No.02 朝の可愛い小物たち
金箔赤点線面薬味入れ・豆さじ付・古川章蔵

 お陽さまがきらきらと微笑む日曜日の朝は、ちょっとおしゃれな食卓をしつらえてみたくなりませんか。
 私も娘も大変寝坊なのですが、まだ朝の光が疲れない時間に起きて、食事の用意をします。私がオムレツをつくったりしている間に、娘は砂糖入れはどれにしようかと、あちらこちら物色を始めます。
 今日は、あまり可愛いので買っておいた、イタリアのガラスの小壺がシュガーポットになりました。ジャムの入っているのもバターの入っているのも、最初からジャムジャッグやバターケースとして買ったものではありません。
 そう思って周囲をご覧になると、みなさまのお宅の食器棚の隅にも、きっとたのしい砂糖入れや塩入れが、たくさんあるのに気づかれることでしょう。
 砂糖入れはスプーンがつっこめるものでなくては、と思っていらっしゃる向きもありますが、シュガースプーンはいつも湯気にさらされ、砂糖がくっつきやすいものですから、使用の都度洗って、見苦しくならぬよう、砂糖もできれば一度限りで入れ替える心使いはあっていいと思います。
 バターケースもバターナイフが一緒に入っているのも見かけますが、パンくずが付いていたりすると、不潔感を伴います。バターはさいの目に切ったり、又は小さなスプーンでころころとすくいとって小皿などにのせて出し、残ったバターは容器に貯めておいて、お料理に使えばいいと言う風です。
 ジャムなども、てごろな器に小出しにして-。
 明るい朝は、特に清潔感を大切にしたいものです。
 さて、朝食にしましょう。
 こやみもなく降りそそぐ朝の光の中で、お皿が、ガラスの小物たちが、輝き、なにやら幸せ降ってくるようなそんなひとときです。

工芸店ようび 店主 真木
このコラムは、1977年「マダム」(鎌倉書房)に連載されたものです。