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vol.34 新生活に向けて、ビジネス小物をアップデート!

藤原 綾さんフリーエディター/ライター
藤原 綾さん

フリーエディター/ライター。
出版社での女性誌編集部を経て、2007年にフリーの編集者として独立。
以後、『sweet』や『SPRiNG』などの女性誌、コレクションブランドからストリートブランドのムック本や
カタログのビジュアル制作を手掛けるなど幅広いジャンルで活動中。手掛けた作品は数百冊に及ぶ。

気づけば厚手のコートはいらなくなって、すっかり春が到来。そろそろ新年度も始まりますね。
入社、転勤などは心機一転のいいタイミング。特にビジネスシーンでは、清潔感がものを言うので、使い倒したお財布やバッグを一度見直して、気持ちも新たに新天地に向かうことをおすすめします。
今回は社会人から人気のブランドをピックアップして、バッグやお財布、時計など、ビジネスシーンに欠かせないアイテムを取り上げます。自分のやる気を高めるにはもちろん、取り入れやすい価格帯の定番ブランドを揃えたので、男女兼用のものは彼氏へのプレゼントにも最適です!

PCで作業をする人物 bild: Ivan Radic, flickr.com, CC BY 2.0

◆COACH/コーチ

誰もが知っている定番中の定番、COACH。80年以上の歴史を誇る、アメリカ発のレザーウェアブランドです。“最高級のレザーで、美しく機能的でモダンな製品を作る”ことを目標に掲げ、マンハッタンのロフトにある小さな家族経営の工房からスタートしました。
今でもCOACHの基本となる1958年に登場したグラブタンレザーは、時速140キロのボールを受けるミットと同程度の強度を誇り、使えば使うほど味わいが高まります。60年代には当時の人気デザイナー、ボニー・カシンをデザイナーに迎え、女性向けのアクセサリーを発表すると、たちまち人気に。販路を拡大していく中で、クラシックバッグからコンテンポラリーファッションブランドへの転換を図り、2001年にはCOACHの代名詞となるシグネチャー・コレクションを発表。今でも、手の届く価格帯でありながら高品質な商品を展開し、世界中から愛され続けています。

コーチ COACH CRSGR CITY ZIP TOT

<CRSGR CITY ZIP TOTE>

ミニバッグが流行っていても、ビジネスではやっぱりA4の資料が入るバッグは必須。中でも必ず用意したいのは、信頼感のあるシンプルな無地の黒トート。開口部はファスナーがついているので、満員電車も安心です。マチが広く、ノートPCやiPadなどのビジネスツールもすっきりと収納できます。上品なコーディネートにしっくりと馴染んで、清潔感を漂わせてくれます。

コーチ COACH TRI ORG COIN CSE SIG

<TRI ORG COIN CSE SIG>

最近は、キャッシュレスが進み、お財布もコンパクトなものが主流に。こちらのお財布は、おなじみのシグネチャー柄の三つ折り財布。さすがに現金を一切持ち歩かないのは心配なので、ミニマルで機能的なものを用意しておくのがおすすめです。お札とカード類をすっきりと収納し、コインケースはぱかっと大きく開くので、お会計のときもスムーズ。性別も年齢も問わず幅広く使えます。

◆Whitehouse Cox/ホワイトハウス・コックス

イギリスのウォルソールにあるホワイトハウス・コックス。19世紀後半にホワイトハウスとサミュエル・コックスによって創業され、100年以上にも及ぶ長い歴史を誇ります。1920年代までは、乗馬用の鞍や手綱、軍需用商品を手掛けていましたが、30年代にはいると、英国上流階級の人々からの要望を受けて、カフスボタン入れやシェービングキット、移動用のバッグなどファッション性の高いアイテムも製造するように。1970年代には、ラルフ・ローレンから依頼を受け、ベルトを製品化したことによって、世界中のバイヤーやデザイナーから次々とオーダーが入るようになりました。これをきっかけに世界中に展開され、今でも英国のライフスタイルの神髄を追求した様々なレザーグッズを生み出しています。現在の商品も、伝統に裏付けされた技術力によって、30年代と同様、丁寧な製法で作られているのが魅力です。

ホワイトハウスコックス WHITEHOUSE COX ラージ ホールドオール

<ラージ ホールドオール>

1~2日の出張が多い人は、必ず用意しておきたいボストンバッグ。キャンバス地、ポリウレタン、ブライドルレザーと3種類の素材を組み合わせています。鍵がついているので、飛行機でも安心。取り外しのできるコットンのショルダーストラップ付きで、両手を自由にしたいときも便利です。サイドまで大きく開く開口部や回転式のナスカン、タフさを担保する底あてなど、ディテールひとつひとつにこだわりを凝縮。

ホワイトハウスコックス WHITEHOUSE COX クラッチ パース

<クラッチ パース>

小さなお財布を持つ人が増えていても、お札を折りたくないという人(私も!)に、やっぱり根強い人気の長財布。多彩なポケットもついていて、“クラッチパース”という名前の通り、広めのマチで大容量なのが特徴。カードは8枚収納できて、コインケースはファスナーで開閉します。シンプルかつクラス感のある雰囲気で、自分へのご褒美として手に入れたい逸品です。

