【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 すくい豆腐、さやえんどう
奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。
さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。
食卓の色って大変大切です。せっかく作ったものでも彩りよく盛らなくては、暑い時は食欲が湧いてまいりません。食器や小物、そして食べもの、取り合わせもすがすがしく生き生きと調えていただきたいものです。
味噌汁
絹ごしでない豆腐をお玉しゃもじですぱっとすくってよくお湯で暖め、椀に盛ります。法林寺味噌のお味噌汁を豆腐の白いところを残しながらそっと張ります。細く切ったさやえんどうを形よくのせます。
飯
炊き上がったごはんに枝豆を塩茹でしてむいたものを混ぜます。少し塩をパラパラと足してあまり混ぜません。辛いところと塩のまざっていないところがあって、よけいにご飯の甘みを強調します。
一菜
旬のお茄子、中位の長茄子を縦に三枚くらいに切って、ヒタヒタの油で焼きます。ちょうどよい焦げ目がついたところで油を切って皿に盛り、たっぷりとフワリと花かつををのせます。お醤油をかけて召し上がれ。
この油は、太白ごま油(玉絞り)を用いました。玉絞りというのはゴマを粉砕した後圧搾機で絞ったもののことを云いますが、市販の油のほとんどは薬品で抽出し最後に薬品を抜くそうです。
圧搾機でしぼった油は絞った後に薬品を抜く必要がないので、安全で香りや他のうまみ成分が残るため大変美味しい油なのです。
漬物
これも夏本番の胡瓜の糠漬け。細長く切っておしゃれに。ラディッシュは塩漬(あまり塩をきつくしない)にします。ボールに入れて重しをのせ、一晩から一日で出来上がり。きれいな色をたのしみましょう。(少し酢をくぐらせても美味しくいただけます。)