

2021.12.17
今シーズンはディーゼルがアツい!
おすすめコーディネート4選
メンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?
インパクト強めのオールインワン
今シーズンはDIESELのアイテムがとてもアツいようですので、いくつかピックアップしてコーディネート提案をしてみたいと思います!
まずは、数あるディーゼルのアイテムの中でも“クセが強い”部類に入るであろう、オールインワンを中心としたコーディネートです。
究極のワークアイテムとも言えるオールインワンは、着こなすのが難しいことは間違いありません。
でも、機能美を追求したディテールと現代風にアップデートされたシルエットを併せ持つこのDIESELオールインワンならチャレンジしやすいのではないでしょうか。
特筆すべきは、裾にいくほど細くなるテーパードシルエットが採用されている点です。
オールインワンだけではなくワークアイテム全般に言えることですが、裾までワイドなパンツが多く、下手をするとどうにも締まらない印象になりがちです。
でも、裾が細くなっているこのオールインワンなら、スマートに着こなせそう。
一方で、本来のワークウェアの雰囲気である、全体にダボッとしたシルエットが好みの人もいるでしょう。
このオールインワンはそんな人の好みにも対応できるよう、裾のジッパーを引き上げるとパンツのシルエットが変化するようにできています。
ワーク味が強くなりすぎるのを避けるため、インナーにはスウェットパーカーを合わせるのがおすすめ。これにより、カジュアル感がグッと増します。
片方のショルダーストラップを外して胸のジッパーを引き下げると、中に着たパーカーを露出させて着ることもできます。
ここにもポイントがほしいので、DIESELのロゴが大きく配されたスウェットパーカーをチョイスしました。
オールインワンもパーカーも薄めの色で統一したので、アウターにはちょっと濃い色のものを合わせるとバランスが良くなります。
無骨なワーク感を醸し出すFILSONのジャケットはいかがでしょうか。色は濃いフォレストグリーンです。
FILSONはオーセンティックな印象なので、どこか近未来的なDIESELのオールインワンと敢えて合わせると、唯一無二のユニークなコーディネートになると思います。
仕上げはCLARKSワラビー。
このシューズもコーディネートのポイントなので、私なら目立つように、やはりオールインワンの裾は絞って履くようにします。
でも、そのあたりはご自身の好みに応じてどうぞ。
ワークコーデの限界にチャレンジ!
前項でご紹介したオールインワンと同じワークウェアシリーズから、オールインワンと同シルエットで、腰からカットしたような形のパンツもリリースされています。
これならオールインワンよりもコーディネートしやすいと思いますが、まずは敢えてイバラの道を選択します。
やはり同シリーズからリリースされているワークジャケットを合わせ、上下で“がっつりワーク”なセットアップコーディネートにするのです!
おしゃれ上級者の間に、“セットアップ信仰”というものがあるのをご存知でしょうか?
彼らは、上下統一デザインで仕立てられているアイテムを見つけると、たとえパンツとトップスが別売りでも必ずセットで購入し、組み合わせて着ることを至上の喜びとしています。
数あるコーディネート法の中で、“セットアップが一番おしゃれ”という強い信念を持っているからです。
私はそこまで強くセットアップ信仰を持っているわけではありませんが、上下同素材・統一デザインの服を見ると、気持ちがゾワゾワしてきます。
このDIESELワークアイテムシリーズを見たら、そのゾワゾワ感がいつもに増して強く襲ってきました。
しかし一般的な服と一線を画し、強力な個性を放つDIESELワークシリーズの上下セットアップを攻略するのは、ちょっと難しいかもしれません。
何も考えずにただ組み合わせただけでは、本当に電気の配線工事をしに来た人に見えてしまうでしょう。
そこで、他のアイテムで“本気感”を中和させるようにしたいです。
こんなときのインナーは、やはりスウェットパーカーがもっとも優秀。
セットアップが明るいライトグレーなので、スウェットは対向色のブラックをチョイスします。
シューズは、どことなくワークテイストがありながら、柔らかくあたたかな雰囲気のUGGアウトドアシューズをチョイス。
そしてDIESELのロゴキャップをかぶります。
いかがでしょうか?
