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スケートボード看板

2021.9.16

始めるなら今!
スケートボードの歴史を知る

佐藤 誠二朗さんメンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

いま再び盛り上がるスケボー

東京でおこなわれた国際的な大舞台で若い日本人選手が大活躍し、喝采を浴びたスケートボード。
でも世界一華やかな舞台で、ルールに則った競技として健全にスケートボードがおこなわることについて、私は若干の違和感を覚えました。
今さらこんなことを言うのも何ですが、スケートボードというのは街の悪ガキが育み、伝承してきた“反逆のストリートスポーツ”です。
うるさくて危険な街の厄介者として良識ある大人から白い目で見られ、場合によっては警察に追っかけられるようなものであったはず。

でもよくよく考えてみたら、ほとんどギャングのBボーイたちが、内輪受けのためにやっていた遊びであるヒップホップミュージックやブレイクダンスが世界のポップカルチャーのスタンダードになり、バスキアやバンクシーのような街の不法な落書きが、何億円もの評価のつく現代アートの代表格に昇華したのと同様の現象と言っていいのかもしれません。
ストリート生まれのスポーツが世界の耳目を集めたことを、ストリート派としては素直に喜ぶべきなのかもしれないと思い直しました。

スケートボード1bild:Jesús Corrius, flickr.com, CC BY 2.0

さて、知っている人にとっては今さら感があるものかもしれませんが、簡単にスケートボードの歴史をおさらいしましょう。

カリフォルニアのとあるローラースケートメーカーが、「ローラーサーフィン」という商品名で世界初のスケートボードを発売したのは1950年代半ば。
しかしスケートボードはその後しばらく、いつかはサーフィンをやりたいと願う少年のための遊びにすぎませんでした。
学校帰りの少年たちが道端や公園で遊ぶ、サーフィンごっこ用の遊具のような存在だったのです。

やがてスケートボードは、大人から危険でうるさい乗り物として認識され、公の場での使用が禁止されるようになっていきます。
しかし、こうした良識的な社会からの排除こそが、ストリートスタイルの誕生を後押しするもの。1970年代半ばになると、アメリカ西海岸のストリートから沸きあがるように、スケートボードブームが勃興します。

スケボーカルチャーの歴史

今日につながるスケータースタイルの基礎を築き上げたのは、カリフォルニア・ヴェニスビーチのサーフィンチームである“ゼファー”から分離して結成されたZ-BOYS。 当時のヴェニスビーチはギャングや麻薬の売人が跋扈する治安の悪い土地だったため、警官がひっきりなしにパトロールしており、“ドッグタウン”と通称されていました。
彼らはそんな街からやってきた不良スケート軍団でしたが、その技巧の高さとスマートなルックスから、全米に名を馳せるようになります。

Z-BOYSのメンバーは、1960年代から進歩がなかったスケートの技に飽き足らず、サーフィンテクニックを取り入れ、左右交互に重心移動を繰り返すことによってウィール(車輪)を加速させるポンピングや、地面に手をついて体を支え、ウィールをスリップさせて180度転回するスライドターンなど、型破りなスケーティングテクニックを開発し披露しました。
坂道が続く大きな駐車場や、不法侵入した空き別荘の水を抜いたすり鉢状プールも、彼らにとってはかっこうのスケートスポット。
公の場から締め出されつつあった遊びとしてのスケートボードを、より一層強い社会への反逆カルチャーとしてストリートに引き戻したのが彼らだったのです。

スケートボード2bild:Gustavo Vegan Xxx, flickr.com, CC BY-SA 2.0

一人一人の個性が強すぎたZ-BOYSは、結成からわずか数年でチームとしては終焉を迎えますが、1980年代に入ると、元Z-BOYSのメンバーがまた違う形でスケートカルチャーをけん引していきます。
トニー・アルバが設立したアルバスケートを筆頭に、ジム・ミューアのドッグタウン・スケートボーズ、ステイシー・ペラルタのパウエル・ペラルタなど、ストリートテイストなスケートブランドの活動が活発になっていったのです。

