当ドメーヌの正式名称は「Caves Jean et Sébastien Dauvissat」で、フランスではワイン販売での競合を避けるためにラベルを変えて販売することが可能なので、フィネス用に「PETIT PONTIGNY」と名前を変えています。「PETIT PONTIGNY」はドメーヌの近くにある、12世紀の僧侶が使っていたワイン保管庫の名前から取っていて、作り手やワインは「Caves Jean & Sébastien DAUVISSAT」と全く同じです。1899年からワイン造りをしていて現在9haの畑を所有、当主のセバスチャン・ドーヴィサ氏は1993年よりドメーヌの一員としてワイン造りに携わっています。ドメーヌのワイン造りは品質とテロワールの尊重、伝統と現代技術の融合を理念として行われています。
畑の土壌は泥灰、石灰、粘土、キンメリジャン(白亜質)などから構成されており、場所によって比率は粘土が多かったり石灰が多かったりと様々です。気候は大陸性気候に分類され、夏は暑いですが冬は非常に寒く、また春には霜の被害に遭うこともあります。その為、1960年代頃から霜への対策として焚火、水の散布、除草、荒れ地や植え込みの廃止などが取られてきました。現在では温暖化や火山の影響で霜は減少しつつありますが2012年及び2016年は霜による大きな被害が出ています。醸造はクラスやヴィンテージに応じてステンレスタンクや樫樽によって行なわれ、樫樽もあまり樽香を付けないように主に1~5年樽を使用、瓶詰前に軽くフィルターを掛けます。
CHABLIS GRAND CRU, LES PREUSES
シャルドネ種100%。南向きの畑は粘土石灰質土壌が多く広さは0.74ha、葡萄の平均樹齢は50年を超えており、そこから取れる凝縮した葡萄はアルコール醗酵から樫樽で行われ、24ヵ月間熟成させます。色調は黄金色で一見熟成したように見えますが、酸味はしっかり残っており蜂蜜やパイナップルのアロマ、果実味、ミネラルなど様々な要素がバランスよく感じられ、余韻も口の中に長く残ります。ヒラメやオマール海老などと相性が良いです。熟成させるとフォアグラとも美味しくなります。シャブリ特級の中では口当たりが柔らかいので1番飲みやすいと言われています。
CHABLIS 1ER CRU, VAILLONS VIEILLES VIGNES
シャルドネ種100%。畑は7つに分けられている1級クラスVaillons(ヴァイヨン)の中の「Les Chatains(レ シャタン)」という区画に位置し、広さは0.79haになります。葡萄の木は1932年に植えられたもので、ステンレスタンクと樫樽を50%ずつ使って醗酵、24か月熟成させた後に瓶詰めされます。他の畑同様、土壌は泥土粘土石灰質ですが、石灰の割合がとても多く、樽熟成由来のアーモンドやヘーゼルナッツ、蜂蜜のアロマと共に、酸味がとても綺麗で鉱物的なミネラルが豊富に感じられます。アカザエビや帆立貝のクリームソース和えなどと良く合います。
CHABLIS, SAINT-PIERRE
シャルドネ種100%。ドメーヌの近くに位置する畑を中心に数区画に分かれており、広さは約1haで葡萄の樹齢は約35年になります。また、1級区画「Vaillons(ヴァイヨン)」の若木を格下げして使う事もあります。ステンレスタンクのみで醗酵、熟成させていて、シャブリらしいキレのある酸味とフレッシュな果実味が感じられます。アペリティフ、前菜、牡蠣、ハムやソーセージ、スモークした魚、貝類やエスカルゴ、シェーヴルチーズに良く合います。シャブリの村名クラスは区画名を表記できないので「Saint-Perre(サン ピエール)」という現在ドメーヌがある地区の昔の呼び名をキュヴェ名に採用しています。