ウェルベスト  
 

  気温や湿度の低下が肌にダメージを与えるように、冬は頭皮や髪にとっても過酷な季節。寒さによる頭皮の血行不良、乾燥による髪のパサつきやフケ・かゆみなど、髪を育てる環境が悪化しやすくなります。肌と同じく、頭皮や髪も冬用のお手入れに切り替えて、すこやかな育毛環境をつくりましょう。
                                       ◎指導・監修/桑名隆一郎
               医学博士・桑名皮フ科院長育毛専門医  日本臨床毛髪学会評議員  日本医学育毛協会理事
   

寒さで体が縮こまりがちな冬は、首や肩のこりを訴える方も多いことでしょう。実はこの「こり」が育毛の大敵。こった筋肉が血管を圧迫し、血液が頭皮にスムーズに運ばれなくなり、その結果、髪に十分な栄養が補給されなくなります。  もちろん、厳しい寒さによる体の冷えにも要注意。体が冷えて全身の血行が悪くなると、当然頭皮の血行も悪くなります。体を温める食事や生活習慣を心がけ、外出時には帽子をかぶるなどして、頭皮の防寒にも努めましょう。
 

  薄毛で悩んでいる方は、頭皮が硬くなっていることが多いのですが、これは弾力がなくなって血行が悪くなっていることが考えられます。寒さ対策とともに、頭皮のこりをなくし血液の循環をよくするマッサージを行いましょう。  また、血行不良で髪が栄養不足を起こしやすい冬こそ、育毛剤をしっかり使いたい時期です。頭皮への十分な血液循環が期待できるのは、頭と心臓の高さが同じになる就寝時です。頭皮マッサージや育毛剤でのお手入れは、就寝前に行うとより効果的でしょう。
 
   
頭の両側に手をあて、頭皮を指の腹で押し上げるようにして、頭頂部の皮膚をゆるめる。
同じように、前頭部、後頭部の頭皮を押し上げる。 @、A の動作を数回繰り返す。
 
頭皮が乾燥しやすい冬は、シャンプーの回数に気をつけましょう。とくに汚れていなければ、2〜3日に1回で十分。また、お湯の温度が高いと皮脂が奪われやすいので、熱いお湯での洗髪は避けた方が無難です。  乾燥による静電気も、ブラッシング時などに摩擦が起きやすく、切れ毛や抜け毛の原因になります。保湿性の高いシャンプーでうるおいを保ち、トリートメントをしっかり行うこと。なお、ドライヤーの長時間の使用も乾燥を助長します。洗髪後はタオルドライを十分に行い、なるべく短時間で乾かすようにしましょう。
 
 
黒い紙や布の上で、頭皮を軽くさすってみてください。白く細かくカサカサしているフケが落ちてきたら、それは空気の乾燥による「乾性のフケ」です。乾燥肌の人に多く見られ、とくに冬場に増える傾向にあります。  乾性のフケをそのままにしておくと、毛穴にトラブルが起き、かゆみや「粃糠性脱毛症」につながる可能性があります。かゆいからといって必要以上に洗髪するのは禁物。予防するには、育毛剤でうるおいを与え頭皮の保湿を図ることが重要です。なお、フケが治まらなかったりかゆみが出た場合は、すみやかに皮膚科を受診してください。

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