1981年には、サンフランシスコで初のスケート専門雑誌『THRASHER MAGAZINE』が創刊され、スケートボードブームが本格化。この頃からスケーターは、サーファーと完全に分離して独自のカルチャーを築きはじめたといえるでしょう。
そしてスケートボードカルチャーが、ハードコアパンクやスラッシュメタルなどのラウドロックシーンと合流した1980年代には、パウエル・ペラルタ社のプロスケートボードチームであるボーンズ・ブリゲードが一世を風靡。
数々の新たなスケートヒーローを輩出し、折から増殖していた世界中のスケーターに影響を与えていきます。
街にある段差や壁、ベンチ、階段や手すりなどを使う、その後のストリートスケートの基本スタイルは、彼らによって確立されました。

THRASHER(スラッシャー)

バックワード 40 バックワード 40
フォーティイヤーズ フォーティイヤーズ
MAG LOGO プルオーバーパーカー MAG LOGO プルオーバーパーカー
40 イアーズ リミテッド キャップ 40 イアーズ リミテッド キャップ

リスペクトされる西海岸ブランド

スケートボードカルチャーの誕生物語は、このへんまでにしておきましょう。
その後、スケートボードは幾度となく大きなブームを繰り返し、現在は世界のストリートカルチャーの主流をなすものに成長しています。

その歴史を振り返れば明らかなように、スケートボードはアメリカの西海岸で生まれ、西海岸を中心地としながら世界に広まったカルチャーです。
今日ではこの日本を含め、世界中に数え切れないほどのスケート系ブランドが存在しますが、その歴史に敬意を表するならば、やはりアメリカ西海岸のブランドこそが本物中の本物と言えるのです。

リチャード・ノヴァックという人物がカリフォルニアのサンタクルーズで1973年に創業したNHSは、本場のスケートボードカルチャーを牽引してきた会社です。
会社設立と同時に発足したSanta Cruz(サンタ クルーズ)は、世界最初のスケート専門ブランド。
誰もが一度は目したことがあるであろうブランド名のロゴは、サーフィンとのつながりを感じさせるような爽やかテイストです。
しかし1985年にリリースされた有名な「Screaming Hand」ロゴは、当時のスケートがハードコアパンクやスラッシュメタルなどのラウドロックシーンと密接なつながりを持ちはじめたことを感じさせるもの。
この頃のグラフィックのほぼすべては、ジム・フィリップスというアーティストがデザインしていました。ほかにも数々のスケートボード用グラフィックをデザインした彼は、スケートのサーフィンカルチャーからの分離を決定づけた立役者でもあります。

SANTA CRUZ(サンタクルーズ)

DROP DOWN FLAME DOT DROP DOWN FLAME DOT
COMPLETE FLAME DOT FULL COMPLETE FLAME DOT FULL

同じNHS社から1978年に登場したINDEPENDENT(インディペンデント)も、老舗スケートブランドとしてリスペクトされています。
中世以来ドイツを中心とする欧米の軍隊で、武勲のあった将兵に送られた鉄十字勲章をモチーフとしたクロスのロゴはあまりにも有名。
スケーターだけではなく、ハードコアパンクスやアーティストなどからも熱い指示を受けるブランドです。

INDEPENDENT(インディペンデント)

SPLIT CORSS レギュラー L/S Tシャツ SPLIT CORSS レギュラー L/S Tシャツ
TC SPADE レギュラー L/S Tシャツ TC SPADE レギュラー L/S Tシャツ
GENUINE PRTS SPARE PRT KIT GENUINE PRTS SPARE PRT KIT
ベアリング 1set ベアリング 1set

前半のスケートボードカルチャー誕生物語を読んでいただければ、THRASHER(スラッシャー)やDOGTOWN(ドッグタウン)もまた、スケートボードの歴史をそのまま体現しているような名門ブランドであることがお分かりいただけると思います。
1980年からスタートしたDOGTOWNは、Z-BOYSのメンバーであり、スーサイダルテンデンシーズのフロントマン、マイク・ミューアの実兄でもあるジム・ミューアが創設したブランド。THRASHERは1981年に創刊したTHRASHER MAGAZINEのスピンオフブランドなのです。

