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インクルーシブ コラム看板

2020.2.18

IN’CREWSIVE

佐藤 誠二朗さんメンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

インクルーシブの自信作に違いない

“週末を大いに楽しんでほしい”との願いをこめてデザインされているという、Z-CRAFTのオリジナルブランド、インクルーシブ。
「ぜひ使ってみて、率直なご感想を」というメッセージとともに、新作のストレッチチノスリムパンツが届いたので、さっそく穿いて週末を過ごしてみました。

インクルーシブ In’crewsive ストレッチ チノスリムパンツ インクルーシブ ストレッチ チノスリムパンツ

太ももはややゆったりめで、ひざから足先にいくに従って細くなるテーパードシルエット。
しっかり肉厚ながら伸縮性の高い、柔軟なストレッチ生地。
バックにスマホ専用ポケットも施された、収納力抜群のポケット。
などなどの詳細な仕様については、上の商品紹介ページを見ていただければと思いますので、僕は個人的な感想をお伝えします。

足を通した瞬間、掛け値なしに「これ、いいじゃん!」「ああ、インクルーシブの自信作なんだな」と思いました。
肌触りのいい上質コットンが使われたストレッチ生地なので、新品でも肌にしっくり心地よくなじみます。
そして、安心感のある肉厚生地なのにしっかりストレッチが効いていて、実に動きやすいのです。

シルエットはとてもナチュラルですが、先に行くほど細くなるテーパードは、足を細く&長く見せる効果バッチリ。
気をてらわないシンプルなデザインなのでどんな服にも合わせやすく、これから登場の機会が多くなりそうな予感がしています。

僕が穿いているのはブラックですが、ベージュ、カーキ、グレー、ネイビー、チャコールと、男性のパンツとして一般的に考えうるカラーバリエーションがしっかり揃えられている点がポイントです。
また、お手頃な価格にもご注目。
どんなスタイルにも合わせやすい汎用性の高いアイテムなので、この価格なら色違いで複数買いし、その日に着るトップスと合わせてセレクトするのもアリだなと思いました。

優れたシルエットを持つシンプルなパンツは、穿く人の個性によってどんな色にも染まるもの。 これから3パターンほど、私流の“ストレッチチノスリムパンツ”コーディネートをご紹介したいと思います。

have a nice weekendbild:Marco Verch Professional Photographer, flickr.com, CC BY 2.0

佐藤趣味丸出しスキンズコーデ

私こと佐藤誠二朗は、今は昔1980年代前半の中学生時代、当時流行していたニューウェーブとハードコアパンクの洗礼を受けました。
中学の終わりから高校時代はそのルーツを探るように初期パンクとブリティッシュビートに傾倒し、ファッションもパンクとモッズスタイルを目指しました。
大学に入ると友人に誘われるまま、パンク系の音楽サークルに入ります。
しかしそこは確かにパンク系ではありましたが、マニアックなスキンヘッズ(スキンズ)が集まる異色の音楽サークル。
こうして私は流されるままに、スキンズスタイルのかっこよさに目覚め、染まっていきました。

スキンズコーデ

MERC メルクロンドン テリー ショートスリーブ ギンガム ボタンダウン シャツ
GB スポーツ タスティン TUSTIN 4082
インクルーシブ ストレッチチノテーパードパンツ
ドクターマーチン 1460 8EYE BOOT

スキンズというのは1960年代中頃にモッズから派生して登場したユースカルチャーです。
ワーキングクラス層が多かったスキンズは、みずからのアイデンティティを誇示するようなスタイルをつくっていきます。
ドクターマーチンやスティールトゥのゴツいワークブーツ、自慢のブーツを強調できるようにロールアップしたデニムパンツや丈の短いコットンパンツ、ボタンダウンのシャツかライン入りのポロシャツ、そしてアウターとしてスポーティなブルゾンなどを羽織り、髪を五分刈りまで刈り込む強面スタイルを確立しました。
スキンズは、スカやロックステディ、レゲエやソウルミュージックを好み、地元のサッカーチームの応援に熱中する平和なカルチャーでしたが、やがてフーリガン的な要素が強まり、パンクとつながった1970年代以降は右翼色も加味され、どんどん危険な香りが漂う集団になっていきます。

でも僕が好きなのは、強面とはいえまだまだ牧歌的だった1960年代のオリジナルスキンズのスタイルです。
ここで提案したのは、そんな彼らをイメージしたコーディネート。スキンズはリーバイスの“スタプレスト”というノンアイロンのテーパードスラックスを愛用しましたが、インクルーシブのストレッチチノテーパードパンツは、これにとても近いイメージです。
着こなす際のコツは、パンツの裾を短めに断つか軽くロールアップし、ドクターマーチンのブーツがよく見えるようにすることです。
髪型も丸坊主にするとより気分が出ますが、そこまでできる人はなかなかいませんよね(笑)。

skinhead moonstomp

決めるとこは決める大人コーデ

パンクだモッズだスキンズだと、ヤンチャなユースカルチャーが好きだった私も、気づけば立派なアラフィフ男。
でも若い頃に好きだったカルチャーの魅力からはなかなか卒業できず、この歳になってもそうしたエッセンスのある着こなしを主体としているのですが、昔は忌み嫌っていたAORなんかも聴いちゃう大人になったので、年齢相応の落ち着いたスタイルも好むようになりました。

