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2020.12.2

QUARTZ Co.

メンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド〜メンズファッションは温故知新」が発売
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

スキーウェアから事業スタート

このブランドの創業者は、カナダ人のイヴ・トルドーという人物です。
縫製会社を営む両親のもとに生まれたトルドーは1976年、Hivernaというスキーウェアブランドを立ち上げます。
そして1997年にHivernaの事業を売却して改めて立ち上げたのが、QUARTZ NATURE(クオーツ ネイチャー)というアウトドアウェアブランドでした。

トルドーが1970?90年代を通し、スキーウェアの製造販売で培った技術と思想は確かなものでした。
QUARTZ NATUREのハイレベルな羽毛素材が生み出す暖かさは格別だったので、極寒地の調査団や著名な探検隊、航空会社、カナダ警察などに採用されていきます。
実用性と品質の高さが、厳しい目を持つプロからも高く評価されたのです。

quartzco._1.jpgbild:NASA ICE, flickr.com, CC BY 2.0

でも今この文章を読んで、「そんなにいいブランドなのに、なぜ今まで知らなかったのか」と驚いている人もいるかもしれません。
確かにQUARTZ Co.は、日本ではまだそこまで知名度があるとは言えません。
創業以来、知る人ぞ知る玄人好みのブランドであった期間が長かったからです。

ブランドに大きな展開があったのは2015 年のことです。
ジャン・フィリップとフランソワ・ザビエルのロバート兄弟が、トルドーからQUARTZ NATUREを買収。新世代のデザインチームと経営陣を迎え、企業イメージとブランドをモダンにアップデートします。
社名及びブランド名も、QUARTZ NATURE から現在のQUARTZ Co.へと変更。
コレクションはリニューアルされ、新しいブランド戦略によってファッション性が高められます。
1997年にQUARTZ NATUREが初めてデザインした名作のアーカイブも蘇らせるとともに、次々と新しいラインを発表。
これを契機に、QUARTZ Co.のメディア露出が増えていくのです。

QUARTZ Co.のダウンウェアは機能性抜群ですが、ただ暖かいだけではなく、軽くて動きやすく、デザインもスタイリッシュです。
プロから認められる本格ダウンでありながら、シンプルでスマートなシルエットと上品なカラーはシティユースにもぴったりで、近年、注目度が爆上がりしているというわけなのです。

実証済みの高品質ダウンを使用

QUARTZ Co.のウェアはすべて、地元・カナダのケベック州モントリオールで採れた高品質なホワイトダックダウンが使用されています。

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ダウンの品質は"フィルパワー"という単位で表されます。
1オンス(28.4g)の羽毛をシリンダーに入れて一定荷重をかけたあとのふくらみ度合いを、立法インチで示した単位がフィルパワー。
この数値が高いほど、たくさんの空気を留めることができるフカフカの羽毛です。
羽毛に含まれる空気は断熱効果を発揮するので、フィルパワーが高ければ高いほど、保温性に優れた良質なダウンということになります。
またフィルパワーが高いと少ない量の羽毛で大きなかさ高を得られるため、軽いウェアを作ることができます。

一般的に、600フィルパワー以上が暖かい良質ダウンとされていますが、QUARTZ Co.のウェアに使われる羽毛は、すべてが650フィルパワー以上。
客観的数値による基準で、その品質の良さが証明されているのです。

そんなQUARTZ Co.は2018 年になると、ストリートファッションにヒントを得て、どのようなワードローブにも合うニューデザインのウェアを発表していくようになります。
イタリア・フィレンツェのピッティウォモをはじめ、有名なファッション国際見本市に参加し、世界に販売網をどんどん広げていきます。
そして2019 年には、ケベック州内の2工場を買収。合計で3つの工場を保有したことにより、高品質な製品の継続的な生産が可能になります。

現在の主な販売先は本国カナダをはじめ、フランス、ドイツ、日本、韓国、アメリカ、ロシア、香港、ノルウェー、スイス、イタリア、デンマーク、ギリシャ、スペインなど20ヵ国。
取扱店舗は世界で300店を超えています。
確かな品質とデザイン性に裏打ちされたブランドの価値は、いまだ右肩上がりで上昇中。
"知る人ぞ知る玄人好みのブランド"から"誰もが憧れる一流ダウンウェアブランド"へと昇華したQUARTZ Co.のウェアは、なる早でゲットするに限るのではないでしょうか。

マイナス30度でも平気なダウン

前段で、一般的に"フィルパワー550以上"のダウンが高品質とされること、そしてQUARTZ Co.のウェアに使われるダウンはすべてが650フィルパワー以上であることをお伝えしました。
それを念頭に、今回ご紹介しているダウンジャケットLUTSEのフィルパワーを聞くと驚くかもしれません。
なんと、750もあるのです。
高品質揃いのQUARTZ Co.のラインナップの中でも際立つほどの、フッカフカな最高級ダウンを使用しているということになります。

"フィルパワー750"といっても、なかなかその素晴らしさは伝わらないかもしれません。
より具体的に言えば、このLUTSEダウンジャケットはマイナス30度の酷寒地でも、暖かさをキープしてくれるのだそうです。
マイナス30度というのは、鼻の穴の中も吐く息も、濡れた髪の毛も一瞬で凍るような温度。
ほとんどの人が生涯のうちに体験することはないような寒さです。
それに耐えられるというのですから、さすが、北極圏を有するカナダのブランドならではの性能というべきでしょう。

とは言え、LUTSEのデザインは南極探検隊が着る服のような実用一点張りの無骨なものではありません。クラシカルな雰囲気も漂う、セミスリムフィットのスタイリッシュなシルエット。
フードを飾る取り外し可能なコヨーテ毛皮もアクセントになっています。
ジッパーは便利な2WAY仕様。フロントポケットはスナップボタンを配したフリースライナー仕立てになっているので、うっかり手袋を忘れた日でも、ポケットに入れれば手先は暖か。
撥水加工が施されているので多少の悪天候でも使え、洗濯機洗いが可能なので普段使いとしてもガンガン着られます。

お尻まですっぽり隠れる長めの着丈は暖かさをキープするとともに、ユニセックスな雰囲気を醸し出してくれるので、老若男女を問わずおしゃれに着ることができるでしょう。。

QUARTZ Co.は、ダウンジャケット界のネクストカミングとして、ブレイク筆頭株。
一生モノにできる品質とデザインですので、この機会に是非いかがでしょうか。

quartzco._3.jpgbild:Camera Eye Photography, flickr.com, CC BY 2.0

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