ヒラメ釣り初心者の方必見!おすすめのタックルから狙い目のポイント、ルアーやワームを使った釣り方まで、初心者が知っておきたいことをわかりやすく解説します。船で沖に出ることなく、サーフや堤防などの身近な場所でヒットが狙えるのも初心者にはうれしいポイント 。これを見て、ヒラメのルアー釣りの基本をマスターしましょう!
ヒラメの生態・特徴
ヒラメは東北地方から九州にかけて、日本各地の沿岸部に生息しています。岩礁近くの砂泥地や、かけ上がりなどの変化のある場所を好み、水深は10~200m辺りまでの広い範囲で見られます。
扁平な体型で、一般的に「左ヒラメに右カレイ」と言われるように両眼は頭部の左側についていますが、例外もあります。成魚になると中底層を泳ぐイワシなどの回遊魚を主食としているため、カレイに比べて口や歯が大きく鋭いのが特徴。体長は30cm~60cmほどです。
ヒラメ釣りの時期・時間帯
基本的に年間を通して釣ることができますが、本格的なヒラメ釣りのシーズンは3月~11月までと言われています。特に夏から秋口にかけてはベストシーズンです。ヒラメの主食となるイワシなどのベイトフィッシュがサーフに現れる時期なので、数を狙いたい方にはおすすめのタイミングです。また、春先は水深10~20mくらいの場所へ産卵のために移動するので 、浅場を狙うと良いでしょう。
ただ、ヒラメを美味しく食べたいとなると、何といっても冬。特に産卵前の「寒ビラメ」は脂肪が乗っていて絶品と評されます。ヒラメ釣りは、数を狙うなら春から秋、味にこだわるなら冬の時期がおすすめです。
ヒラメの釣り場・狙い目のポイント
砂地に潜って移動する習性があるヒラメは、エサとなる小魚が集まる沿岸部のサーフがベストポイントですが、堤防やテトラポットなど身近な場所でも釣ることができます。また、岩場や磯などの岩礁帯にもヒラメは居着きます。特に小魚が群れる秋口の岩場は狙い目です。つまり、ヒラメは「サーフ」「堤防」「岩場」など幅広いスポットに生息しています。それでは、各スポットの狙い目ポイントを解説していきます。
ヒラメ狙いのメインの釣り場と言えるのがサーフ(海岸線・砂浜)です。しかし、海岸線は広く続いているので、どこを狙えば良いのか初心者には難しいところ。そこで、ポイントとなるのが「離岸流」です。離岸流とは、打ち寄せた波が沖に戻ろうとする時に発生する、局所的に強い引き潮のこと。
離岸流が発生するスポットは地形的にも変化に富み、ヒラメの主食となるベイトフィッシュが集まりやすい場所でもあります。離岸流が起こる付近では、引き潮に砂がさらわれて小石や砂利が溜まりやすく、周辺に比べて波があまり立っていません。それがサーフのベストポイントを見つけるコツです!
