【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 かぼちゃ、生椎茸
奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。
さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。
工芸店ようび 店主 真木
神戸、大阪あたりに住む関西人たちは、昔から甲子園(高校野球)が済むと涼風が立つと言ったのもでした。今年は正にその通りでした。暑い日があっても朝夕はずい分凌ぎやすくなりました。
被災地周辺では秋を告げる秋刀魚漁のニュースがさかんに放映され、自然の健康さに皆様ほっとなさったことでしょう。さっそくその秋刀魚を使って一汁一菜を組んでみました。秋らしく総織部の角皿に食べやすく二つに切ってのせてみました。お大根おろしと生姜を添えて。
お味噌汁はこの夏の太陽を一杯に吸い込んだかぼちゃと生しいたけ、お味噌は信州味噌です。黒のサハリ椀も出来て来ましたのでさっそく使ってみました。
中村恵子さんの唐津の茶碗は白いご飯を盛ると唐津の色が美しく、お抹茶を入れてもすばらしいのですが唐津の良さを改めて感じます。
おつけもの鉢は刷毛目の丸浅鉢。終わりがけの白うりを楽しみます。みょうがの赤も映えます。秋はどうしても食卓に土ものが多くなります。お月さまのいらっしゃる染付を取皿に添えてみました。
尺三寸縁潤膳は兄野田行作が作ったもので義姉が造り継いでいるものですが、亡くなって二十年を超える今もその息吹が残っています。軽く出来ていて何でも受けとめてくれる落ち着いたお盆です。
工芸店ようび 店主 真木