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vol.37 父の日はBEFORE & AFTERを楽しむ? お父さん改造計画

藤原 綾さんフリーエディター/ライター
藤原 綾さん

フリーエディター/ライター。
出版社での女性誌編集部を経て、2007年にフリーの編集者として独立。
以後、『sweet』や『SPRiNG』などの女性誌、コレクションブランドからストリートブランドのムック本や
カタログのビジュアル制作を手掛けるなど幅広いジャンルで活動中。手掛けた作品は数百冊に及ぶ。

娘の目から父親のファッションを客観的に見てみると、なんかもうぐったり……。年をとるごとに興味を失ったのか、そもそも最初から興味がなかったのか、年々服装がどうでもよくなっているような? 父の日も近いことだし、たまにはお父さんのおしゃれ心を揺さぶるアイテムを贈るのもいいかもしれません。
ファッションに興味のないお父さんでも、気軽に挑戦できるのがポロシャツ。カジュアルなアイテムながら、きれいめな印象があるのでリモートワークにもおすすめです。年齢的に、Tシャツだとだらしなく見えがちですが、ポロシャツだと年齢を問わず顔としっくりフィットします。 今回は5枚のポロシャツをセレクト。隣で一緒に歩くと、ちょっと誇らしげな気分になれる理想のお父さんを頭に描いて、ふたりの思い出に残るプレゼントを。

ポロシャツの積まれた棚
bild: Marco Paköeningrat, flickr.com, CC BY-SA 2.0

<LACOSTE(ラコステ)>

「人生とは美しいスポーツだ」をテーマに、フレンチシックなアイテムを展開するラコステ。テニス・プレイヤーであるルネ・ラコステから生まれたパリ発のブランドで、80年代は日本でもお父さんたちがこぞって着ていました。そこから定番ブランドとして定着していましたが、2011年の「LACOSTE LIVE」の発売によって、イメージが一新。今では一周回って、若者にも支持されるスタイリッシュなブランドとして認知が広がっています。

フレンチシックはタウン仕様にもゴルフウェアにも!

ラコステポロシャツコーディネート

時代に合わせてマイナーチェンジを繰り返してきたラコステの定番中の定番モデル「クラシック ピケ ポロシャツ L1212」。間違いない王道に少し遊び心を加えるために、色はグリーンをセレクト。ストレッチがきいたゴルフ用のチノパンはネイビーで、グリーンとのコントラストも映えます。上下をワンブランドで統一すると、スタイリングが苦手な人でも失敗しづらく。足元もフランスのブランド、ロシニョールの「アレックス」。全体をクラシカルに仕上げると、カジュアルでも大人の品が漂います。タウン仕様に着こなすなら、コーデに馴染むハーフリムのサングラスを加えてもOK。

<POLO RALPH LAUREN(ポロ ラルフ ローレン)>

もともとブルックス・ブラザーズで営業だったラルフ・ローレンが、1967年にオープンしたネクタイ店で、自身のブランド「Polo」をスタートしたことがきっかけ。現在、数々のレーベルを持っているなかで、ポロ ラルフ ローレンはポニーのロゴでもお馴染みの定番ラインです。日本では、スーツを着る紳士からもドレスを着る淑女からもオーバーサイズを着るB-BOYからも制服を着崩すギャルからも愛されるという独特の立ち位置を確立し、そのポロシャツも老若男女問わず愛され続けています。

上品なニュアンスでカジュアルでも大人っぽく

ラルフローレンポロシャツコーディネート

カジュアルだけどきれいめに仕上げた爽やかなブリティッシュスタイル。表情のある素材感と柔らかな風合いのポロシャツに、カラーコードが印象的なハーフパンツを。ラフなスタイルでも、シルエットや佇まいに品があるのでルーズには転びません。スニーカーを合わせると子どもっぽくなってしまうので、足元はあえてデザートブーツを選んで大人の余裕を表現。全体はカジュアルでも、だらしなく見えることなくこなれた雰囲気が漂います。シンプルなバケットハットで、味つけしてもOK。

