

2021.9.24
祝・ブランド創設25周年!
アンダーアーマーのアイテムは
現代における
機能性ウェアの最高進化系
<店長>
最近集めていたTシャツを断捨離。30枚ほどなくなってスッキリしました。
<佐藤さん>
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
Q.吸湿速乾性に優れた機能性素材は昔からあった?

佐藤さんは普段、どんなスポーツをやっていますか?

中高生時代にやっていた剣道を8年前に復活させて、週に2回ほど町道場で稽古していますよ。

おお。剣道って激しいですよね。

めちゃくちゃ疲れます。毎回「あれ? 俺はなんでこんなことしてるんだっけ?」と思うくらい(笑)。特に今は、マスクをして面をつけなければならないので、なかなか辛いです。

でもやめられないんですか?

そこが不思議なところで。キツいし臭いし痛いし、積極的に人にオススメできる要素がないんですけど(笑)、終わった後は気分がすっきりするし、稽古のある日はやっぱりまた行きたくなるんですよ。


なるほど。きっと言葉では表せない魅力があるんでしょうね。他には何か?

2年前にゴルフをはじめました。こっちは人に習うわけでもなく自己流で、打ちっぱなしにもコースにもたまにしか行かないのでユルユル。だから全然上達しないけど、ほとんど遊びのような感覚で、家族や親しい友人たちと楽しくやっています。ところで、今回の対談テーマは何でしたっけ?

アンダーアーマーです。だから話のとっかかりにしようと思って、佐藤さんのやっているスポーツを聞いてみたんですけど、剣道は全然関係ないですよね(笑)。

そうですねえ(笑)。剣道は着装に関する掟が厳しくて、稽古着の下にそんな舶来の(笑)肌着を着たりするのは許されませんから。道場は、夏は蒸し暑くて冬はキンキンに冷えるので、本音を言えばアンダーアーマーを着られたらいいんでしょうけど。

ですよね。

剣道着で使われる綿の生地は、古来から伝わる“刺織”という織り方でつくられています。この生地は怪我防止のため分厚いにもかかわらず、実は通気性が良くて吸湿速乾性に優れているんです。“元祖機能性素材”のようなものですね。だから夏も冬も意外と快適に着られるんですよ。

じゃあ、アンダーアーマー要らずじゃないですか。って、そういう話じゃ困るんですよ。どうしようかな……。

ハハハ、すみません。剣道を一般的なスポーツアイテムにからめるのは難しいですね。でも僕が言いたかったのは、剣道着を見ればわかるように、吸湿速乾性って昔から求められていた機能ですが、現代におけるその最高進化系がアンダーアーマーなんだろうなということなんです。

そうっすよ! わかってらっしゃる(笑)。

(笑)盛り上げるために、こじつけで言ってるわけじゃなくて、アンダーアーマーは本当にリアルアスリートのための道具のようなウェアですからね。アメフトや野球の選手が着ているのを見ると、戦う男だなって思えてかっこいいですよ。

もともと、アメフトの選手が立ち上げたブランドですもんね。今年、ブランド創設25周年を迎えています。

1996年創業だからちょうど四半世紀、25周年。アニバーサリーのポロシャツも出ているんですね。これ、オーセンティックなラガーシャツのような雰囲気でかっこいいなあ。タグにはロゴの変遷が並んでいて面白いですね。これは買いだな。せっかくの25周年ですから、ちょっとブランドの歴史を語っちゃいましょうか?

はい。是非お願いします。

では僭越ながら(笑)。
Q.現役アスリートだからこその発想から生まれた?

アンダーアーマーは、アメリカのメリーランド州ボルチモアに本社を置くブランドで、創業者は現在もCEOを務めるケビン・プランクという人です。

大学フットボールの名選手だったんですよね。

メリーランド大学のアメリカンフットボールチームでキャプテンを務めていたそうですよ。アンダーアーマー創業につながるヒントは、彼が在学中に思いついたそうです。チームのフルバックとして活躍していた彼はいつも、ユニフォームの下に着たコットン製アンダーシャツが、汗を含んで冷たくなってベタベタとまとわりつき、頻繁に着替えなければならないことにうんざりしていたんですね。

なるほど。現役選手だから気づく問題ですね。


そしてプランクはある日、合成繊維素材の下着が、大量の汗をかいたあと早く乾いていることに気づきました。それならば、同様の素材を使ったスポーツ用アンダーシャツがあってもいいのではないかと、ひらめいたそうです。

それでアンダーアーマーの創業に至るわけですね。

そう。彼は大学卒業後の1996年、ワシントンD.C.にある祖母の地下室にこもり、吸湿速乾性能を持つ合成繊維を使ったアンダーシャツのプロトタイプを作ります。そして、NFLへと進んだ大学時代のチームメートや、MLBに所属する友人の野球選手、あるいはNCAAなどのメジャーカレッジに在学中の友人に配りました。

試作したのはどんなアンダーシャツだったんですか?

