状態の良いワインとは、他のワインとどう違う?
 
今までワインの生産者だけが知っていた本来のワインの姿。それを日本でも楽しめるようになってきました。
 
状態の良いワインは、今までのワインの常識が当てはまりません。
勘違いだらけのワインの世界。プロならワインのことをよく知っているだろうと思ったら大間違い。教科書に書いてあるような知識は持っていても状態の良いワインの知識は持っていません。ごく一部の人だけが知っている状態の良いワインの世界。この世界に入り込んだらもうけっして抜け出ることは出来ないでしょう。是非本当の世界を知ってください。

 状態の良いワインって?

まずは状態の良いワインとはどういった違いがあるのか
それを知ることから始めましょう
 

状態の良いワインって?
一言で言えば生産者の蔵で飲めるワインのことです。
酸が健全で、果実味も豊かで優しさを感じます。リーズナブル系のワインは早熟で開いているワインが多いのですぐに飲むことが出来ます。酸が健全なので果実が口の中に残ったりすることがなく、輪郭が明確でぼけているところはなく溌剌としていて好みは別としても誰もが美味しいとうなずくことが出来ます。
あっさりとしているワインでも、ただすっきりと飲めるという感じではなく果実の魅力を十二分に感じ取ることが出来ます。細かい要素がはっきりと分かりただ飲みやすいという感じではありません。
豊かな表情があり今まで飲んでいたワインとは明らかに違うと感じとることができます。
 
ワインを輸入するインポーターが、生産者の蔵を出る時点からしっかりと温度管理をして日本まで持ってきているからこそ実現できている世界。ワインショップでの管理も鍵です。このことに関してはこの後詳しくご説明いたします。
 
この状態の良いワインを最高に美味しく楽しむためにはどうしたらよいのか、これから少しずつご説明していきたいと思います。
 

状態の良いワインを手に入れたらどう扱えば?

状態の良いワインを手に入れても扱い方、飲み方で大きく味わいが変わってしまいます。
美味しく楽しむための環境整備も大切です。
 

ワインが送られてきたら?
まずワインは必ずクール便で送ってもらうことが大切です。
ワインが到着したらすぐワインセラーに入れてください。そのままほったらかす時間が長いほどワインは状態が悪くなってしまいます。今まで適当にワインを扱っていた方はまずここから注意してみましょう。
ワインの配送に関してはヤマト運輸が最も信頼できますが、地域によってはあまり冷えていない状態でワインが送られてしまうことが希にあります。その際は担当者をきつくしかりつけてください。うるさい客だというイメージ付けをすることが大事です。
 
ワインセラーがない方はどうしたらよいか
ワインセラーをお持ちでない方は、冷蔵庫の野菜室にワインを入れてください。ただ保管期間の限度は1週間。何故かと言えば冷蔵庫の野菜室の温度は6〜7度。温度が低すぎるために低温による劣化が起こります。一週間で飲みきれる本数のワインを買ってください。白ワインは飲む前にちょっとだけ温度を上げて飲んでください。赤ワインは30分前には外に出しておきましょう。
 
ワインセラーをお持ちの方
白ワインや泡は8度管理、赤は14度管理がベストです。セラーから出してすぐ飲める温度です。状態の良いワインは通常より少し低めの温度で飲み始めるのがベストなのです。一つの温度帯しかないセラーの場合は14度で管理してください。
 
ワインは落ち着かせてから楽しむ
ワインが送られてきたらすぐ飲むのではなく、最低でも2〜3日は落ち着かせてください。揺れて運ばれてきたワインをすぐ飲むとスパークリング系だと泡が凄く強く感じますしあまり細かい表情が分からなくなってしまいます。一度同じワインを2本買って試してみてください。明らかな違いがあります。
もっと細かく言うと海外から日本に届いたばかりのワインを買った場合は1ヶ月近く落ち着かせることが必要です。これだけ気を使えばそれだけの見返りがあります。

