海老ヶ瀬保さん
修行中「白磁の透明感、その光に魅され、どんどんのめり込んでゆきました」と聞きました。独立なさってすぐから(1987年頃)ですので、随分長いおつき合いになりました。
京都の煎茶道具の工房で丁寧なお仕事を学んでいらっしゃったのと、生来の造形力でとても美しいものを生み出していただいて来ました。
故舛田楞さんのものも、彼にしか継いでいただける方はいないと思い、写しをお願いして作っていただいています。舛田さんは原料分析のお仕事から陶芸家になった人で、これ以上はないという天草陶石を入手できたのですが、海老ヶ瀬さんは彼が入手可能な限りよい天草の原料を用いて、御自身で作り調合した釉を かけて、さわやかで、暖かい、すてきな肌を実現して下さっています。
柞灰の入った釉はこまかなこまかな泡が美しさの秘密の由、それがよく解る肌合いです。先日、新しい作品についていろいろと話していて、もう一度頑張りましょうねとより良きものへの意欲が盛り上がりました。私が何だかんだと口うるさいことも許していただいているようで、うれしくおつき合いをしていただいています。
工芸店ようび 店主 真木