ソプロマゼ家がマラニの運営を始めたのは、1915から1920年頃。 ジョージアの最も美しい地方のひとつであるイメレティのバグダディ村(ハニスツカリ川のある丘の斜面)にガイオス・ソプロマゼが祖父から引き継いだブドウ畑があります。そこでは、チュハヴェリとツォリコウリという珍しい品種を栽培しています。
マラニは、アカシアの森にある川の近くに設けられ、容量100~1500Lまで大小さまざまなクヴェヴリが埋めてあります。大きなクヴェヴリはワインの保管用に、中・小(100~400L)のクヴェヴリは家族やゲストのための日常用として使用していました。現在、残念ながらマラニの多くは残っていません。ソヴィエト時代に一時的に禁酒令が施行され、マラニ運営もその影響を受け、クヴェヴリの一部は使えなくなりました。
現在ではクヴェヴリを使用する人は少なくなり、建造100年にもなる「オダ」と呼ばれる小屋だけが残っています。中には暖炉もあり、ここで昔からワインを飲んだり、ゲストへのおもてなしが行われていました。オダは現在でもよく利用されます。 ガイオス・ソプロマゼは、2008年から「クヴェヴリワイン協会」に加盟し、協会が定めた規定通りのジョージアの伝統的なワイン醸造方法、すなわちクヴェヴリ仕込みでワイン造りを行っています。クヴェヴリは、ルツヴェリ(ブドウの収穫)までに必ずきれいに洗浄し、果汁を入れる準備をします。紀元前に誕生したワイン文化とジョージアのワイン造りの理念に基づくワインは、クヴェヴリで醸したそれだけを指します。クヴェヴリを土に埋め、蓋と粘土で密封し、ワインを使用・保管するのです。また、環境に優しく安全性の高い薬剤を使用し、栽培に関するルールを守りながら、ビオロジックワインを造ることが可能になりました。