ぬれ煎餅の銚子電鉄Yahoo!ショップ

銚子電鉄で働く者

「銚子電鉄で働く者たち」

File.1 奥 英昭
今年で入社19年目の奥。
子どもの頃から大の鉄道好き。幼少の頃、父の仕事場近くに当時あった東京の交通博物館。ひたすら通い続けるうち、気付けばごく自然な流れで、鉄道の運転士になることが少年の夢となっていました。視点が変わった今も鉄道好きは変わりません。「定年になってもその後も、鉄道は永遠の趣味」と豪語する奥。銚子電鉄の中では、企画運営の仕事を中心に、運転士から整備まで「なんでもやる」。そんな奥の日常を、銚電への想いを、ご紹介します。(取材:2015年8月)
銚子電鉄で働く者
昔から目が悪かった奥。運転士はあきらめ別の鉄道関係の仕事に、と考えていた学生時代でしたが、視力の規制緩和で運転士になるチャンスが生まれました。「可能性がある限りはあきらめられない」我孫子が地元だった奥は、当時採用の募集を行っていなかった銚子電鉄に飛び込み、入社となったのです。「学生の頃から目標はこれしかなかった」と言う奥、その嬉しさを昨日の事のように語ります。

1996年に入社した奥、当時の銚子電鉄は今よりもたくさんの人で賑わっていたそう。3両編成で1時間に3本程の運行でした。
「当時は学生さんがたくさん利用してくれていましたね。1両目が女子学生、2両目が男子学生、といった具合になんとなく決まりみたいなものがあって。女性専用車両の先駆け、ってことは全くないんだけど、いつも同じ学生さんが乗車するので大体の顔や名前は覚えてましたよ。定期券の期限などもね。たまに定期券を忘れてきた学生さんがいてもね、『明日持ってきてよ』って。顔パスでしたね(笑)」

そんな懐かしい時代も、経営は厳しいものでした。会社の存続をかけてスタートした「ぬれ煎餅」の製造。その当時の激務を奥はこう振り返ります。「とにかく全従業員が必死でした。『なんとしてでも銚電を残そう』と。列車の運転の予定があっても、その前後は大抵煎餅を焼いていましたよ。残すためならなんだってやる、っていう意識ですね。でもその「なんでもやる」が好きなんですよね。大手の鉄道会社に就職していたら経験できないことですしね。みんながそう思っているから不思議な一体感があって、良い思い出ですよ」
銚子電鉄で働く者
「ぬれ煎餅」を多くのお客様に知れ渡り、その売上でなんとか廃線を免れた銚子電鉄。ですが、鉄道の運行自体は厳しい状況が続きます。煎餅工場の従業員は増えましたが、鉄道職員は前年の半分に。そんな銚子電鉄の今後を、奥はこう語る。
「やはり『なんでもやる』精神を後輩に伝えていかなければいけませんね。それは今の銚子電鉄にも必要なこと。実際お客様とのコミュニケーションの中で様々なものが生まれています。その生まれたものを、みんなで全力でカタチにする。その中で必要なことはなんだってやらなければいけないんです」

「銚電のような地域鉄道の意義はやはり地域貢献です。今まで何度も危機を救っていただいてる恩返しとも言えますが、この銚子の街に貢献していかなければと考えています」そんな奥はいま、運転士としての業務は少なくなったものの、イベントの企画立案や運営で地域貢献を考える日々を送っている。常に数ヶ月先の企画を考え、諸官庁などと連携するなどの準備をし、実行する。そんな業務を行う上で常に意識するのが、「地域との連携・地域住民の方との連携」なのだそう。
「実際に地域の学生さんと企画会議をやったこともあるんですよ。若い人はやはり柔軟な頭を持ってますから。そのアイデアがカタチになって実行された企画もあります。銚電だからできる、地域の人と一緒にやるからできる、そんな企画を実行する銚電であり続けたいですよね」
銚子電鉄で働く者
2014年に起きた銚子電鉄の脱線事故。この事故で走ることができなくなった車両。そんな車両を救ってくれたのも、地元の学生たちでした。クラウドファウンディングという現代ならではの方法で募金を募り、見事に車両を復活させてくれたのです。その車両復活の日、乗車していた奥は感謝の意をこめて次のような車内アナウンスを行いました。
本日は、ご乗車いただき誠にありがとうございます。

1年と3ヶ月、448日ぶりの本線復帰に心より嬉しく思い感謝の気持ちで 一杯です。
事故当日の平成26年1月11日(土)を思い出すと上り線路が下り線路の 方まで押され「これはもうだめだ!廃線だ」これから自分はどうしたらよいのか!と考える毎日でした。数日後、お客様 から「電車が走っていないと寂しいね。毎日当たり前のように走っていたけど。 銚子電鉄がないとこまる。今までありがとうね。私たちも運転再開まで駅の 掃除をして待っているからね」の暖かいお言葉をいただいたのを覚えております。

地域鉄道の最大の使命は、地域貢献です。
皆様から銚子電鉄がこの街にあってよかった!銚電ありがとう言われる会社に致します。
今後ともお力添えのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。本日は、ご乗車いただき誠にありがとうございます。


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