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カウンターカルチャーの申し子、アウトドアブランド・グレゴリーの定番バックパックはここがスゴイ!

2021.3.23

カウンターカルチャーの申し子、アウトドアブランド・グレゴリーの定番バックパックはここがスゴイ!

<店長>
まだ春物を何も買っていない模様。ドンピシャにくるアイテム探し中。

<佐藤さん>
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。

1970年代アメリカ・カリフォルニア生まれのグレゴリー。そのカルチャー的背景は?

前に佐藤さんは、パタゴニアやザ・ノース・フェイスといったカリフォルニア生まれのブランドの多くは、カウンターカルチャーの流れの中で誕生したと言ってましたよね?

1960〜70年代にアメリカ西海岸で生まれたほとんどのアウトドアブランドはそうです。自然を愛するヒッピーたちの生き方に共鳴し、それを支援するために生まれたブランドで、時代は流れてもそのアイデンティティはずっと保っていると思います。

もっと歴史の長いブランドはハンティングや釣り、登山、スキーなどの野外活動用として生まれたものですよね。

そうですね。同じアメリカのブランドでも、L.L.ビーンやコロンビア、エディ・バウアーなどの老舗は思想的背景があるわけではない、純然たるアウトドアブランドです。

今回取り上げたいのはグレゴリーなんですけど、1970年代にカリフォルニアで創業したこのブランドもまた、カウンターカルチャー系と見ていいのでしょうか。

まさに。創業者のウェイン・グレゴリーは1948年生まれで、ヒッピーカルチャーの真っただ中で青春時代を過ごした世代です。

生まれもカリフォルニアだったんですか?

いえ、アメリカ北東部のコネティカット州ハートフォード生まれです。でも6歳の頃に一家でカリフォルニア州サンディエゴに転居したそうです。カリフォルニアはヒッピーの本拠地ですから、強い影響を受けたんだと思います。

14歳のときにはボーイスカウトプロジェクトの一環で、初めてバックパックの木製フレームパックを自作したとか。器用な人だったんですね。そして1970年代には彼もベトナム戦争と向き合わなければならなかったようです。

1970年、22歳のときに妻スージーとともに、資本金500ドルでバックパック専門メーカーのサンバード社を設立します。細々と経営をしていきますが、1972年には米陸軍に徴兵され、サンバードを解散しなければならなくなりました。でも1973年にはフリーのデザイナーとして復帰し、数々のアウトドアメーカーのために、バックパックだけではなく寝袋やテント、テクニカルウェアなどのデザインも手がけたそうです。

その経験がのちに生きるわけですね。

そうですね。ただ、フリーデザイナーの経験を通してウェインは「やっぱり自分が本当に作りたいのはバックパックだ」と気づいたそうです。心の中に芽生えた情熱を改めて確認し、1977年には妻とともに再びバックパック専門の会社を起こしました。カリフォルニアのサンディエゴで創業したその会社こそが、「グレゴリー・マウンテン・プロダクツ」社です。

なるほど。だからグレゴリーといえばバックパックなんですね。よく理解できました。1977年といえば、どんな時代だったんでしょうか?

リベラルな雰囲気で、明るくスポーティーなアメリカ西海岸のライフスタイルが、日本をはじめ世界中から注目されていた頃ですね。ヘビーデューティの流行も本格化していました。1970年代に入りベトナム戦争から復員した若者が、本国で盛り上がっていたヒッピー文化に触れ、バックパック一つを背負って海外を放浪しました。彼らのスタイルが世界的なヘビーデューティの流行を生んだと言われています。

実力派デザイナーがつくったカリフォルニア生まれの本格バックパックメーカーということで、グレゴリーは発足当初から注目されたと聞きましたが、当時の空気感が詰まったようなブランドだったんですね。

グレゴリーの定番バックパックにはどんな種類があるのか?

ところで佐藤さんは、普段どんなカバンを使っていますか?

僕はフリーランスのエディター兼ライターで、専門分野もファッションやカルチャーですから、普段ほとんど固い格好はしません。カバンも当然、常にカジュアルなものを使っていて、一番多いのはバックパックですね。

楽ですもんね。

楽だし機能的だし、おしゃれだし。断然バックパック派です。

買う際には、どんなことを気にして選んでいますか?

軽くて背負いやすく、フィット感がいいのを選ぶのは基本ですが、デザイン的な面で言うと、なるべくオーソドックスで定番的なものを買う傾向にあります。

なるほど、それはまたどうして?

