漆器・飛騨春慶塗:大徳寺重・滝村弘美・お正月のコーディネイト

お正月のコーディネイト

 光陰は矢の如し、2015年も過ぎようとしています。
 お正月の用意、あわただしい中にも何か新しい年への期待感のようなものを感じつつ準備を始めます。松竹梅、鶴亀水引(金銀・紅白)それぞれの根拠はともかくとして、形は少しずつ変わって来ていても、日本人の中に定着している「お正月」を取り入れ次代の人たちにこの情緒反応を継承していくことは大切なことに思われます。

 亀甲型洗朱内黒の小重には、金銀の鶴の文様を箔で画きました。

 雑煮椀は金箔松の絵。

 取り皿の鯉の瀧昇りなる絵は、松も瀧も鯉も波も関係なく画かれているようで何とも不思議な構図ですが、何となくお祝気分の染付です。姫谷焼かと思われるものの写しです。

 盃台は宝尽くし文の京焼風で、薄くぜいたくな作りになっています。洗朱の盃とはよく似合うものです。

 銚子はおなじみの錫の銚子。写真は扇面の蓋が付いていますが錫の蓋が付いていて、取替蓋も季節や用途によって取替ていただけるようになっています。

 写真はおめでたい絵のついたものばかりの取り合わせになっておりますが、何か一つでもあればお正月の話題になるかと思っています。

工芸店ようび 店主 真木
鯉松皿・小・土山敬司・お正月のコーディネイト

色絵羽子板文皿・正木春蔵・お正月のコーディネイト

亀甲型洗朱内黒二段重

お二人〜三人用のお正月料理がきっちり盛れる大きさかと思います。一閑張のお重はとても華奢ですが丈夫で軽く、普段はお弁当になるかと思います。

色絵羽子板文皿

渕に緑の線が入っているのがすがすがしく見えます。いかにもお正月の気分でおたのしみいただけるでしょう。

金銀片身替椀

名代の輪島の尚古堂さんの椀で、福を呼ぶように思えるのは金と銀だけのせいではないように思えます。とっぷりとした豊かさのある椀です。

乾山写しの銚子

作者の伏原博之さんにはずい分御苦労をかけ、殆んど一年を超える年月がかかっています。お酒が美味しくなるような細部の行き届いた作品です。

赤絵龍文盃

銚子と同じ伏原さんの作品ですが初期のもので、絵を書いて下さっている森本さんの筆先が見えるような踊り龍です。

黒尺4×8.5寸角切脇取盆

以前、花の家さんのシリーズで使わせていただいたもので、弟 中原英治が大好きだった寸法のものです。しっかりした塗も奥田志郎さんならではのものです。

工芸店ようび 店主 真木
漆器:宝尽くし黒内朱一閑張三段重・藤井収 & 山本哲・お正月のコーディネイト

いろいろとお正月の取り合わせをさせていただいていると、いろいろのパターンのさまざまなたのしみがあります。大ぶりの椀とこれは正木春蔵さんの華やかな梅の八角皿を取り皿として使うことにし、軽やかな箔絵宝尽くし紋一閑張のお重と個性的な土物(辻村塊さんのもの)を組み合わせています。

 少し大きいお盆にゆったりとのせて、この頃流行のお取り寄せのお節会を盛られてもしっかりお正月を味わっていただけるでしょう。

工芸店ようび 店主 真木
大徳寺重・滝村弘美

 大徳寺弁当は、京・大徳寺の法要の時のお斎の道具として出されていたものと聞いています。用意されたお節料理をこの箱の大きな空間に一人前を形よく盛って、お正月用としてもよろしいのではないかと思います。

 椀(雑煮椀)は少し大ぶりの猿尻椀(本体は黒、蓋は赤)に箔を散らし、華やかさを加えました。

 白釉の酒次も清楚で、静かな中にも特別な気分を感じさせる取り合わせになっています。

工芸店ようび 店主 真木
大徳寺重・滝村弘美

 大大徳寺弁当を二、三人前のお重詰め用として用いた場合、少しお正月らしい取り皿と酒次、酒盃で盛り上げます。

 椀は金箔の黒椀、内側が深くてお餅がゆっくり入ります。お正月以外にもたのしんで使っていただけるよい大きさの椀です。取り皿は染付松紋の皿(藤塚光男作)。酒次は伏原博之さん作の乾山の写しで、徳利にはない何か古風だけれどお手許の美しい注ぎ方が出来、この度は刷毛目の盃を取り合わせてみました。

工芸店ようび 店主 真木