新着ワインに注目
まずはグラスに注ぐ際に今までとは違う方法で
 

ワインを抜栓します。
ワインにはキャップシールがついています。最近は付いていないワインも増えてきましたが、それには訳があります。キャップシールはワインの味わいに影響を与えてしまいます。ですからまずはキャップシールを全部とってください。
それから口のあたりを良く拭いて清潔な状態にします。実はこのこともワインの味わいに影響があるのです。出来ればインポーターのシールもはがしましょう。めんどくさい方はキャップシールだけは必ずとってください。
抜栓したらもう一度口のあたりを良く拭きましょう。
 
ワインをグラスに注ぐ前に
ワインをグラスに注ぐ前にちょっとだけワインをグラスに入れてグラスの内部をワインでリンスしてください。これによりグラスの内部は余計な香りがなくなります。ワインのグラスは香りが立ちやすいように作ってあるので、戸棚の香りや洗ったばかりだと布巾の香りや水垢の香りが残っています。これを完全にとるためにリンスをします。
 
ワインをグラスに注ぎます
あ!ちょっと待ってください。今までみたいに空気をワインに入れるように上から注がないでください。グラスを斜めにして空気が入らないようにゆっくりと注いでください。ワインは落ち着かせることが大事といいましたが、せっかく落ち着いているワインを暴れさせてしまっては意味が無くなるのです。シャンパンなどのスパークリング系も同じです。
 
ワイングラスはあまり回さない
貧乏揺すりのようにくるくるとワイングラスを回している人がいます。左回りが良い、右回りが良いとか言いながら。
既にワインのグラスはリンスされているのでそのままでも十分に香りが立ちます。グラスを回すたびにワインは荒れてしまいます。気をつけてください。
 
さてどうでしょう。今までと全然違いませんか?

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良くワインとのマリアージュって言うけど、
ワインを飲むときの料理やつまみってないに気をつければ良いの?
 

ワインと料理の関係
レストランに行くとマリアージュコースを選べたりしますよね。優秀なソムリエさんが選んでくれたワインは料理に良く合います。
でも実はこれには訳があります。多くのレストランのワインはあまり状態の良いワインがありません。残念ながら世の中には状態の良いワインが少ないのです。当然ちゃんとしているレストランもごく少数ですがありますが、ほとんどないと思った方が良いでしょう。
ですからあまり状態の良くないワインは酸が壊れているために口の中にどうしても果実の要素が残ってしまいます。ですからその残った味わいが料理を邪魔してしまったりするわけです。ですからマリアージュが必要になってくるのです。
 
もともとフランスでは昔、水が普通に飲めなかったので子供でもワインと共に食事をしていました。今のようなワインではないのである程度相性を考えなければ美味しく料理をいただけなかったと言うのが現実です。
 
でも状態の良いワインは、全くそんなこと気にしなくて良いのです。
状態の良いワインは簡単に言えばワインに絞りたてのレモンが絞って入っている位に考えてください。
脂っこい料理にレモンやカボスを搾ると脂っぽさを感じにくくなったりさっぱりと食べられるようになります。実は状態の良いワインにはこの効果があるのです。ですからワインを飲んでも口の中にワインの要素が変な具合に残ったりしないのです。ですからあまり気にしなくてもどんな料理でもけっこう大丈夫なのです。
生魚に濃いボルドーのワインはちょっとイメージ的にもあまりお薦めはしませんが、私もけっこう知っている寿司屋にシャンパンや白ワインを持ち込み飲んでいますが、全く問題はありません。信じられないかもしれませんがこれが状態の良いワインの世界の常識です。
このことを知ると幸せ感が倍増します。だいたいめんどくさくない。いちいち余計なことを考える必要が無いのです。
でも全く関係ないわけでもありませんがそれはもっとレベルの高い世界の話。まずは気にしないで経験値を蓄えていってください。