<JOHN SMEDLEY(ジョンスメドレー)>

240年近い歴史を誇り、ハイゲージニットブランドの礎を築いたといっても過言ではないパイオニア的ブランド、ジョンスメドレー。シンプルで飽きのこないデザインに加え、そのなめらかで繊細な表情は、素材が上質さを物語っているかのようです。ストールなども人気が高く、秋冬のイメージがありますが、そのポロシャツは隠れた名品。細番手のシーアイランドコットンを使用した薄手の一枚で、どうしてもラフになりがちな真夏でも、端正な雰囲気を作ってくれます。

シルエットを楽しむ洗練されたデザイン

ジョンスメドレーポロシャツコーディネート

ジョンスメドレーの「ADRIAN」は、リブ襟の根元がしっかりしているので、“前を閉じて着る派”におすすめのデザイン。襟が広がりすぎないので、きちんとした印象に。そのイメージをキープしつつ、テーパードパンツでシルエットに変化を。伸縮性が高く、はき心地も抜群の一本です。ポロシャツが上品なので、足元はスニーカーでもいいけど、素材はボリュームがあまりなく、カジュアルすぎないものがベター。ミニマムなスタイルでも問題ないけど、少し遊びが欲しいときは、細フレームのサングラスや華奢なアクセを最小限投入。

<TOMMY HIFLIGER(トミーヒルフィガー)>

アメリカンプレッピーにひねりを効かせたデザインで、世界中に発信を続けているトミーヒルフィガー。1985年のデビュー以来、TOMMY HILFIGERとTOMMY JEANSの2本柱のもと、幅広いコレクションを展開しています。日本でも90年代後半からストリートカルチャーと共に名前が知られるようになり、ドラムバッグの大ヒットを経て、今では年齢を問わず馴染みのある存在に。クラシックなアメリカンスタイルに、今のムードを取り入れたカジュアルに、根強い人気を獲得しています。

白ポロ×デニムのベーシックを着こなす!

トミーヒルフィガーポロシャツコーディネート

色でごまかさず、白トップスとインディゴデニムを合わせた潔いアメリカンスタイル。胸元にさりげなくフラッグロゴをきかせたシンプルなポロシャツは、一見シンプルだけどボタンを外した時にトリコロールカラーがちらり。デニムはリーバイスの505。ストレートのワンウォッシュで、トップスとのコントラストが楽しめます。定番×定番で、足元もキャンバス地のスニーカーあたりを合わせたいところですが、そこは少し大人の遊びを。質感のあるホワイトスニーカーは、ロゴも同系色で主張せず、シンプルなスタイルの外しとして活躍します。

<UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)>

メリーランド大学のアメリカンフットボール選手であったケビン・プランクによって創業。プレイ中にコットンシャツが汗で重くなること不快に感じていたことから、自ら高機能なタイトフィットウェアを開発。第二の皮膚のようにフィットし、吸汗速乾性に優れていることからアスリートの間に一気に話題に。UAテック、チャージドコットン、UAストーム、コールドギアインフラレッド……と次々に機能素材を発表し、今ではスポーツシーンに欠かせない存在として人気を博している。

機能とデザインが融合した都会的なスポーティ

アンダーアーマーポロシャツコーディネート

トップスは高い吸汗速乾性をもち、体をさらさらに保ってくれる機能的なポロシャツ。これにはお父さんも大喜び! さらに、防臭効果があるのも好ポイントです。ボトムもストレッチが効いた、汗を素早く吸収してくれるジョガーパンツを。上下ともに、父親世代が重視する着ていて快適であることを追求したアイテムで揃えました。スポーティなウェアでオールブラックだと、タウン仕様には少し物足りないので、足元にデザイン要素をプラス。はき心地のいい配色スニーカーで、全体のテイストはそのままに、こなれたアクセントを効かせています。

肩車をする親子
bild: Claudia Heidelberger, flickr.com, CC BY 2.0

ファッションは気分を高めてくれる人生の大切な要素。もともと興味がない人も、着た姿を鏡に映して思いを馳せたり、だんだん服装を気にしなくなっていた人も、ひとつのアイテムが着火剤になったりすることも。父の日にポロシャツとメッセージを贈って、久々に一緒に出掛けてみるのもいいかもしれません。

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