【一汁一菜】お味噌汁中心の食事 たぬき汁
奈良国立博物館前に「下下味亭」というごはん屋さんがあったのを覚えていらっしゃる方もあると思います。そのお店の一汁一菜は絶品で、何とか記録に残すために本にしたいと思っているうちにごはん屋さんは止めてしまわれました。
さまざま思い起こしながら少し私の想いも入れつつ、お味噌汁を中心とした食事の基本、一汁一菜を始めてみたく思います。
三つ椀は本来一汁一菜の道具として作られたものです。大椀は飯、中椀は汁、小椀はお菜という様に一応決まっていますが、どの様に使っても間違いということはありません。
これは中尊寺地蔵院の秀衡椀の型を忠実に写したもので、以前にも書いておりますが奥田達朗氏が寸法取りをしました。入れ子の具合といい形といいすばらしいものです。一組持っていろいろに使いますとたのしく、次々と盛りたいものが浮かんできます。
この度、一汁一菜の本来の使い方をしてみました。
たぬき汁は、小芋、にんじん、さつまいも、しいたけ、ごぼう、ねぎ等が入っていて、ちぎりこんにゃく(たぬきの肉に似ている?)を入れたものを我が家ではたぬき汁と呼んで、2月の寒い夜にいただくことにしていました。お味噌はあまり甘くない方が合うようで、仙台味噌8割、2割ほど白味噌を入れてたっぷりに作ります。
お菜は白菜のごまよごし、白菜の美味しい季節も終わりを迎えようとしています。今一度甘い茎の味を味わい尽くします。白く仕上がります様に薄口しょうゆと白味噌を少々入れるのがコツです。胡麻は大阪和田萬の金ごま半ずりを使いました。
お漬物は京都の西賀茂からいただいたすぐきです。三月になるとこれも色あせて見えるのは何故でしょうか。二月中に食べるものをとり合せて、春弥生を待ちましょう。
黒三つ椀・大
大きめの三つ椀です。中尊寺地蔵院の秀衡椀の写しです。
奥田志郎
82,500円
縁朱貝型皿
ホタテ貝を模った小皿です。縁の紅が桃の節句、弥生3月の取り皿にどうぞ。
伏原博之
14,300円
乾山写色絵春草紋醤油差し
乾山の文様を写した愛らしい醤油入れです。贈り物にもお勧めです。
伏原博之
34,320円