした小話等については動画の方でご紹介出来れば良いなと思いますので、興味のある方は是非そちらもチェックして頂ければと思います。

佐々木手袋の代表や、創業者であるお父様ともお話をして感じた事は、メーカーという立場でありながら商売っ気が全く無く、本当に長い間、純粋に手袋作りを生業にして生きてきたんだなという事を感じました。

普段私達が買い物をする時は、商品のスペックやブランドの知名度で購入を検討すると思いますが、こういった作り手を良く知った上で商品を購入し使用するというのも、日々の暮らしを豊かにする道具の選び方として重要な要素なのではないかなと思います。

特にギフトとして手袋を探されている方にも大変お勧めですね!大切な人へのプレゼントだからこそ、生産背景にも共感出来るような製品を選ばれた方が、プレゼントを貰う側も渡す側も満足度が高いんじゃないかなと思います。

という事で、革手袋をお探しの方は是非佐々木手袋の製品をチェックしてみて下さい。

以上、おしまい!佐々木手袋 商品一覧はこちら
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