圧倒的な存在感自然派と明確な個性を昇華させた天才

Leon Barral
レオン・バラル

 
 
 
 
 
希代の色男、そんな風貌のディディエ・バラルであるがワインに対する天才的な才能、真摯な態度は尊敬に値する素晴らしい作り手だ。現在ではかなりの生産量になっているがそれでも世界中の需要をまかないきれないでいる。畑の周りの土地まで購入し外的な農薬や化学肥料の影響を廃しビオディナミ以上の自然派農法を行っている。その造りは最も下のクラスのフォジェールを飲めば誰もがわかるほど素晴らしい。ジャディスは以前マルゴーと比べられたほど。ヴァリにエールは実に極まった姿で欠点がない。ラングドックでここまで魅力的な姿のワインができるとはムーラン・ド・ガサック以来の快挙といえる。 バラルの畑は特別である。ラングドックに大雨が降り、トラクターが踏み固めた周囲の畑が沼のようになった時でも、ここの畑だけは柔らかな土が水を吸い、しっとりと、艶やかな地表が見える。「土壌の生物(ミミズなど)を健全に育み、彼らが自然に作る土深くまでの微細な空洞と風通しにより、畑の土を柔らかくする」という当主ディディエが心血を注いだ栽培の力である。その栽培にはさらに、偉大な力がある。軟らかな土深くに保たれる十分な水分で収穫時、周囲の畑では急落するブドウの酸が、ここでは落ちずにまばゆく保たれる。冬には約100頭もの牛、羊、鶏を畑に放し飼いにするため、堆肥も全くの自然の産物である。アルコリックで重々しく、かつ単調な多くのラングドック・ワインとは次元の異なる、純度の高い果実味と、端然たる酸に支えられた、フィネスあふれるそのワインは、「フランス・自然派ワインの最精髄の一つ」との評価が高い。
Leon Barral Leon Barral1
Faugeres 2017
フォジェール [2017]
土壌:シスト、石灰岩、粘土
畑の標高:300m
畑の向き:南
栽培面積 :15ha
仕立て方法:ゴブレ
品種:カリニャン 50%, グルナッシュ30%, サンソー 20% 
平均樹齢:30~60年
植樹密度:8,000本/ha
収穫量:30hl/ha
醸造
選果の場所:セラー
マセレーション:1ヶ月間
酵母の添加有無:なし
醗酵容器:コンクリート
アルコール醗酵期間:1ヶ月
醗酵温度コントロールの有無:なし
熟成:コンクリートタンクで2年間
濾過清澄:なし
当キュヴェの年間生産量:55,000本/年
Vdp Blanc L’Herault 2016

Sold Out

Vdp Blanc L’Herault 2016
ブラン・レロー [2016]
土壌:シスタ、石灰岩、粘土
畑の標高:300m
畑の向き:南
栽培面積:0.3ha
仕立て方法:ゴブレ
品種:テレ・ブラン&テレ・グリ70%、ルーサンヌ20%、ヴィオニエ10%
平均樹齢:テレ・ブラン&テレ・グリ80~120年(2011年に2ha植樹)、その他40年(2015年現在)
植樹密度:テレ・ブラン&テレ・グリ5,000本/ha(古い畑で死んだ木の植え替えをしていない)
その他8,000本/ha
収穫量:テレ・ブラン&テレ・グリ 15hl/ha、その他 30hl/ha
醸造
選果の場所:セラー
マセレーションの有無:なし(垂直プレスでの長時間プレス)
マセレーション期間:3日(垂直プレス内でのプレス期間)
酵母の添加有無:なし
醗酵容器:ステンレス
アルコール醗酵期間:1ヶ月
醗酵温度コントロールの有無:なし
熟成容器:木樽で1年間
濾過清澄:なし
当キュヴェの年間生産量:5,000本/年
Valiniere 2012
ヴァリニエール [2012]
土壌:シスト、石灰岩、粘土
畑の標高:300m
畑の向き:南
栽培面積:4ha
仕立て方法:ゴブレ
品種:ムルヴェードル80%, シラー20% 
平均樹齢:20~40年
植樹密度:8,000本/ha
収穫量:25hl/ha
醸造
選果の場所:セラー
マセレーション:1ヶ月間
酵母の添加有無:なし
醗酵容器:コンクリート、ステンレス
アルコール醗酵期間:1ヶ月
醗酵温度コントロールの有無:なし
熟成:木樽で2年間
濾過清澄:なし
当キュヴェの年間生産量:10,000本/年

Faugeres Jadis 2015

Sold Out

Faugeres Jadis 2017
ジャディス [2017]
土壌:シスト、石灰岩、粘土
畑の標高:300m
畑の向き:南
栽培面積:10ha
仕立て方法:ゴブレ
品種:シラー50%, カリニャン40%, グルナッシュ10% 
平均樹齢:30-60年
植樹密度:8,000本/ha
収穫量:30hl/ha
醸造
選果の場所:セラー
マセレーション:1ヶ月間
酵母の添加有無:なし
醗酵容器:コンクリート、ステンレス
アルコール醗酵期間:1ヶ月
醗酵温度コントロールの有無:なし
熟成:木樽で2年間 
濾過清澄:なし
当キュヴェの年間生産量:30,000本/年
 
 

レオン・バラルとは

 
 

 オーナー: Didier Barral ディディエ・バラル
地域:Languedoc Faugeres フォジェール
地区、村:Lentheric レンテリック
醸造責任者 : Didier Barral ディディエ・バラル
栽培責任者: Didier Barral ディディエ・バラル
創業年:1993年
 