大人コーデ

OFF WHITE オフホワイト LOGO S/S SLIM TEE
バラクータ G9 ARCHIVE
インクルーシブ ストレッチチノテーパードパンツ
TRICKER’S BOURTON 5633/4

ここで提案しているのは、そんな私が子供の学校の授業参観に行っても二度見されることのない、シックで安定感のある大人なカジュアルコーディネートです。
どんなスタイルにもハマってくれるインクルーシブのストレッチチノテーパードパンツなら、こんな大人っぽいシンプルコーデを支えるカナメのような働きをしてくれます。

大人っぽいカジュアルコーディネートをする際に私が心がけているポイントは、4つあります。
①ド定番と呼ばれるような息の長い名品を組み込むこと
②見る人が見ればわかるトレンド感のあるアイテムをさりげなくミックスすること
③靴はややドレッシーなレザーシューズかブーツを選ぶこと
④それらの要素を引き立たせるシンプルでシルエットの美しいパンツをセレクトすること

①についてはバラクータのG9ジャケット、②はオフホワイトのロゴTシャツ、③はトリッカーズのシューズ、そして④にはインクルーシブのストレッチチノテーパードパンツが該当します。

このコーディネートで大きな肝となるのは、トリッカーズのレザーシューズです。
1829年に創業したイギリスの名門シューズメーカー、王室御用達のベンチメイド靴(ベンチに座った職人が一つ一つの工程に時間をかけて作り上げるハンドメイドの一流品)であるトリッカーズ。
ウイングチップとも呼ばれる穴飾りのついたブローグシューズは、現在ではビジネス用のドレスシューズとして使われることもありますが、本来はカントリージェントルマンが履く野外活動靴でした。

こうしたルーツを重んじ、私はウイングチップをカジュアルに履くのがかっこいいと思い、実践しています。
インクルーシブのストレッチチノテーパードパンツは裾が絞られたデザインなので、靴が目立つというのも特徴です。
ぜひ、トリッカーズのような一流レザーシューズを合わせてみることをおすすめします。

boz scaggs

山の家ゆるゆるアウトドアコーデ

東京で生まれ育ち、ずっと東京で働いてきた私ですが、思うところがあり4年前、山梨県山中湖村に小さなセカンドハウスを購入。軸足は東京に置いたまま、時おり“山の家”に滞在するデュアルライフを実践しています。
登山らしい登山もキャンプらしいキャンプもほとんどしたことがない、アウトドア素人の私でしたが、自然豊かな山中湖村で暮らすうち、湖で釣りやウォータースポーツをしたり、家から徒歩で行ける低山に登ったり、庭でバーベキューをしたり、ガーデニングにチャレンジしたりと、アウトドアっぽい活動を頻繁にやるようになりました。

家の四方を自然に囲まれていると、都会で暮らしているときのように「さあ、アウトドアで遊ぶぞ!」と気合を入れる必要はありません。
面倒な準備をし、時間をかけて遠くに出かける必要はないので、自然にアウトドア活動に興味がわいてきたというのが実態に近いでしょう。

すると“山の家”で暮らしている間の服装は、ほとんど毎日、機能的なアウトドアウェアになります。
とはいえ、本格的なブランドのアイテムを揃えるわけではなく、ちょっと動きやすくて丈夫で、心置きなく使って汚れたらジャブジャブ洗えるような服はすべて、僕の中で“アウトドア用”と独自認定しています。

アウトドアコーデ

BARBOUR バブアー ENDSLEIGH TWILL CHECK
POLO RALPH LAUREN MATTE M-VEST
インクルーシブ ストレッチチノテーパードパンツ
コロンビア COLUMBIA スピンリールモック ウォータープルーフ オムニヒート

つまり、丈夫で肉厚で肌触りの良いコットン生地を使い、色々な姿勢をとってもつっぱらず楽に動けるインクルーシブのストレッチチノテーパードパンツは、僕の中では立派なアウトドアウェアのひとつ。
ここで提案しているのは、そんな私流の“ノット本格派”のためのアウトドアコーディネートです。

私のような半端ものアウトドアマンが一番大事にしたいのは、最低限の野外活動に向く機能性と見た目。
どちらかというと、見た目8割かもしれません。
私の中では、かなり気に入ったゆるゆるアウトドアコーデになりましたので、皆さんぜひご参考に。
私も一式揃えて、山の家でゆるく楽しく過ごしたいと思います。

ハンモックbild:Five Furlongs, flickr.com, CC BY-ND 2.0

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