Sold Out
地域:Champagne
地区、村: メニル村
造り手:Christophe Constant クリストフ・コンスタン
昨年、ラシーヌの8番目のRMとして、ドノン・エ・ルパージュをご紹介いたしましたが、今年もまた新しいRMのご紹介です。
「えっ、また新しいシャンパーニュ?」という声が聞こえそうですが、目の前に素敵なワインがあれば、とどまるわけに行きません。
Jean-Louis Vergnonジャン=ルイ・ヴェルニョンのワインは、2~3年前に日本に入ったことがあるので、ご存知の方も多いことでしょう。が、2002年から生産方針が一変したジャン=ルイ・ヴェルニョンは、まさに発展途上にある輝ける星であるといっても、過言ではありません。新しいセラー・マスターの登場によって、造り方が根本的に変わったのですが、本格的にその真価が表れてきたのは、昨年秋のリリースのものからです。
シャンパーニュへは、年に何度も私は通っていますが、さらなるクオリティを追及し、前進する造り手が次々と登場するのですから、まったく目が離せません。じつは、5月のお便りで、次のような予告編を書きました。
「世界的不況で、シャンパーニュのマーケットは冷えこんでいますが、シャンパーニュ地方には輝く未来がすぐそこにきているように思います。真の天才アンセルム・セロスに啓発され、見事なシャンパーニュを造り出す志の高い造り手のネットワークの輪が、水面の輪のように広がっているのです。モンターニュ・ド・ランス、ヴァレド・マルヌ、コート・ド・ブラン、アヴィーズ、メニル・シェール・オジェの各村では、格付けに関係なく、それぞれのクリュの味わいが、優れた表現者を得て、至純な味わいが現れています。『テロワール』という言葉が、今ほど真実味を帯びてシャンパーニュの味わいに出ていることは、これまでなかったのではないでしょうか。個性を備え、限りないクオリティを実現しようとする姿には心打たれます。伝統とアペラシオンとしての最高のプレステージに君臨するシャンパーニュ地方にあって、(容易に売れることに安住せず)それも、若い次世代だけでなく、年齢の高い造り手たちの間にも、強い意志を感じます。造り手どおしが互いに研鑽しあう地平の広がりが、この大きな流れを動かしているのでしょう。」
この春の訪問の際、「RMファンの合田さんに素敵な作り手を紹介しよう」と、仲のいいジャーナリストから紹介していただいたのが、クリストフ・コンスタン。翌日デゴルジュマンの合間の時間をあけていただいて、訪問しました。ワインには、調和のとれたまとまり、ドザージュの低さ、アフター・テイストにくっきり残る澄んだ味わいと、これからますます発展する将来性が、すぐさま感じ取れました。そして、なによりもオーナーのヴェルニョン夫妻から深い信頼を得て、活き活きとして働くクリストフの姿に、魅了されました。
創業年:1950年
1950年創立のジャン=ルイ・ヴェルニョンは、1985年からビン詰めを始めました。2002年にクリストフ・コンスタンが醸造責任者になって、栽培・醸造のすべてが根本的に改められ、年を追うごとに目覚しい向上をしてきています。クリストフ・コンスタンもまた、アンセルム・セロスから大きな影響を受けた一人です。特に、メニル村はアンセルムが住むアヴィーズと同じコート・デ・ブラン地域にありますから、収穫期が近づくと頻繁にアンセルムと情報交換をしているそうです。
「ル・メニルでは、マロラクティック発酵をしないで仕上げるには、10~11グラムのドザージュが大前提になっている。もし、ドザージュしないで仕上げようとするなら、マロラクティック発酵をしなければバランスがとれない」と一般に言われています。けれども、「ブドウを完熟させて収穫すれば、マロラクティック発酵は必要ない」というのが、アンセルムとクリストフの意見なのです。
ル・メニルの真髄を表現する正統派シャンパーニュの登場です。
「2003年からヴェルニョン最上のヴィエイユ・ヴィーニュで造っています。2003年はタンク発酵ですが、徐々に樽での発酵を増やし、2007年は100%樽で発酵しました。2003年は大変ユニークなヴィンテッジなので、このキュヴェをつくることにしました。2002年、1995年、1990年ほど偉大なヴィンテッジではありませんが、このヴィンテッジ特有の個性とストーリーをしっかりと持っています。ブドウが完熟したため、濃惇なキャラクターですが、派手でなく、プラリネ、桃のロースト、干したりんごのニュアンスが、しっかりとした骨格の中に溶け込んでいます。ノンドゼのようなハーモニーがあり、2003年の情熱を感じた後、余韻にコート・デ・ブランのテロワールを感じる。余韻は長く、様々な印象とコントラストな感覚が混じり合うバロックなスタイル、無垢と装飾、暖と冷・・バランスのよい例外的なワイン。今、飲み頃を迎えています。サーヴィス温度は10度以下を守って下さい。
栽培品種:シャルドネ
自社畑面積:5.3ha
土壌:主に石灰質土壌
醸造:ステンレスタンクで醗酵させ、純粋な澱の上で熟成。
栽培:ビオロジック
年間生産量:60,000本/年