◆IL BISONTE/イル ビゾンテ

イタリアの上質なレザーブランドとして、ワニー・ディ・フィリッポ&ナディア夫婦が1970年に創業。フィレンツェのパリオーネ通りに小さな店を開き、50年以上にわたって、情熱的に革製品を生み出してきました。トスカーナにある革工場で作られるこだわりが詰まった天然素材100%のレザーを使用し、そのクオリティの高さからアメリカ人バイヤーの目に留まって、以来ヨーロッパやアジアにもその名声が広がっていきました。使えば使うほど、色や形、質感の表情が変わっていき、それも想定したうえでひとつひとつハンドメイド作られているのが特徴です。ブランドロゴのモチーフには、ブランド名の由来でもある水牛が型押しされています。2008年にはメンズコレクションもスタート。日本でも、20~40代の感度の高い男女から支持を得ていて、本物志向の人が選んでいる様子。

イルビゾンテ IL BISONTE IO キーケース

<キーケース>

斜めのカッティングが印象的なキーケース。スナップボタンもレザーで包んで一体感を出しながら、高級感を漂わせます。中には4つの鍵を取り付けることができて、さらにバッグなどにつけられるリングも設置。背面には、おなじみの水牛が型押しされています。シンプルで飽きのこないつくりなので、ギフトにもおすすめです。

イルビゾンテ IL BISONTE オリオン カードホルダー

<オリオン カードホルダー>

レザーのスリムなカードケースは、キャッシュレス時代の必需品。外側の両面にスリットポケットがあるので、スイカやよく使うクレジットカードを入れて、バッグの定位置に。曲線のカッティングが美しく、カードをスムーズに取り出せるように考えられています。ミニマムだからこそ、繊細な縫製と上質なレザーが映える逸品です。

◆Paul Smith/ポール・スミス

1970年にイギリスのノッティンガムで「ポールスミス・リミテッド」が誕生。当時はマーガレット・ハウエルやケンゾーなどを取り扱いながら、オリジナル商品を展開していました。1976年には初のコレクションを開催。ほぼ手作りであったにもかかわらず、大成功を収めました。1991年に英国産業デザイナー賞、1994年に大英帝国勲章を受章し、輝かしい経歴と共に、今では世界から知られる存在です。数々のレーベルをもち、アパレルだけでなく、車やインテリアなど幅広いジャンルでデザインを手掛けています。親日家としても知られ、東日本大震災の際、周囲の反対を押し切って来日し、ショップスタッフを勇気づける一面も。2020年の秋冬コレクションでは、日本の食品サンプルから着想を得たというスパゲッティ柄を復刻させました。「ひねりの効いたクラシック」をコンセプトに、英国の伝統を受け継ぎながら、実用性や遊び心を感じる独特なデザインを生み出し続けています。

ポール スミス PAUL SMITH CARDHOLDER ON NECK

<CARDHOLDER ON NECK>

首から掛けられるレザーコード付きのカードケースは、社員証やスイカ、クレジットカードなど、すぐに取り出したいカード類をまとめて入れておくのに便利。両面にポケットが付いているので、うっかり忘れがちな名刺も収納できます。ファスナーポケットもついていて、大事なものをコンパクトに集約。フロントには大胆にブランドロゴの型押しをあしらいつつ、独特な配色も楽しめます。

ポール スミス airpods case

<airpods case>

通勤の際、音楽を楽しむ人に贈りたいエアポッズケース。もはや定番となった完全独立型のBluetoothイヤホンは、便利だけど紛失の可能性が高いので、専用ケースに入れる習慣をつけておきたいところ。ファスナーの引き手は開閉がしやすいように少し長めに設定。バッグやベルトループに取り付けられるカラビナもついています。フロントにはブランドロゴの型押しを。

◆Calvin Klein/カルバン・クライン

日本ではTシャツや香水、ボクサーパンツが一大ブームを巻き起こしたカルバン・クライン。1968年にカルバン・クラインが幼馴染と共に立ち上げました。最初のお店は、NYの7番街にあるヨーク・ホテル。オープンして間もなく、老舗百貨店のボンウィット・テーラーのバイヤーが誤って別のフロアに降りて、偶然カルバン・クラインのコートを目にして買い付けを行うことに。同社の広告に使用されたコートがニューヨーク・タイムズに掲載されたことから、名だたる百貨店から注文が相次ぎ、あっという間にサクセスへの階段を上り始めます。1970年の初コレクションは、WWDからも絶賛され、そこから多角経営に乗り出すことに。デニムの広告キャンペーンで、当時15歳だったブルック・シールズを起用したこともセンセーショナルな話題と呼びました。「すべてはカッティングから始まる」というカルバン・クラインの言葉を今でも受け継ぎ、シンプルで洗練されたデザインを展開しています。

カルバンクライン CALVIN KLEIN オーセンティック

<オーセンティック>

ONでもOFFでも使えるシンプルな顔の「オーセンティック」。カルバン・クラインらしい無駄を削ぎ落したシンプルでモダンなデザインは、“デキる女”を演出してくれそう。どんなコーディネートでも邪魔することなく、しっくりと馴染む万能な腕時計です。

カルバンクライン CALVIN KLEIN パーティー

<パーティー>

その名の通り、アクセサリー感覚でつけられる華やかな一品。細身ベルトのバングルタイプで、ブレスレットとの重ね付けもおすすめです。ゆるやかにねじれたフォルムが、女性らしいニュアンスを加えて、柔らかな印象に仕上げてくれます。日常生活防水機能があるので、手を洗うときも心配なし。

今回は新年度に向けて、ちょっと背筋が伸びるアイテムを紹介してみました。ブランドの背景を知ることで、より味わい深く、愛着も湧いてくるというもの。気持ちも寄り添える新しいものを手に入れると、仕事へのモチベーションも上がるはず。気持ちを奮い立たせるためにも、ぜひビジネスグッズの見直しを。

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