当時のスポーツ界では見慣れない、体にぴったり密着するタイトフィットスタイルのアンダーシャツだったそうです。現在もアンダーアーマーの主力商品になっている、 “コンプレッションシャツ”の原型ですね。

身体にピッタリとフィットし、超軽量。通気性・吸水性・速乾性に優れ、どんな動きにもスムーズに対応する万能アンダーシャツですね。あらゆるスポーツシーンにオススメできるので、うちのお店でもよく売れます。まあ、剣道は関係ないでしょうけど(笑)。

あ、なんかすみません(笑)。同じコンプレッションシャツでも、季節の変化に合わせられるようにバリエーションがあるんでしたよね?

まだ蒸し暑い日も多い9月頃までは高い吸汗速乾性を持っていて、身体をドライで快適に保つことができるヒートギアが向いています。体にピッタリ密着して第二の皮膚のようになるコンプレッションシャツだけではなく、もう少しゆったり着られて、より汎用性の高いトレーニングウエアも人気ですね。
Q.アンダーアーマーのコンプレッションシャツとは

そして、彼岸もすぎてより涼しくなってくると、防寒用タイプの方が売れてくるわけですね。話それますが「彼岸もすぎて」って言い方、オヤジ臭いですか? この前、人に指摘されて(笑)。

はい、確かにちょっと(笑)。でも日本人が昔から言い慣わしてきたそういう感覚って、しっくりくることが多いですよね。もちろん、同じ日本でも住んでいる地域によって違うとは思いますが、大まかな感覚としては、彼岸もすぎたこれからは、より暖かく着られるコールドギアの方の需要が高まります。

そうか、やっぱりオヤジ臭いか……。

え? そこですか?(笑)

(笑)、ああ失礼。コールドギアの話でしたね。これ、優秀ですよね。僕も使ったことあるのですが、冬場のスポーツには本当に快適で。

え、剣道で?

いやいや、もちろんゴルフです(笑)。アンダーアーマーのコールドギアって、本物のトップアスリートにも選ばれるアイテムですけど、僕のようなど素人ゴルファーにも優しいんですよね。

と言うと?

ゴルフは80代の高齢者でも楽しめる生涯スポーツですから、そもそもそんなに激しくないですよね。移動もカートに乗って楽々ですから。だから冬場はしっかり防寒対策をしていかないと寒くて仕方がないんです。でも僕のような下手くそは、打ったボールが左右に大きく曲がるので、何度も丘を登ってボールを探しにいかなければならないんです。すると途端に運動量が増えて、冬でも汗をガンガンかくという(笑)。

考えようによっては、そっちの方が健康的ですね(笑)。

そうですね(笑)。やってる方からすれば、できれば最短距離のフェアウェイど真ん中を、涼しい顔して進んでいきたいのですが。

それはまあ……、練習あるのみですね(笑)。でも現状の佐藤さんのようなゴルファーにはコールドギアがおすすめだと。

そうなんですよ。汗をかいていないときは普通に暖かいし、ボール探しで汗を大量にかいたとしても、すぐに吸収乾燥してくれるので冷えないんです。汗が冷えて体温が下がると、ますますスコアがガタガタになってしまいますからね。

なるほどね、非常にリアルなお話、ありがとうございます。ところで佐藤さん、ベストスコアはどのくらいですか?

剣道ですか? 三段ですよ。

いや、ゴルフのスコアの方です。

その話はしたくないです(笑)。

(笑)はい、失礼しました。

Q.アンダーアーマーが開拓した男の“見せ下着”の概念とは

アンダーアーマーのコンプレッションシャツって、その機能性もさることながら、やっぱり見た目のかっこよさが人気の秘密だと思うんですよね。

基本はアンダーウェアですけど、身体にピッタリ密着するから、特に鍛え上げた肉体だと筋肉の凹凸がはっきり見えて、すごくかっこいいですよね。スポーツマンの“見せ下着”という概念をつくったのも、アンダーアーマーだと思います。でも開発当初、創業者・プランクが試作したコンプレッションシャツを友人のアスリートが着ていると、チームメイトから奇異の眼差しを向けられたそうです。

確かに、そんなシャツがなかった時代にあれをいきなり着たら、相当に目立ちますもんね。

そうです。しかしアンダーアーマーの試作品を着た彼らは練習後、汗びっしょりのチームメイトの横で涼しい顔をしていたそうです。その明らかに優れた機能性を認めたチームメイトたちは次々とプランクの新しいシャツを求めるようになり、またプランクは彼らから様々なフィードバックを受けて改良を重ね、今日のものと変わらぬコンプレッションシャツが完成したのだそうです。

なるほど。そしてその後、アンダーアーマーはアスリートの間に徐々に広まったそうですが、本格的なブレイクのきっかけは映画だったという話も聞きました。

1999年、アメリカンフットボールをテーマにした2つのメジャー映画、オリバー・ストーン監督の『エニイ・ギブン・サンデー』(1999年公開)とハワード・ドゥイッチ監督の『リプレイスメント』(2000年公開)のスタイリングに、アンダーアーマーのシャツが採用されたんです。これをきっかけにアンダーアーマーは、大ブレイクを果たしました。そして21世紀に入ると飛躍的に業績を伸ばし、現在ではトップアスリートからアマチュアまで広く愛される、総合スポーツブランドへと成長しています。


アンダーアーマーのアイテムは汎用性の高さが魅力ですよね。

そうなんですよ。フィールドスポーツだけではなく、キャンプや山登り、釣りなんかのアウトドアにも最適です。僕も色々なシーンで重宝していますよ。

今日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。