新着ワインに注目
状態の良いワインは最近はとにかく良くもつのです。
 

飲みきれなかったワインは?
昔は状態があまり良くなかったことと、ワインの作りの問題でワインはあまり日持ちがしませんでした。
ところがここ2〜3年、自然派のワインが増えたこともあり信じられないくらいワインが悪くなりにくくなっています。醸造技術の進化、衛生環境の改善などによって明らかに改善されています。
ワインを残したまま寝てしまって次の日にコルクをしてセラーにしまっておいても最低でも2〜3日落ちる気配すら無いワインが多くなってきています。
イタリアの一部には樹齢が100年を超えるような樹が沢山あるところがあります。生産者は言います「農薬を使うと葡萄の樹が駄目になるのが早いんだよ」
農薬を使わない栽培法が行われることにより、葡萄の樹の健康度も増し最良の葡萄が収穫されるようになってきています。葡萄の質が良いと醸造中に酸化防止剤を入れなくても自己防衛本能で葡萄が自然の酸化防止剤を作ると言われています。
昔は海外に出荷する際に酸化防止剤を沢山入れていましたが、酸化防止剤を入れるとワインの味が全然変わってしまうのです。ですから最近の生産者は酸化防止剤の量を減らしています。葡萄の健全性をみて酸化防止剤を入れなかったりほんの僅か入れたりしています。
このような流れがワインの健全性を高めているためにワインのもちが良くなってきているのです。
 
瓶の中の空気を抜くような器具もありますが、空気を抜きすぎると逆にワインの酸化が進みますのでご注意。試しに余った白ワインの空気を思いっきり抜いてみてください。ある程度まで抜くとワインから泡のように空気が出てきます。
状態の良いワインはコルクをするだけで十分なのです。
 
時間が経ちすぎて飲むのは、、そんなワインは料理に使いましょう。パスタなどでも具材を炒めた後に白ワインを入れると圧倒的に風味が増します。煮込みなどに使う場合はちゃんと飲めるようなワインの方が美味しいですよ!

新着ワインに注目
いつも飲んでいるワインがちょっと変だなと思ったら、、
何か原因があります。
 

ワインは同じワインでも瓶によって差があります。
何で瓶ごとに差が出てしまうのか?
昔は樽から直接瓶詰めしていたので樽の上のワインとしたのワインで差が出てしまうことが良くありました。最近ではそういったことはほとんどありません。
瓶で差が出てしまうのはコルクの差に原因があることが多いのです。
コルクは自然の物でワインを守る力もあるために今でも多くのワインに使われています。代替えの人口コルクやスクリューキャップも出てきていますが、まだまだ本格的には使われていません。
コルクは自然な物なので全く同じコルクではなくどうしても差があります。ブショネという新建材のような香りと味わいがしてしまう菌がついてしまっているコルクや虫食いコルクなどがどうしてもあります。
ブショネに関してはコルク業者もかなり対策をとっていますが、どうしても根絶することが出来ません。虫食いコルクはコルクの隙間から空気が混入してワインが酸化する場合があります。基本的にコルクを使うとごく微量の酸素がワインに入ってくることがあるのでそれは問題はないのですが、余計に混入するとワインが酸化してきます。
コルクの圧縮度の問題もあります。コルクが抜きにくい瓶がたまにありますが、抜きにくいワインほどより若く感じます。簡単に抜けるコルクは逆に熟成しているように感じます。
 
その他にも状態の良いワインでも輸入のロットが違うとワインの味わいに差が出る場合があります。輸入の際のちょっとした問題が差を生むのです。
ただこれらの原因でワインに問題があってもそれがワインだと思ってください。リスクを含めて楽しむのがワインなのです。農産物と同じです。

新着ワインに注目
せっかくお店で状態の良いインポーターのワインを
頼んだのに美味しくない、、。何故?
 