歴史 

レオンは祖父の名前で父の代までは協同組合にブドウを全量売っていた。1993年に現当主のディディエ・バラルと兄のジャン・リューク・バラルが畑を引き継ぐ。と同時に実家に隣接する醸造施設を購入し、醸造、元詰めを始める。1994年ヴィンテッジですでにラングドックを代表する造り手としての名声を得たが、実験精神が旺盛で、高い理想に向かって努力をおしまないディディエのワインは年を追うごとに洗練されたクラスを備えていっている。初期のころと比べ醸造方法も変化しており、現在は醸造過程でSO2を使用していない。味わいはミネラリーで、高い酸に支えられているが、上品な味わいで凝縮した果実味と奥行き、すべての要素が高いレベルでまとまっている。
 牛、豚、馬、鶏などの家畜を100頭以上飼っていて冬の間家畜を畑に放っている。ブドウ畑に牛や豚のいる光景はなんとも言えない心地よさを与える。現実的には家畜を放つことで畑に生態系が作りそれが、ワイン造りにおいて重要なことなのだとディディエは考えている。特に重要な事は牛の糞の作用で、大きな糞の塊はミミズやその他の虫たちの餌となる。その小さな虫たち(特にミミズ)が畑に小さな穴を掘ることにより雨水が地中深くまで達することができる、とディディエは話す。この地中深くまでしみ込んだ水が効果を発揮するのは収穫前のブドウの糖度が上がっていく時期。果実が熟すにつれ、糖度は上がり酸度は下がっていくが土中の水分はその酸の減少を抑えることが出来る。これにより南仏らしい凝縮した果実味と酸を両立したワインを作り出すことが出来る。
 

造り手略歴

2人とも農業技術の高専卒業後、ディディエは主に醸造。ジャン・リュークは主に農業機械の操縦、調整の形でワイン造りに関わっている。
 

哲学

「ラングドックの現状は、生産過剰で、ワインの価格は下がりっぱなし。輸出市場で成功している造り手もいるが、市場は厳しい。多くの造り手やインポーターはアルコリックで、重々しく大柄なスタイル、タニックなワインが上質なラングドックのスタイルと考えているようだ。しかしそういったワインは、収量が多いためタニンが熟しておらず、フレッシュさに欠け、酸が低く、マロラクティックを人為的にストップしたものが多い。充実した果実味と充分な酸がなければ、ラングドックのワインは重い一方で、私には飲めない。十分な果実味と、酸に支えられたフレッシュさを備えたワインが私の目指すスタイルだ。」
 

畑について

栽培方法:ビオロジック(認証なし)
その栽培方法の開始時期:1993年~
その栽培方法を適用している畑名:全て
栽培方法の将来的な展望:以降も変わらず
認証機関:なし
土壌:頁岩(シスタ)、石灰岩、粘土
微気候:地中海性気候 (西のPyrénéesと東のAlpesから降りてくる風がぶつかり合い、辺り一帯には冷たい風が昼
夜強く吹き続けているので気温の割に非常に寒い。)
 自社ブドウ畑面積(ha):33ha
契約ブドウ畑面積(ha):なし
自社ブドウ畑の数(ヶ所): 20つ 
自社栽培ブドウ品種:サンソー、グルナッシュ、カリニャン、ムルヴェードル、シラー、テレット、ヴィオニエ、ルサンヌ、テレ・ブラン&テレ・グリ
ブドウ以外の自社農作物:オリーブ、麦
ブドウ畑以外の自社畑総面積(ha):70ha
主な仕立て方法:ゴブレ
仕立ての支柱の素材:木
仕立ての添え木の素材:木
堆肥:有機肥料を購入、自社所有の家畜の糞(牛と馬が放牧されている)
 

醸造について

酵母のタイプ:野生酵母
圧搾方式:垂直プレス
醗酵容器:コンクリートタンク100〜200hl、ステンレスタンク60hl
熟成容器:バリック、コンクリートタンク
醸造:赤は若木のブドウだけ除梗してコンクリートタンクで発酵後、各キュヴェ毎に樽やタンクに振り分けられて熟成。白は古典的な垂直式プレス機で三日間にも及ぶ長い圧搾を経てステンレスタンクで醗酵後樽熟成。冷却はせず、SO2添加なしで72時間放置。
セラー環境:醸造所は古く実家に隣接し、斜面を削った時の地面を壁に残して建っている。畑は1つ5km離れたものを持っているが他はセラーから近い。
年間生産ボトル本数: 100,000本/年
 
ディディエ談
「ラングドックの現状は、生産過剰で、ワインの価格は下がりっぱなし。輸出市場で成功している造り手もいるが、市場は厳しい。多くの造り手やインポーターはアルコリックで、重々しく大柄なスタイル、タニックなワインが上質なラングドックのスタイルと考えているようだ。しかしそういったワインは、収量が多いためタニンが熟しておらず、フレッシュさに欠け、酸が低く、マロラクティックを人為的にストップしたものが多い。充実した果実味と充分な酸がなければ、ラングドックのワインは重い一方で、私には飲めない。十分な果実味と、酸に支えられたフレッシュさを備えたワインが私の目指すスタイルだ。」
いずれのキュヴェも驚くばかりの美しい均整、フィネスに満ちている。柔らかな果実味が印象的である。

 

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