汁椀・お椀|芒に蝶々蒔絵糸目椀・尚古堂・竹田省

秋たけなわの酒膳

 少し横長のお膳を作りましたのは、脇取としては通常のものより長いので、大勢のお客様の時には便利なのと、折敷として洋食皿とナイフ・フォークという置き方も出来、またこのように二種のものをゆったりと置けて仲々に落ち着くと思 ったからでした。

 椀は極薄く、表は千筋糸目、京の蒔絵師・竹田省(春峰)さんに儚い風情の芒と内側は秋の蝶と半月の月を画いていただきました。秋に限定して使う贅を味わっていただけるものです。

 藤井収さんの六角縁高の中には、錫のつぼつぼと伏原博之さんの菊の葉の猪口に、目刺しのほぐし二杯酢と菊菜のごまあえを盛り込みました。

 お箸置きは光琳菊、脇に紫と緑の色絵が入っていて、ちょっと粋です。伏原博之さんの作です。

工芸店ようび 店主 真木
錫器:錫つぼつぼ・大・ゆり工房