ワインは振動に弱いのです。
ワインが送られてきたらまず落ち着かせること。これは先ほど述べました。つまり送られてきたときの振動でワインが荒れるのです。ですから振動のあるセラーや業務用の冷蔵庫などで保管するとワインはいつまでも落ち着かないのです。
飲食店などでワインの温度が妙に低いときは業務用冷蔵庫で保管されている場合が多いのです。ですから味わいが全然違います。状態の良くないワインほどは落ちていませんが味わいの差は大きいのです。
昔の中国製の安いセラーなどは振動があったり、温度変化が激しかったりするのですぐ買い換えましょう。
 
ワインは温度変化で悪くなる
ワインは基本一日の温度差が2度未満でないとワインは劣化していきます。年間の温度差は生産者のセラーと同じである程度差があっても大丈夫なのですが、一日の温度差は極力ない方が良いのです。出来るだけ優秀なセラーが必要です。
 
飲食店にワインを持ち込む場合。
最近は飲食店にワインを持ち込むことが当たり前になってしまいましたね。でも動かしたばかりのワインはどうしても本来の味わいを感じ取ることが出来ません。どうしても手持ちで持って行く場合は、アルミの袋などに入れ温度が変わらないようにして、とにかく揺らさないことを心がけてください。最も良い方法はお店に了解を得てちゃんとしたセラーのあるお店を選び一週間前にはワインを送っておくことです。
 
ワインをそのままセラーにも入れずにそのまま置いてあるお店には行かない
これは当たり前の話ですが、未だに店内にそのままワインを置いてあるお店やワインショップが多いのです。イタリアやフランスに行くとそういったお店の多いこと。それを見て大丈夫と思い真似していることが原因です。皆さんワイン生産国だったらワインが美味しいと思ったら大間違い。ほんと酷いワインが多いのです。
温暖化の前は、フランスなどは日差しの強い夏でも室内はひんやりとしていたのでそれがいわゆる常温と言う奴です。14度くらい。でも温暖化の影響でヨーロッパは2003年夏場に死者が10万人もでました。それまではフランスにはエアコンなどほとんどなかったのです。
室内をエアコンで冷やしてあっても人の出入りや外気の変化で温度差が非常にあり、そんなところにワインを置いておくと2〜3日でワインがおかしくなってしまいます。

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最近はボックスのワインを買う方が本当に増えました。
でも本当に美味しいの?
 

ボックスのワインは状態が良ければ本当に美味しい!
安売りのお店にはボックスのワインが数多くあります。まあ安いこと。でもまあ飲めるかな程度の物しかありません。状態も良くない。
 
状態の良いボックスワインは吃驚するくらい美味しいのです。新しく入ったばかりのワインはちょっと落ち着かせたり、ワインの中に入っている空気による熟成を待つ必要はありますが、最近ではかなり安定度も増し、やばいくらいいけています。
ボックスはワインを注いでも基本空気がほとんど入らない構造になっているのでワインも緩やかに熟成し、かなりもちが良いのです。
こんな時期ですから自宅で飲む人も増えボックスが以前の倍以上売れています。
さてボックスワインはセラー管理がベストですが、家庭用に冷蔵庫でも大丈夫です。赤でも冷やしてしまってもけっこう美味しく飲めるのです。あまり気を使わなくても大丈夫なので安心して楽しむことが出来ます。
ただ注意してください。朝起きて冷蔵庫を開けたらワインがある。ついついジャーッと注いで飲んでしまう方がいるそうです。

新着ワインに注目
こんな経験ありますよね。ちょっと良い方法を教えます。
 

絶対にデキャンターなどは使わない
デキャンターはワインに空気を混入させ多くの空気に触れさせることで無理矢理開かせる方法。でもこんなことで本当のワインの美味しさを得ることは出来ません。
私は状態の悪い閉じているワインをごまかすために使っているとしか思えません。
状態の良いワインは落ち着かせることで本来の味わいを堪能できるためにデキャンターは邪魔でしかありません。
ではどうしたらよいか、もうそのワインは諦めてコルクをしてしまっておいてください。コルクとワインの間にあるごく微量の空気がワインの熟成を早めてくれます。
次の日には味わいが大きく変わっています。圧縮度の低いコルクは熟成が早いと先ほど言いましたが、それと同じ効果です。

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自然派のワインはゆがめられた世界で楽しまれていることが多い
本当の世界を知ると全然違うのです。
 