サーフの場合は、朝マズメからのデイゲームがメインとなります。砂に潜り獲物を目で追うヒラメの性質上、夜の暗闇の中では獲物に気が付きにくく釣果も期待できません。同じ理由から、海が穏やかで濁りの少ない時期も狙い目です。
サーフでのヒラメ釣りでは、潮の満ち引きも釣果を左右する要素です。ズバリ狙い目は下げ潮のタイミング。潮位が下がれば、その分獲物との距離も近くなり有利です。さらに、潮位が低くなると波の勢いが増し離岸流も強くなります。下げ潮の時は、ぜひ離岸流を意識してみましょう。また、波に入ることが多いサーフではウェーダーは必需品。波よけ・防風の意味もあり、一着持っているととても便利です。
多様なベイトフィッシュが集まる堤防・テトラポット付近も、ヒラメ釣りには狙い目。堤防は足場が良く、軽装でも楽しめるので、初心者にも安心できるスポットと言えます。外海に面した大きな漁港付近や、サーフの途中にある堤防は、特に好釣り場となる場所が多いです。
ただし、水温が下がる冬季はヒラメの主食となる小魚がいなくなるため、水温が上がる春から晩秋頃がおすすめです。また、外海が荒れてる時も好タイミング。小魚が漁港に逃げ込み、それを追って大型のヒラメが入り込むので、大物が釣れる可能性もあります。
砂地に生息しているイメージが強いヒラメですが、ベイトフィッシュの行動に合わせて磯や浅瀬などの岩場にも現れます。特にサーフが近くにある岩場はヒラメにとっては理想的なエサ狩場なので狙い目です。ただし、根掛かりの可能性が高いので、初心者にとっては少し難易度が高めです。
また、岩場では足元が濡れた場所が多く、打ち上がった海藻による落水や転倒のリスクもあります。フェルトスパイクシューズなど、場所に合った靴を選ぶようにしましょう。
ヒラメを狙う上で、意外と外せないポイントが河口です。川から流れ出る淡水と海水が混ざり合う「汽水域」と呼ばれる河口周辺は、ベイトフィッシュが多く、ヒラメも集まってきます。狙い目としては、川寄りではなく、サーフのある海場に近い河口です。
また、河口での好タイミングは雨の日と言えるでしょう。雨が降ると河口域の水量や酸素量も増えるため、ヒラメのエサとなるベイトが増えて必然的にヒラメも寄ってくるからです。しかし激しい雨の日は水が濁り、ヒラメにとっても視界が悪く、食いが渋くなるので、避けたほうが無難でしょう。
ヒラメ釣りのタックル、仕掛け
ここではサーフでのヒラメ釣りを想定したタックルを紹介していきます。 ほぼシーバス釣りと同じタックル・仕掛けで代用できるので、今ある道具を使って手軽に楽しめることもヒラメ釣りの魅力です。
サーフでのヒラメ釣りは、広大な範囲を攻略するための遠投性を考え、長めのロッドを選ぶと良いでしょう。長さは9~11ftくらいが理想的です。長いロッドは、高い波にラインが飲まれてしまうことを防ぐ意味もあります。また、サーフではポイントを探して歩き回るシーンが予想されるので、ロッドの重量は200g程度を上限とし、体の負担にならない程度の重さを意識しましょう。
9~11ftくらいのロッドには、3000~4000番のリールマッチします。ただし、メーカーによって同じ番手のリールでも大きさが違うので注意しましょう。ダイワならば3000番台、シマノならば4000番台を選ぶのが良いでしょう。サーフでのヒラメ釣りでは、PE1号前後のラインが150m以上巻ければ問題ありません。
普通のモデルかハイギアモデルかで悩むところですが、ここはハイギアタイプを選ぶことをおすすめします。ハイギアタイプは巻取りがスピーディーで、糸ふけを素早く回収できるため、ストレス無く釣りを楽しむことができるでしょう。
ラインには、PEやナイロン、フロロカーボンなどの種類がありますが、ヒラメ釣りはPEラインをメインにしましょう。PEラインは引っ張り強度があり、細くて伸びにくいといった性質を持ちます。ラインの太さは、1.2~1.5号くらいを選べば初心者でも安心です。細めの方が飛距離は出ますが、その分エアノット(結び玉の発生)などのトラブルも多くなります。そのため、まずは太めの1.5号から始めて、慣れてきたところで1.2~1.0号などの細めのタイプにシフトすることをおすすめします。
ナイロン製のリーダーは柔らかくて扱いやすいのですが、擦れに弱く切れやすいというデメリットがあります。その点フロロカーボン製は非常に硬く、擦れに強いので使いやすさは充分です。
