エマニュエル・ルジェは神聖化されたあのアンリ・ジャイエの孫で子供のいなかった彼の後継者として1987年にドメーヌを引き継ぎます。
ジャイエと一緒にワイン作りを行っていた数年はジャイエ的ニュアンスが強かったのですが、ドメーヌを実家に移転したときから徐々に姿を変えていきます。
アンリ・ジャイエは引退後も2001年まで自宅でワイン作りを行なっていました。ルジェは実験的にいろいろな作りを試してはいますが、基本はアンリ・ジャイエの作りと変わらない作りをしています。
彼のワインの中でエシェゾーに関しては区画的な問題もあるようでグラン・クリュといえどもほかのワインほど魅力がありませんでしたが、ルシアン・ジャイエが亡くなったとにその畑を引き継いだためにそのすばらしい区画のワインが加わることによりすばらしい姿に変わっています。
クロ・パラントというグラン・クリュにも勝る畑を筆頭に村名、アリゴテまで隙のない魅力的な味わいはルーミエに次ぐ人気者。
もともとルジェは電話がつながらず、頻繁に電話番号を変えるので連絡が取りにくい作り手で有名でしたが最近はニコラのおかげでその状況も変わってきています。最新のヴィンテージ2013年を試飲しましたが、パステゥグラン、アリゴテでさえもすばらしい美味しさで吃驚!アンリ・ジャイエの後継者としてプレッシャーも多かったでしょうが、そろそろエマニュエル・ルジェとしてのブルゴーニュを代表する作り手として見事な存在感を示し始めています。
最新情報(2018/03/20)
昨日銀座SAGAYAで行われたエマニュエル・ルジェの次男であるギョーム氏との食事会。料理も素晴らしく美味しく新しい情報が得られました。
ちなみに(左下にある写真)手前の男性はSAGAYAのシェフ。真ん中がギョーム氏、右側はヴァン・ヴィーノ・ブリュレにいた山本。左側はスタッフ。
さて今までえられていた情報にかなり間違った部分がありますので修正させていただきます。
まずエマニュエル・ルジェ / オート・コート・ド・ボーヌ・ブランはシャルドネではなく樹齢50年のピノ・ブランで作られています。
ジョルジュ・ジャイエのエシェゾーは今まで遺族の意向で新樽は一切使われていないとされてきましたが、70%の新樽使用率だそうです。
現在ルジェのエシェゾーはジョルジュ・ジャイエ、ルシアン・ジャイエともともとルジェが受け継いだ区画との3つの畑のワインで作られているそうです。ルジェのエシェゾーがアンリ・ジャイエの時代より遙かに良くなったのにはジョルジュ・ジャイエ、ルシアン・ジャイエの区画が加わったことが原因です。
ルシアン・ジャイエのエシェゾーは昔飲んでいますが、かなり素晴らしかったですし、ジョルジュ・ジャイエの畑もかなり良かった記憶があります。多分すべてアンリ・ジャイエが作っていたのだと思いますが、現在のルジェのエシェゾーはかなり恵まれた区画だと言えます。
最近はクレマンの製造も始めています。ブラン・ド・ブランで素晴らしい出来映え。
ボーヌのクレマン製造会社に委託しています。
ニコラ・ルジェのワインに関してはエマニュエル、ニコラ、ギョームの3人体制で作られておりニコラの主張が最も強くでていますが、ニコラだけが作っているわけではありません。
リリース直後は非常にドライで酸が強いのですが、2〜3年で驚くほど変化し魅力溢れるワインになります。
またギョーム氏も彼の名前で2年間だけワインがリリースされていたようです。数が少なく現在は蔵にも在庫はないそうです。彼はボーヌの醸造学校で学んだそうです。
現在は3人体制で運営していく準備中で将来的には全てのワインはエマニュエル・ルジェの名前で統一されるそうです。最近は畑を増やしており、買い付けた畑、貸借した畑などがあり今後リリースされるワインは増える予定。ニコラ・ルジェの名前を冠したワインは今後貴重な存在になるかも。
ニコラは畑の管理、ギョームは醸造と営業という体制でエマニュエル・ルジェの引退はまだ未定。