春の手仕事は、ソイ・オ・レに導かれて
あえて手間や時間をかけてみる。
一周回って、それがとても贅沢なことに感じている。
便利で時短で、安価。
そんな、手間もなく簡単に"プロレベル"が手に入ることは確かにありがたいし、賢く利用したい場面もある。
だけど、例えばたまの休日や隙間時間にまで効率効率…
なんだか大事なものを見落としているような気がするのは、私だけ?
昔は、お味噌汁ひとつ作るにしても昆布を引いたり、鰹節を削ったり、1つ1つ丁寧なプロセスがあった。
確かに面倒だけど、そのプロセスの中で私たち日本人は自然の恵みや季節のものが食べられることへの感謝を紡ぎ続けてきたんだろうな。
結果重視の世の中だけど、私たちは功績や成果だけを求めて生きているわけじゃない。
敢えてプロセスを丁寧に追ってみよう。
そこには何か、自然体な生き方や自分らしい在り方へのヒントが隠されていそうな予感。
年々美容や健康への関心は右肩上がりで高まっていますが、再度脚光を浴びているのが「豆乳」。ダイエットの観点からも動物性たんぱく質より植物性のたんぱく質でスリムに筋肉量を増やすといった「ソイプロテイン」の働きや、肌や髪の調子を整える「エストロゲン」の働きを補う「大豆イソフラボン」、「サポニン」や「レシチン」といった成分でコレストロール値を抑制したり生活習慣病の予防にも期待されています。
今回はその豆乳をいちから作ってみようと思いますが、豆乳は豆のにおいが苦手という方も多いので、より飲みやすさという点から、昨今のカフェブームもあって「ソイ・オ・レ」にしてみたいと思います。街のカフェでは「ソイ・ラテ」を多く見かけますが、エスプレッソが必要なラテは自宅では難しいので、自宅でも出来る「オ・レ」作りに手間と時間をかけてみます。
ただ、折角いちから豆乳を作るならコーヒーにもこだわってみたい。とはいえ奥深いコーヒーの世界、素人では手に負えず、ここはプロの手を借りながら進めていきます。
今回の企画にご協力いただくのは大阪和泉市、まだ緑の残る穏やかな雰囲気に囲まれた地に、ぬくもりのある木をアクセントに現代的なエッセンスを織り交ぜた素敵な店舗を構えられている「辻本珈琲」の株式会社すてきなじかん。
「辻本珈琲」様は創業明治32年創業の老舗茶葉販売店から同じ嗜好性のあるコーヒーに事業を展開してこられました。店舗では世界各国のスペシャルティコーヒー豆を店内で焙煎し、煎りたて挽きたて淹れたてを味わえ、コーヒーを通して始まる“すてきなじかん”を提供するという理念のもと、コーヒーの可能性とコーヒーを通して笑顔あふれるお客様の素敵な日常を追及されています。
その想いから、各企業様の製品監修やOEMなどを通してコーヒー文化の普及にも努めておられます。今回お声がけをさせていただいたところ、「それは面白い、やってみよう!」と快諾いただきました。
辻本珈琲 HP下ごしらえは前日夜に大豆を水につけておくだけなので簡単ですが、加工と熱を加えていく工程が大変。失敗しないように、ここばかりは文明の利器に頼ることにします。(!)
コンパクトでカラフル、そしてシンプルでスタイリッシュな調理家電シリーズで人気を呼んでいる「récolte」ブランド。
使用するのは「自動調理ポット」。"ほったらかし"でお料理完成!スリムなポット型の自動調理器。材料の刻み具合や加熱温度を、5種類の調理モードごとにコントロールしながら撹拌。なめらかなポタージュや具材の形を残した食べるスープ、おかゆ、豆乳など、手間なく簡単に作れます。家庭用の氷も砕けるので、スムージーなどの冷たいメニューもOK!保温できるモードも搭載。容量約600ml。
同社の「ソイ&スープブレンダー」も同じような機能ですが、容量が少ないので少量だけでよい場合や少人数世帯に向いています。
自動調理ポット
ソイ&スープブレンダー
乾燥大豆をよく洗い、たっぷりの水(大豆の3倍量を目安)に6〜8時間浸ける。大豆のシワが取れたら、ザルにあげて水気をきる。
前日の夜に漬けておくとよいでしょう。元の粒から水を吸って3倍ぐらいの大きさに膨らみます。
大豆を入れ、内側の「MAX」のラインまで水を加えます。蓋をし、「SOY MILK」モードに合わせて約30分待ちます。
熱を加えながら時折ペースト状に攪拌のためモーターが回ります。出来上がると「ピピッ」と音がして出来上がり。豆の香りがし、おいしそうなお豆腐のにおいがします。
ボウルにさらし布をセットして出来上がった豆乳を流し入れます。
火傷に注意しながら木べらなどで押しつつ徐々に絞り出していきます。
出来上がり!