自然派好きに呆れてしまうことが多い
昔勉強のために自然派のワインを専門に扱うお店に行ったことがあるのですが、ワインが酷すぎて吃驚しました。
ワインは普通に店内に置いてあって白や冷やしてありますが、劣化した臭さや、衛生環境の良くない様な所で作ったワインが多く、とても飲めた物ではありませんでした。ところが逆にそういったワインが自然派ワインだと思っている人が多く、劣化して腐敗したワインに魅力される人が多いことに気がつきました。これは好みの問題もあるので馬鹿にする気はありませんが、それが自然派ワインだと思われるとがっかりします。
劣化した自然派ワインは高価なワインと安価なワインとの価格差がほとんど感じられません。何故高いワインを買うのか不思議です。
 
なぜあのような香りや味わいが出てしまうのか。
まずは輸入状況が悪いこと、そしてワインの扱い方が悪い。それが大きな原因です。
そして葡萄の質があまり良くない。自然派と言いながら、まだまだ環境が良くなっておらず葡萄の質が高くないこと。醸造所の衛生環境が良くない。そういったワインに酸化防止剤を入れないと不味くて飲めない。
例えばスペインのメンダール。昔はけっこう自然派独特の香りが強かったのですが、最近はそれもなくなってきました。多分葡萄の育て方や選別の仕方が変わり衛生環境も良くなったのでしょう。
自然派で多少そういった香りのあるワインでも、実は寝かせると凄く良くなることがあります。
自然派でも最近はそういった香りが全くしない優れたワインが多くなってきています。
やはりレベルの違うワインを作っているルロワが最も素晴らしい。輸入による劣化が無ければ最高に素晴らしいワイン。これが目指すべき所です。
 
最後に言いたいこと。自然派のワインが体に良いと思って状態の良くないワインを飲んでいる方々。それ体に悪いですよ!

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何故状態の良いワインを買うことができないのか
それには訳があります。
 

ワインの輸入方法に問題がある
昔ワインは生産者のもとで育ちその環境に差があってとしても蔵にある状態がそのワインにとって最高の状態なのです。
そのワインを遜色なく輸入するためにはそれなりの気遣いが必要です。
昔リーファートラックなどがほとんどない時代、まだ温暖化ではない時代には生産国本国でも寒い時期を選びワインを輸送していました。船の定温コンテナは昔からある程度ありましたから問題は陸送です。フィネスなどは現在でも夏場の輸入はしません。ワインブームによってワインのことをあまり知らない人たちが参入し始めたことでワインは売ることが大事で状態などほとんど無視されているが現状です。ヒルブラントなどの輸送業者の調べでは多くの輸入業者は生産国本国でリーファートラックを使っていません。また主要国にはリーファートラックがありますが、まだまだ多くの国にはリーファートラックがないのが現状です。何故ラシーヌのようにいろいろな国からワインを輸入しているのにワインの状態が良いのかはかなり慎重に気を使って季節を選んでいるからに他なりません。
国内での倉庫による温度管理も関西は18度中心、関東圏では14度が中心という現状があります。この温度差で管理費用は2倍違います。
他にも色々と問題がありますがそれはPUR SANGをご覧ください。
 
国内での管理に問題がある
何故イギリスやフランスに行っても美味しいワインを飲むことができないのか、それはワインが30年以上前の日本酒と同じように扱われているからです。私が子供の頃日本酒は酒屋の裏に温度管理もされないままに放置されていたことを思い出します。ヨーロッパでは陸送の際温度管理はほとんどしませんし、酒屋さんの店内も温度管理されていない所がほとんどです。
国内においても酒屋さんの多くはワインをそのまま店内に置いています。これでは温度変化にさらされワインは2日でどんどん劣化していきます。店内の温度をある程度冷やしていたとしても店内は入り口の開け閉め、人の出入りによって温度変化がかなりありますので店内を冷やすだけではあまり意味がありません。
また状態の良いワインばかりを置いてあるお店は現状ほとんどありません。状態の落ちたワインはどれだけ良い管理をしたとしても元に戻ることはありません。
状態の良いワインでも管理によっては見るも無残な姿になっているのを何度も経験しています。
 
