育毛剤やマッサージなどでヘアケアしていても、髪にダメージを与えるような生活を送っていては効果半減。髪の内と外から正しくケアしなければ、抜け毛を防いで豊かな髪を育てることはできません。そんな育毛の基本中の基本を、育毛研究の第一人者である桑名隆一郎博士がアドバイスします。
◎監修/桑名隆一郎(医学博士・桑名皮膚科院長)
「髪にいいことやっていますか?」トピックス
1
運動編
2
睡眠編
3
ストレス編
4
食事編
育毛と運動にどんな関係があるの?と思う人もいるでしょうが、これが大あり。運動不足になると心肺機能が低下し、身体の血流が悪くなります。すなわち髪の毛への血流の流れも悪くなり、毛母細胞の活動が著しく低下します。また、運動不足はストレスを蓄積させる原因ともなるため、抜け毛や薄毛などの症状を招きやすくなります。
おすすめの運動は、血流を促進する効果の高いウォーキングなどの有酸素運動。忙しい人は、エレベーターを階段にする、ひと駅歩くなど、日常生活の中でこまめに身体を動かすことをおすすめします。
屋外で運動する場合は紫外線に要注意。頭皮や髪が紫外線にさらされると、頭皮が乾燥したり毛穴が皮脂で詰まるなどのトラブルが起き、抜け毛が促進されます。屋外でのスポーツ時には帽子でのガードをお忘れなく。
人間の成長ホルモンは、夜寝ている間に多く分泌されます。肌や髪の細胞がもっとも活発に増殖するのも、夜10時から深夜2時くらいにかけて。従って、夜更かししたり昼夜逆転の生活を送っていると、細胞の活動が妨げられ髪の成長に大きな影響を及ぼします。睡眠不足は体の生理機能を低下させて新陳代謝を衰えさせます。正常なヘアサイクルを維持するためにも、睡眠はたっぷりとりたいものです。
寝つきが悪くついつい夜更かししてしまうという人は、寝る前にリラックス効果のあるローズマリーやカモミールなどのアロマオイルを入れたお風呂に入ったり、アロマオイルをブレンドしたシャンプーなどを使うのも一案です。
「精神的ショックによって、白髪が増えた、髪がドサッと抜けた」などという話をよく聞きます。これは、強いストレスを受けることによって、自律神経が緊張して血行不良を起こしたり、体の免疫力や抵抗力が低下するなどして、髪の毛に栄養が十分行きわたらなくなるため。その結果、ヘアサイクルが乱れて抜け毛が増えたり、髪がやせて白髪になるなどの症状を引き起こしてしまうのです。
好きな音楽を聴いたり、家族との食事を楽しんだり、自分なりの方法でストレスを上手に発散させるようにしましょう。
抜け毛が増えると「このままハゲてしまうのでは?」とよけいに悩む人がいますが、これではかえってストレスが増えて悪循環。育毛剤の効果を信じて、のんびり気長に育毛に取り組むことが大事です。
髪のもとになる成分は体の中に入った食べ物からつくられ、血液に乗ってその栄養が毛母細胞に届けられます。つまり、育毛に不可欠なのは栄養バランスのいい食事というわけ。なかでもしっかり摂りたいのが、髪の主成分であるケラチンの素となるタンパク質です。薄毛が気になり始めたら、良質のタンパク質を豊富に含む肉や魚を、必ず献立に取り入れるよう心がけましょう。
また、ビタミンやミネラルなどの微量栄養素も、毛母細胞の活動に必要な栄養素です。たくさんの食品からバランスよく摂取してください。
ゴマやナッツ類に多く含まれるビタミンEは、血をドロドロにする過酸化脂質を抑え、毛母細胞への血液の流れをスムーズにするほか、頭皮の血液循環も促進。ぜひ積極的に取り入れてみて。
適度の飲酒はストレス解消になりますが、飲みすぎは禁物。過度の飲酒によって体内で必要なタンパク質を作ることができず、毛髪の成長を妨げます。
また、タバコは、血管を収縮させ頭皮の血行不良を招く原因になります。しかも、髪の発育に必要なビタミンCを破壊する作用も。健康のことも考えて、できるだけ節煙、禁煙したいものです。
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