おまけ:搾りかすは「おから」!(ほんのり甘くておいしい)
「コーヒーを淹れることは好きですが、道具を集めるのはもっと好きです!お客様が美味しいと思える珈琲の発見にお力添えできれば幸いです。」
牛乳同様にまろやかさが出るためコーヒー自体も本来の味わいが出るよう、豆を挽くグラインダーには均一に挽けるコーン式を使用。 フィルターもペーパーフィルターではなくゴールドフィルターを使用。電気ケトルは注ぎやすさを重視したモデルを使用。 コーヒーツールブランドとして人気のCoresやイギリスのキッチン家電ブランドRussell Hobbsを展開されている株式会社大石アンドアソシエイツ様に 機材協力いただきました。
ドリップコーヒー抽出方法 / お湯の注ぎ方
コーヒー粉量 | 12g (グラインダー挽目 6.5) |
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お湯 | 120ml (割合 コーヒー粉1:お湯10) |
注湯回数 | 3回 |
レシピノート
コーヒーを淹れる際に大切なのが温度調節。実は沸騰したばかりの100℃のお湯は、コーヒーをおいしく淹れるには熱すぎるのです。
・沸かしたお湯をカップに移しまたケトルに戻すことを繰り返す「お湯交換」をする。カップをあたためながらお湯の温度を下げることができます。
・ケトルに約450ml、水を淹れて沸騰させる(沸く時間:2分半程)。そして約50ml加水すると100℃→90℃ほどまで下がります。
自由自在に温度調節が可能で、スタイリッシュに空間になじむ
「Russell Hobbs T Kettle」がおすすめです。
やけどには十分ご注意を!
「受注のお仕事では、お客様のお顔が見えないからこそ持ち前の人間力を活かし、お客様一人一人に寄り添ってご対応させて頂きます。店舗でもお待ちしております♪」
エチオピア ティルティラ・ゴヨ
(ウォッシュド)中深煎り
豆感が引き立つ無調整豆乳が苦手な澤も一押し。エチオピア特有の華やかさと、焙煎度合いによる味わいのボリューム感が見事に癖のある無調整豆乳とマッチしていました。
ペルー ロス・フロラレス 中深煎り
エチオピアに続き、予想通りウォッシュド(※)の中深煎りと豆乳の相性がいいようです。 コクや苦味だけではなく、若干の酸味は繋ぎに必要なよう。(ナチュラル程は不要ですが) 柑橘系よりは赤紫系の果実味があるペルーとはバランスがよく、甘味を加えずともこのまま飲みたいソイオレでした。
バリ アラビカ アロナ
コーヒーが大好きだけど我慢している妊婦さんや、カフェインの摂取を控えている方にもおすすめのカフェインレスコーヒーです。 コクと奥の方に黒糖のような甘さがあり、バランスがとれていて相性が良かったです。 脇田個人的にはデカフェ バリ アロナが好みです。
グァテマラ レタナ
コーヒー感がぐっと増して「"コーヒー"と"豆乳"感」があり、マッチ感は若干低めですがコーヒー感がしっかり感じられるため、 きび砂糖やはちみつなどのコクのある甘さと相性抜群。甘めに仕上げたいときはこちらがおすすめです。
※コーヒー豆の精製処理方法
「ウォッシュド」・・・コーヒーの実からコーヒー豆をすぐに取り除いて、きれいに水で洗ってから乾燥させるため、味わいはクセが少なく、すっきりとした印象になります。
「ナチュラル」・・・コーヒーの実がついたまま乾燥させることでコーヒーの果実から風味が移りやすく、豊かなコクや甘み、フルーティさが特徴のコーヒーに仕上がります。
Cores キキマグ
スペシャルティコーヒーの際立つ香りと風味を余すことなく楽しむために、細部まで計算し、こだわりぬいてつくりあげたマグカップ、 それがキキマグです。特徴はワイングラスのような形状と、温もりを感じさせる質感。カップを口にしたとたん、 鼻から抜ける芳醇なアロマと味わいが口の中いっぱいにやさしく広がります。
Cores アリタブルマグ
冷たいものは結露せず、温かいものは触れても熱くない、遮熱性がある二重構造のマグカップです。スープカップとしても使える大径の飲み口は、 ラテアートにもピッタリ。カフェラテやカプチーノ、抹茶ラテなど、ミルクや泡をより美味しく見せます。 収納スペースを有効に活用できるスタッキングタイプ。磁器製なので電子レンジや食器洗浄機でも使うことができます。有田焼特有の硬質感と滑らかな手触りで、一つ一つの手作業が生み出す、味わいのあるマグカップです。
さすがに豆乳を一から作るのは時間も手間もかけられない!といった方にはもちろん市販の豆乳でOK!