DOG TOWN(ドッグ タウン)

クロス ロゴ ロングTシャツ クロス ロゴ ロングTシャツ
クロス スリーブ ロングTシャツ クロス スリーブ ロングTシャツ
クロス ロゴ 半袖シャツ クロス ロゴ 半袖シャツ
SKATE TO LIVE S/S TEE SKATE TO LIVE S/S TEE
スケートボード3bild:দেবর্ষি রায়, flickr.com, CC BY-SA 2.0

さあ、スケボーをはじめよう

激しいトリックをキメるスケーターにとって、非常に重要なファッションアイテムはシューズです。
VANSは、そんなスケートシューズのオリジネイターブランド。
1977年、Z-BOYSのメンバーだったトニー・アルバやステイシー・ペラルタらによってデザインされたエラというモデルがスケーターから圧倒的な支持を受けて以来、スケシューブランドの筆頭として時代の先頭を走り続けています。
1980年代以降はスケーター人口の増殖に伴い、数々のスケートシューズブランドが誕生しました。
1994年にプロスケーター、ダニー・ウェイの兄であるデーモン・ウェイ、コリン・マッケイ、ラリードライバーのケン・ブロックらによって創設されたDCは、その代表格と言ってもいいでしょう。

VANS(ヴァンズ)

トラスクスナップバック トラスクスナップバック
ビルマ 2 ファニー パック ビルマ 2 ファニー パック

DC SHOES(ディーシーシューズ)

MANUAL SLIP-ON S MANUAL SLIP-ON S
DM216021 DM216021
PB BUCKET HAT PB BUCKET HAT
21ボアジップフーデッドジャケット 21ボアジップフーデッドジャケット

1990年代後半から2000年代前半にかけて名を馳せたプロスケーター、キース・ハフナゲルによって設立されたHUF(ハフ)は、もっとも今世紀的なリアルスケーターブランドです。
キースはニューヨーク生まれですが、大学を選ぶ段にスケートボードの聖地である西海岸・サンフランシスコに移り住み、そのままトップスケーターからブランド創設へと進んでいきます。
彼がスケートボード漬けになったのは、坂の多いサンフランシスコの地形もひとつの要因。エキサイティングなライディングを生むのに絶好の環境がある西海岸は、やはりスケートボードの聖地なのです。

HUF(ハフ)

エッセンシャル TT ロングスリーブTシャツ エッセンシャル TT ロングスリーブTシャツ
ドメスティック長袖Tシャツ ドメスティック長袖Tシャツ
エッセンシャルズ ドメスティック クルー エッセンシャルズ ドメスティック クルー
ESS UNSTRUCTURED BOX LOGO ESS UNSTRUCTURED BOX LOGO

さて。 今回のスケートブランドについてのお話を読んで、自分もスケートボードをやってみたいと思った方におすすめなのが、Z-CRAFTオリジナルのスケートボードコンプリートセットです。
スケートボードに最適の木と言われているカナディアンメープルの7層デッキ、柔らかめのウィールによく回るABEC7のベアリングなど、初心者〜中級者に最適なパーツが完全にセットされている上、驚愕の低コスト。
シンプルで風合いのあるデッキは7色がラインナップされ、サイズも体格に合わせて3種類から選べます。

冒頭でなんやかんや言いましたが、ストリートの枠を大きく飛び越え、スケートボードに耳目が集まった今年は、もしかしたら後年 “ネオ・スケート元年”として記憶されるかもしれません。
だから今年こそ、このスケートボードで新たな第一歩を踏み出してみませんか?

OLD SKOOL 3 BACKPACK 7レイヤーズ メープルウッド コンプリートデッキ
スケートボード4bild:ThisParticularGreg, flickr.com, CC BY-SA 2.0

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