バックパックのような身につけるタイプのカバンは、服の延長のようなもの。コーディネート全体を考えると、あまり目立つデザイン性の高いものや、おしゃれすぎるものは使いにくいと思うんですよ。

それは確かに。その点、定番だとどんな服装にも合わせやすいですもんね。

そうなんです。特に僕のような仕事をしていたら、服もカバンもオン・オフの切り替えはあまり考えません。仕事の打ち合わせに行くときも、週末、家族と遊びに行くときも同じような服装で、同じカバンを持ちます。そう考えると、定番第一主義になるんですよ。

グレゴリーのバッグパック、特に「デイパック」なんかは、まさに定番中の定番です。

デイパック

これは最高ですよ。グレゴリーのアイテムは“バッグパック界のロールスロイス”と呼ばれるほど評価が高いのですが、中でもこの「デイパック」は産業遺産といいますか、本当に語り継がれるべき逸品だと思います。

「デイパック」は日帰り登山対応で、1日分の荷物を入れるのにちょうどいい小ぶりなサイズのバックパックとして、1982年に初登場したそうです。物を出し入れしやすいように設計された外側ポケットの斜めファスナーがデザイン上の最大のポイントですね。

上端と底に付けられたストラップは確か、トレッキングポールを固定するためのものですよね。そう考えるとまさしく登山用。そういう機能って、タウンユースでは必要ないんですけど、機能から考えられたデザインは美しくて、“使わなくても満足”な気分にさせてくれます。

「デイパック」の基本デザインはそのままに、サイズダウンした「ファイン デイ」はいかがですか?

ファイン デイ

「デイパック」は、たくさんの荷物を持たなければならない登山における“一日”用ですから、実はタウンユースには少し大きいと感じる人が多いんですよね。だって、街ではそんなにたくさん荷物は持ち歩かないですもん。この「ファイン デイ」はA4のファイルがちょうど入る大きさで、PCやタブレットを入れて歩くのにも最適なサイズ。特に女性や小柄な男性にはぴったりだと思います。僕も体はそんなに大きくないし、あまり大荷物も持ち歩かないので、こっちの方がいいかもしれません。

もう一つ、グレゴリーを代表するバックパックとして定評があるのが、この「オール デイV2.1」です。「デイパック」は26L、「ファイン デイ」が16Lの容量なのに対し、「オール デイV2.1」は24Lです。実はこの「オール デイV2.1」、1.5日分の収納力(33L)を備える「デイ&ハーフ」というバッグパックの小型版なんですよ。

オール デイ V 2.1

これも人気ありますよね。フロントに4本のストラップを備えたデザインが無骨でかっこよくて。実は僕的には「デイパック」よりこちらの方が好みです。サイドベルトの調整で、荷物の量に合わせてフォルムを変更できるんですよね。タウンユースでいちいちそんなことするかっていうと、多分しないんですけど(笑)。でもその機能美に、なんとも惹かれちゃうんです。

よく言えましたね。私はまだ一度も正確に言えたことがありません(笑)。これはランニングやトレーニング向けに開発されたスポーツシューズです。佐藤さん、ランニングやトレーニングを?

グレゴリーのバックパックがタウンユース用として人を惹きつける理由とは?

“定番”とは呼べないかもしれませんが、この「イージーピージーデイ バックパック」も人気がありますよ。

イージーピージーデイ バックパック

ああ、これは確かに便利そうだ。一番の特徴は、手提げ用のハンドルですよね。ああ、なるほどなるほど。これはいい。

(笑)どうしたんですか、一人で納得して。

(笑)いや、すみません。よく考えられてるなーと思って。バックパック派が「めんどくせえ」と思う瞬間は、混雑した電車に乗るときや、狭いお店に入ったとき。背負ったままだと周囲の迷惑になるから、おろして手にさげないといけないですよね。そのときショルダーベルトや、上部の小さな輪っか状のストラップを手に引っかけてさげますが、持ちにくいし安定感が良くないです。まあ、基本的に背負うものですから仕方ないですけど。でもこのハンドルがついていれば……。ああ、これはいい。

本当にそのとおりです。今回お話ししてきた「デイパック」「ファイン デイ」「オール デイV2.1」は基本、登山用に開発されたバッグパックをタウンユースに転用したものですが、「イージーピージーデイ バックパック」は最初からタウンユース用に設計されているんですよね。仕事で使う際に書類やPCが安定しやすいよう、全体的なフォルムも長方形ですし。財布や定期入れ、手帳などを出し入れしやすい2つの外ポケットとか、ペットボトルをさっと入れられるサイドポケットとか、よりデイリーユース寄りにつくられているのが分かりますね。

そういいながらもストラップには頑丈なナイロンが使われているし、ショルダーベルトや腰ベルトなどは登山用のものと同じだし、街用だからといってグレゴリーの良さを薄めないよう、手を抜かずにつくられているところにすごく好感が持てますね。

そうそう、このジッパープルも見てください。グレゴリーのアイコンでもある大きなレザーがついていますが、これなんてもともと、雪山で分厚い手袋をしていても開け閉めしやすいようにという目的のためのものです。タウンユースではまったく無用の長物ですけど、こういうディテールを省かないところもグレゴリーらしさですよね。

確かに。そういうところに惚れます(笑)。

そんな素敵なグレゴリーの商品、Z-CRAFTにはバッグパックからショルダーバッグ、それにボディバッグやミニショルダー、財布のような小物まで多数取り揃えていますので、ぜひじっくり見て吟味してください。

そうそう。僕もグレゴリーのボディバッグが欲しいと思っていたところなんです。

ええー、話は尽きませんが収拾もつきそうにないので(笑)、今日はこのへんで。ありがとうございました。

(笑)ありがとうございました。

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