今回一から作った豆乳のように無調整の豆乳も容易に手に入ります。また、大豆臭さが苦手だという方にも甘みなどを加えて飲みやすくした調製豆乳もあり、それぞれに味わいが異なるのでコーヒーと合わせてみるとまた違った発見があります。お好みに応じて試してみましょう。
今回の企画にご賛同いただいた、豆乳やお味噌メーカー大手のマルサンアイ株式会社様からは上記以外にも様々な視点から製品化された無調整豆乳や有機JAS認証の大豆で作る豆乳、フレーバー付きで飲みやすい豆乳飲料、カロリーが気になる方向けのカロリーoffタイプ、小さいお子様にも飲みやすい豆乳飲料などバラエティに富んだ様々な製品が発売されています。近隣のスーパー等で容易に手に入る手軽さも有難いですね!
濃厚10%
国産大豆の無調整豆乳
有機豆乳無調整
調製豆乳
調製豆乳
カロリー45%オフ
マルサンアイ株式会社様には本企画の趣旨にご賛同いただき、製品の紹介の許諾や画像のご提供をいただきました。
市販の完成品やカフェで飲むソイラテやソイオレもいいけど、一からこだわってみるのも一興。確かに手間や時間、用意するものなどあるけれども、 一つの飲み物ができる過程にどんな物事が関わっているのか、完成品だけを見ているだけでは見えてこない色んな苦労や背景を見れた気がします。 同時に食の恵みに感謝し、それらを直接的、間接的に提供されている様々な事業者さんの努力、製品やお客様に対する熱い想いを垣間見た気がします。
昨今、フェアトレードや一次産業の課題などに関心が高まっていますが、私たちが日々の生活を比較的不自由なく送れている背景や土台には様々な物事が関わっています。 しかし、その恩恵を改まって感じる機会があまりないのも実情です。ただ、今回の企画で手間や時間をかけてみることで、 一つの物事をきっかけに実感と感謝の想いを持つ機会を得ることができました。こういった経験をもとに当店「UNLIMITセレクトショップ」は ただ製品を販売するだけではなく、「心の豊かさ」「満たされた心」を一緒に届けてまいります。
今回の企画にご賛同、ご協力をいただきました、「株式会社すてきなじかん様」、「ウィナーズ株式会社様」、「株式会社大石アンドアソシエイツ様」、 「マルサンアイ株式会社様」(ご掲載順)に深くお礼を申し上げます。
敢えて手間をかける、時間をかける…
そんなの今時バカバカしいし、日々忙しく過ごしてる私には無理だって思ってた。
だけど思い切って"敢えて"の時間を過ごしてみた。
科学や技術が進歩して、便利で時短な生活を楽しめるようになった私たち。
その一方、好奇心を持つことや、正解が分からないことを経験しようとする気持ちは失われつつあるのかも。
―― このまま見過ごしてしまっていいの?
そんな体験の中にこそ、心の豊かさや人としての成長があるんじゃなのかな。
たまにはスローペースで過ごしてみよう。
豊かな時間の流れの中に身をゆだね、心がふわっとほどけていくこの感覚。
―― ああ、そういうことか。
その時、言葉には言い表せない、もちろん便利でも時短でもない"あたたかい何か"が、私の中にすとんとおさまった。
大切に守っていきたい胸のあたたかさを抱えながら、私の日々は今日も明日も、きらめいていく。