ご自宅での管理、ワインの扱い方で問題が起こる
クール便で送ったワインでもセラーに入れるまで放置されるとそれだけで大きくワインの味わいが変わってしまいます。私も友人の家でのパーティーように送ったワインがみるも無残な姿になり腹を立てたことがあります。たった1時間放置しただけでこれだけ味が変わってしまうのかと皆さんも驚いていました。
状態の良いワインはなかなか手に入らないために、一般の方々の感覚的な常識は状態の良くないワインにあります。
状態の良いワインがどれだけ素晴らしいかをわかるためにも配送されたワインはすぐセラー、もしくは冷蔵庫の野菜室に入れることをお勧めいたします。

新着ワインに注目
ワインを飲むときの温度で全然味わいが変わります。
焦点が合う温度があるのです。
 

ワインを飲む時の温度に気を使うと味わいが大きく変わります。
状態の良いワインは通常皆さんが普段楽しんでいる温度帯と若干違いがあります。特に最近は自然派のワインも多くなり、管理温度には大きく影響されるので管理温度には気を使っていただきたいと思います。
白赤ともに管理する温度は14度。
14度ですとオリーブオイルの管理もできます。14度はオリーブオイルのエキスが固まるか固まらないかのギリギリの温度。気になる方は15度管理してください。
白赤別々に管理する場合は白は8度、赤は14度が基本です。
レストランなどでも白を10度以上で出すお店もありますが、焦点がぼやけてしまっていることが多くやはり状態の良いワインは焦点の定まった姿を求めることが正しいのです。ワインは物によっては温度が高い方がいい場合もありますが、それは経験で最適の温度を探してください。白ワインは冷やしすぎると本来持っている魅力が半減するものもありますし、長い間5〜6度で保管すると低温による劣化が起こります。お気をつけください。
また業務冷蔵庫のように振動の多い冷蔵庫で管理すると、常に落ち着いていない状態になりワインの味わいが大きく変わってしまいます。
 
赤ワインは14度では低いと思っている方もいらっしゃるでしょうが、健全な酸を持っている状態の良いワインは通常より低い温度の方が持ち味が出ます。ぬるいと焦点がぼやけがちです。ですから飲み始めは14度を基本にしてください。
 
 

新着ワインに注目
ワインは振動で極端に味わいが変わってしまいます。
 
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ワインを飲む時は必ず落ち着かせてから
ワインが配送されてきたらすぐに飲まずに最低でも2〜3日セラーで落ち着かせてからお楽しみください。これだけでも大きく味わいが変わります。
基本ワインは落ち着かせることで味わいが大きく変わることを憶えておいてください。
 
気を使っているインポーターは輸入されたばかりのワインはテイスティングして出荷できる状態かを確かめます。船も海の状態では緩やかに振動を受けるために輸入されたばかりの状態では味わいが大きく変化してしまうことがあります。そのような場合はある程度味わいが戻るまで出荷はしません。このようなことを理解できている人はプロでも少ないために誤解を受けることを避けるためです。人は一度特定のワインに対するイメージが悪くなるとなかなか手が出ないくなるものです。
 
飲食店でも白ワインやスパークリング・ワインを業務冷蔵庫で管理しているところがありますが、私もなんか変だなと思い確認するとそういった例が多いのです。業務冷蔵庫は一定に温度を保つ能力が高いために開け閉めが多いほどにモーターが極端に回転し大きな振動を生み出します。その影響が大きいのです。また温度も非常に低いのでワインの管理には向かないのです。
 
お店などに持ち込みでワインを持っていく方も最近は多くなりましたが、持っていく時間が長いほどワインは振動によって大きく味わいが変わってしまいます。また温度も上がってしまうため味わいの印象が大きく違ってしまいます。
ワインを持ち込む際は、セラーを完備しているお店に、事前に了承を得て送っておくことをお勧めいたします。最低でも2〜3日は落ち着かせた後にお店に行きましょう。