ただ、ラインブレイクが起こりやすい初心者にとっては、安価なナイロン製を備えておくこともおすすめです。リーダーの太さは、4号(16lb)を目安に、初心者であれば5~6号( 20~22lb)を選んでも良いでしょう。長さは1m程度が適しています。
ヒラメ釣りのルアーは様々なタイプが使われています。シンキングミノーは12~14cm、メタルジグでは10cm程度の大きめのサイズが適しています。
特にヒラメが広範囲に散らばっているサーフでは、遠投がしやすいルアーを選ぶことがポイント。シンキングミノーは飛距離が期待できる重心移動式がおすすめです。重さがあるメタルジグは空気抵抗が少なく、飛距離を稼ぐことができるので、初心者にとっては心強い味方です。また、ワーム(ソフトルアー)はサーフだけではなく、堤防など多様なスポットで使えるので重宝します。
ルアーの色は、イワシカラーなどのナチュラルなタイプと、暗い海中でも目立つレッドゴールドやオレンジベリーといった系統を揃えておけば良いでしょう。
ルアー釣り×サーフ
ルアーを使ったヒラメ釣りは、サーフでのゲームが主流です。広大なサーフでは、まずはヒラメにルアーを気づかせることが重要。振動や音など大きなアクションを生むハードルアーはアピール力が高めなので、サーフでは存分に力を発揮してくれるでしょう。一方、地味なワームはヒラメが気づきにくいので、サーフでの使用は不向きと言えます。
水深が浅いスポットに向いています。できるだけ遠くにキャストして数秒待ち、ボトム付近からリーリングしていきましょう。リーリングはロッドを水面に対して水平に保ち、静かに狙います。
飛距離が期待できるので、ポイントが遠い場合に向いています。着底したらジャーキングしながら引き上げていきます。しばらく繰り返してもアタリが無ければ、場所を変えながらキャストを繰り返しましょう。
着水したらレンジを意識してフォーリング。一定の速度でリーリングします。 ヒラメをエサで釣る場合、アタリがあっても数秒くらい待ってから合わせるのが一般的ですが、ルアーの場合は瞬間勝負が鍵。ルアーのバイトは一瞬なので当たったタイミングで合わせましょう。
ワーム釣り×堤防・岩場
ルアーでなかなか成果が得られない時はワームにチェンジしてみましょう。リアルな形状のワームは喰わせ能力が高く、ハードルアーで釣れない場合でもワームに変えると釣れることもあります。また、ワームは柔らかいのでヒラメが喰いついたら離しにくく、バラシの心配も低いでしょう。
特に、堤防や岩場などの入り組んだスポットは水深が深く、ハードルアーでは狙いにくくなることも。その点ワームならポイントが絞りやすいので、岩の間を探りながら場所を移動していきましょう。
堤防や岩場でのワーム釣りはボトム狙いが基本。まずは底に近い位置を中心にトレースし 、反応が無ければ底から50㎝~1mほど浮かせてレンジを上げてみましょう。底取りとただ巻きを繰り返しつつ、たまに左右に動かすなどのリアルな動きを混ぜて、ヒラメに気づかせることがポイントです。
ヒラメ釣果アップのまとめ
1.ベストシーズンは夏から秋口にかけて!
2.時間帯は朝マズメを外さない!
3.下げ潮のタイミングを狙う!
4.離岸流や河口付近が狙い目スポット!
5.ルアーはサーフ、ワームは堤防や岩場と場所で使い分ける!
6.ルアーの種類によってアクションを変える!
7.ワームはボトムを狙い、ストップアンドゴーを繰り返す!
おいしい食べ方
釣った魚をクーラーに入れ、持ち帰る頃には鮮度が大きく落ちていることがあります。特にヒラメなどの白身魚は、繊細な甘みが持ち味なので、釣った直後に締めることがポイントです。
1.まず頭を左に、背中が手前に来るようにして、エラの付け根から包丁を差し込み血管と背骨を切り、血抜きをします。
2.尾の付け根にも包丁を立てて骨を切断します。この時、魚が暴れることもあるので注意しましょう。
3.クーラーなどの容器に海水を貯め、その中で完全に放血させます。水に血の色が混ざらなくなればOKです。
完全に放血をしないと身に血が回るなど、ヒラメの繊細な味や風味が損なわれ、なおかつ雑菌も繁殖しやすくなります。ヒラメを締める際には徹底して血を抜くように意識しましょう。
ヒラメの調理法としては、何といっても刺し身や洗いがおすすめ。特にヒレの下部にある肉身は「エンガワ」と言い、脂肪が乗って歯ごたえも良いので、寿司ネタとしても人気です。煮付けにする場合は、ウロコとエラを取り除いて筒切りにしましょう。