作り手を選ぶ
 
 
南アフリカを知る
 
今までもう一度行ってみたい国、正直どの国もそう思わせてくれた事はない。
南アフリカ ケープタウン、移住したいとまで思わせる地。
治安が悪い、アフリカ大陸、遠すぎる、アパルトヘイトの国、怖そう、そんなマイナスイメージを一瞬のうちに吹き飛ばし更なるプラスの印象を与えてくれた地。
自然や景観を大切にし、清潔で治安もフランスより良いくらい。高速から眺める景色は北海道に近い。センスが良く接する人は気位の高さなどなく自然でスマート。
そして可能性を秘めた国。
ワインを作る条件に恵まれ、栽培、醸造においても世界最先端。前提条件が自然派であることも優位性がある。
ケープタウンにおいては、気候も温暖でここがアフリカ大陸であることを忘れてしまうほど。今の日本より遥かに過ごしやすい。
難点があるとすれば、最も早いシンガポール経由でも23時間かかることだ。ただ11月から香港からのケープタウン直行便が出るのでかなり便利になりそう。現在日本からの観光客は、年間3万人を割っており3万人を越えれば直行便がでるそうだ。そうなると14時間ほどで行けるのでヨーロッパとさほど変わらない。
バカンスを楽しみたい人、新たな候補として南アフリカ・ケープタウンを入れてみたらいかがだろう。

ケープタウンでは、ウーバーが大活躍。すぐ来るし近場ならほぼ400-500円程。チップもいらない。足代わりには最高だ。レンタカーも日本より遥かに安い。
 
食事は抜群、正直現在のフランスよりも私にはしっくりきました。特に肉が抜群に美味しく、世界で最も肉の美味しい国であるとこは確実です。牛肉の素晴らしさは卓越しています。
料理全体の味付けは、塩分が少なく素材の味わいを生かした作りで、シンプルな傾向はありますが、卓越しています。
降水量が少ないため雨の少ない年は野菜が硬くなる傾向がありますがそれほど違和感はありませんでした。
雨が少ないが故にキノコの種類は少ないのですが、椎茸が普通に流通しているのにはちょっと吃驚。キノコは椎茸とマッシュルームがメインのようです。

ABOUT SOUTH AFRICA

内陸では比較的以前のスタイルのワインが多いのですが、海沿いではちょっと吃驚するほどのフランス指向の素晴らしいワインが出来はじめています。特に海沿いの気候は、南極からの冷風のおかげで夏は20度前後冬は10度以下にはならずアフリカとは思えない気候が特徴です。
 
南アフリカのワインは以前アメリカやオーストラリア指向のワインが多かったのですが、現在ではイギリス系、オランダ系の若い作り手達を中心にフランス指向のワインが数多く作られるようになっています。
若手は畑を所有している生産者が少なく、放棄されている秀逸な畑を探し出し所有者と共に葡萄を作ることが多いために畑の所在は明らかにしないという特徴があります。
 
最近までは、ほとんどのワインがドライコンテナで運ばれただ安いという理由で飲まれていましたが、最近ようやくインポーターのラフィネによって完全定温コンテナによって素晴らしい状態のワインが輸入されはじめ南アフリカの真の姿を見ることが出来るようになりました。新世界でも今最も注目されるべき世界であることが分かります。このような地域で定温コンテナで輸送を手配することはどれだけ大変か皆様ご存じないでしょうが、ただ配送をヒルブラントなどに委託するだけではなくインポーター側での細かな配慮がこの状態をキープしているのです。混載ではなくコンテナ単位で輸入することも非常に重要です。
 
ラフィネの輸入する生産者たちは、今南アフリカでも最も注目されている若手のものが中心です。世界中で最も日本への割り当てが多く、生産者によっては全生産量の半分以上が割り当てられているほどで、彼らが来日し日本で彼らのワインが信じられないほど良いコンディションで扱われていることを知ったことが原因です。フランスに比べ気候的に安定しているために優等生的なイメージはありますが質の高さはフランスに勝るともいえるほどです。ワインホリックでは、リーズナブル系から国際級のプレミアムワインまで皆様に最新のワインの世界をお届けします。
 