全体にツートーンカラーで構成しているので、シャープな印象のコーディネートになったのではないかと思います。
それでもやや難易度の高いセットアップコーデではありますが、「我こそは」と思う方は是非お試しあれ。
適度なワークミックススタイル
セットアップはちょっと……と躊躇するまともな(?)人におすすめしたいのは、前項のコーディネートからパンツを外し、代わりにスウェットパンツを合わせたコーディネートです。
これならワークの雰囲気はかなり薄れ、着こなしやすい“ワークミックスコーディネート”となるのではないでしょうか。
セットアップコーディネートと同様、全体にツートーンカラー基調にまとめたいので、スウェットパンツは黒を選びます。
セットアップコーディネートよりもブラックの領域が広がり、より引き締まって見えると思います。
パンツの変更に合わせてシューズもチェンジ。
UGGの編み上げブーツが、このコーディネートには最適ではないでしょうか。
ジャケットには「DIESEL ENGINES OPERATORS MANUAL」というロゴが施されています。
と言っても外からは見えない裏地に配されたロゴですので、着用した本人にだけわかるユーモアのようなものだと思います。
ボルトを組み合わせたようなマークも含め、架空の設定を楽しんでいるようなロゴマークですが、DIESELというブランドの歴史を知る人はニヤリとしてしまうかもしれません。
DIESELというブランド名は、まさしくディーゼルエンジンに由来しているからです。
1978年にレンツォ・ロッソ氏が創業したイタリアンブランドDIESELは、力強いエネルギーを生み出すディーゼルエンジンのように、爆発的な勢いで世界を牽引したいという想いからこの名を選んだといいます。
その名のとおり力強い勢いで世界に浸透し、現在は80カ国以上に5000ヶ所の販売拠点、約270もの直営ストアを運営するワールドワイドなアパレルブランドになったDIESEL。
そしてDIESELが設立当初から、ブランドコンセプトして掲げるのは、「Brave=勇敢」というキーワードです。
創業者のレンツォ・ロッソが代表を務め、今では数多くのブランドを傘下に収めるディーゼルの親会社は、その名も“オンリー・ザ・ブレイブ社”といいます。
そのブランドコンセプトに違わずいつも攻めの姿勢で、こちらが驚くようなアイテムを提案してくるのがDIESELの真骨頂。
ご紹介した3点のワークウェアシリーズはいずれも、そうしたアグレッシブな姿勢を表現したアイテムに思えます。
スウェットコーデ×2
最後に提案したいのが、DIESELのクルーネックスウェットを中心とするコーディネートです。
ひとつ目がこちら。
落ち着いた佇まいを持ち、リラックス感のあるシンプルなスウェットは、日常使いで着倒したいアイテムです。
ボトムもスタイリッシュながらリラックスして履けるGRAMICCIのイージーパンツをチョイスしました。
そしてそのままちょっとそこまで外出する際には、In’crewsiveの電熱ベストを羽織り、UGGのフラッフイットを履いてみてはどうでしょうか。
というわけで実はこれ、フリーランスの編集者兼ライターとして毎日家で仕事をしている、私の理想をリアルに投影したコーディネートなのです。
自宅で仕事をしているとついダラけた服装になりがちですが、私は家の中でもある程度のおしゃれをするようにしています。
その方が仕事に身が入るからなのですが、同時にリラックス感も欲しいというのが本音。
そんな私の気持ちを表したコーディネートでした。
そして、もうひとつのクルーネックスウェットコーディネートがこちらです。
スウェットは明るい色使いのロゴものをチョイス。ボトムスにはソフトでルーズシルエットなアウトドアもののイージーパンツを合わせます。
アウターにはIn’crewsive ショート丈スタンドカラーブルゾン。そしてオーセンティックなONITSUKA TIGERのスニーカーでまとめ上げるスタイルです。
全体的に、自分の本来のサイズよりも1〜2サイズ上のものを選び、オーバーサイズ気味にダボっと着るといい雰囲気になりそうです。
トップスを中心に明るめの色にしたのは、真冬はダークカラーの服を選びがちで、沈んだコーディネートになる傾向が強いからです。
なかなか開けないコロナ禍の冬ですが、着るもので気持ちを明るく盛り上げていきたいですよね。