菊のうつわ
日本の花と言えば、桜と菊。
菊の季節の秋は、冬の準備期間。厳しい冬への備えを促すように、吹く風が次第に冷たく感じられ、空気が凛と澄んでいきます。日の短さを実感するころは、菊の花たちが美しく咲き競うころ・・・。季節のお裾分けに、野の菊を摘んで食卓へ飾るもよし、菊を模した愛らしいうつわで秋を演出するもよし。週末は、たっぷり秋を満喫してはいかがでしょうか。
今回は、菊の形のうつわを集めてみました。
乾山絵替菊文平向付
乾山をめざしてきめ細かい気遣いを重ねつつやっとここまで辿り着いた感があり、肩の力の抜けた気持ちのよい菊文様の向付が仕上がりました。ぐじの一塩のうす造りや焼き物一切れ、時には果物や秋のきんとん菓子といろいろに活躍することでしょう。
潤色の盆にのせてみました。お料理屋さんでは黒が尊ばれ、殆んど黒の盆が常識のようになっていますが、潤(うるみ)色はのせたものがとてもやさしげに見え、全体がやわらかな雰囲気になることを、改めてこの器をのせて感じました。
重陽の節句(菊の節句)の頃の普段着のコーディネイト
菊の季節には、器でその雰囲気(色や型)を楽しみよろこびます。これは日本の食の中の大変貴重な文化ではないでしょうか。入れるものは今が旬の鯖、これは魚料理を専門とする店の料理長が用意して下さったもの、やはり切り口の処理は素人の出来ないものだと感じます。穂紫蘇や芽紫蘇などのつけ合わせも添えていただきました。
菊型の平向はこの季節でなくてもお使いやすい形状で、お料理だけでなくお菓子皿のようにもお使いいただけると思います。小皿は菊を連想していただける色、箸置も光琳菊を使ってみました。
後一点は、菊花と秋草をアレンジした活花の紋様の染付ですが、古染付にも古伊万里にもありそうな紋様で、藤塚さんらしいお皿です。こんな時は他の器との取り合せによって季節や趣意を強調します。
菊花活花図6寸皿
花がたれた姿が、紫馬簾菊や伊勢菊のように愛らしいですね。
藤塚光男
6,160円
渕金長石釉菊皿
鳴子を模った小皿です。縁には高さがあります。
有光武元
5,082円
黄交趾豆皿
まんまる・・・ではありませんが、深い黄が満月のようです。水面に映る月・・・でしょうか。
伏原博之
8,008円
色絵菊形箸置
丸が二つの愛らしい形は、器を選びません。深まる秋、冬の入り口のコーディネイトにどうぞ。
伏原博之
6,292円
黒布盆・小
お膳はお客様用と格式ばったもののように思われますが、お膳にのせることによって額縁のような効果をもたらし、食器のバランス、大、小、型、高さ等選びやすくなり、また食卓が纏まってすっきりと見えます。
奥田志郎
33,000円
菊菜と菊の花の三杯酢とこのこ(ばちこ)の火取り
菊の花は十月末から十一月が本当の季節ですが、早くから出過ぎていて十一月になると季節外れのようです。でもやはり菊の皿など今の時節が一番美しく見えます。これは大ぶりの向付ですが、この様に底の広いものは八寸的にお使いになっても新鮮です。
箸置は私の家に古くからあった京焼の光琳菊を伏原博之さんに写していただきました。京焼のやわらかな色と渕の緑と紫が効いています。
正木春蔵氏作の清よごし手の盃、中村恵子さんの朝鮮唐津の徳利で粋にたのしみます。
長石釉菊中鉢
やわらかな温かみのあるもちっとした雰囲気です。
有光武元
4,620円
染付魚藻文盃
意識的に黒いしみを出して、変化をつけています。
正木春蔵
6,380円
色絵菊形箸置
丸が二つの愛らしい形は、器を選びません。深まる秋、冬の入り口のコーディネイトにどうぞ。
伏原博之
6,292円
朱半月膳
使えば使うほど・・・。朝食のお膳としてお勧めです!
藤井収
55,000円