南アフリカはヨーロッパとは大きく状況が異なります。ワイナリーを設立する際に最低でも200hを購入することが条件だった為に資産家によって所有されているところが多いのです。そして葡萄だけを栽培する生産者が多いためにほとんどの葡萄は大手にバルクで売られています。こういった葡萄の中から優れた葡萄を探し出し葡萄を購入する権利を購入しワインを作っている若手の生産者が今増えています。クオリティーの高いワインは今こういった生産者が作り出しています。中規模から小規模の生産者の多くは自己所有の畑からワインを作り出していますが、世代交代によって大きく品質向上を果たした生産者もいます。ブティック的なワインナリーは、優れた葡萄を探して使うことが出来るために既存の生産者とは隔絶したような素晴らしいワインを作り出しています。
 
いろいろな若手生産者を訪れましたが、多くの生産者はフランス指向。それも一時代前のフランスを指向している生産者が多いのですが、ケープタウンの気候と南アフリカならではの自然を大切にする指向はそれを越えた新たなるワインを作り出しています。
一部の作り手はフランスを越えるようなフランス指向のワインを作り出していますが、南アフリカである理由が見受けられません。この指向は昔のアメリカと似ているような気がします。まだまだ品質的に見劣りする作り手もいますが、若手を中心に今南アフリカワインは新興国と言われる地域の中では最も優れたワインを作り出していると言えるでしょう。
エレメンタル・ボブやクラヴァンのような自然派志向の作り手はビオ・ディナミにはこだわらず独自のワインを作り出しており、これらのワインはフランスを越える存在になりつつあります。
 
ただ問題点があり、南アフリカにはヒルブラントが定温コンテナを導入していません。生産者が自分たちでワインを倉庫まで持っているのにはそういった理由もあります。船積みするまでワイナリーからどのようにワインを持て来るのか、季節も非常に重要な要素です。将来的にもっと輸入されるようになれば定温コンテナの導入もあるはずです。
 
葡萄品種、ヴィンテージでワインを選ぶ
 
 
ヴィンテージの特徴を把握しよう

非常に涼しい年で、雨がほとんど降りませんでした。結果、赤は濃度が高い物が生まれました。

2011と似たようなヴィンテージ。濃度が高くエレガントなワインが生まれました。

非常に暑く、湿度も高い年で、濃度の高い果実が育成されました。やや酸が弱い年ですが、優秀な生産者はエレガントなワインを作り出しました。

雨が比較的多く、冷涼なヴィンテージ。エレガントなワインが造られた。特にピノのエレガントな姿が印象的。

すべてが完璧なヴィンテージ。収穫時期が過去一番早かった。偉大なワインが造られた。逆に若いうちは南らしい濃厚な要素が強すぎる傾向もあり時間をおくことが必要だった。
 

雨が少なく暑く、非常に乾いたヴィンテージ。濃厚で熟した果実が特徴で、アーリーピッキングが必要でした。この年に出来たワインの中でもラフィネの輸入するような若手の優秀な作り手のワインは酸が素晴らしく、フランスをイメージするような今までにない酸が特徴です。かつて例がないほどに素晴らしい酸が印象的な年でそういった意味で結果グレートヴィンテージとして認識しても良いかもしれません。クラヴァン等は特に成功しました。

比較的雨が少なく、乾いた年でした。2015VTを超える過去最高の年と言われています。濃縮して、風味が良いワインが生まれました。

2018年は比較的冷涼な年で収穫された葡萄も小粒な物が多い。2017年に比べ収穫量は15%減。赤に関しては夏の時期に十分な日照量があったために熟度は十分。こういった冷涼な年は酸の素晴らしいワインが多く輪郭の明確なワインが多い。