2023.12.20
Joshin 試用レポート
キヤノンのおすすめプリンターはコレ!3機種を使って「何が違うの?」をチェックしてみた
キヤノン インクジェットプリンター複合機 PIXUS XK120・TS8730 / G6030
数多くのプリンターを展開しているキヤノンから、低コストで高画質印刷ができる『PIXUS XK120』、写真印刷が得意な『PIXUS TS8730』、特大容量のインクタンクでたっぷり印刷できる『G6030』をピックアップ。
それぞれの印刷コストや仕上がりの色味、機能面にどのような違いがあるのか注目してみました。
自分に合ったプリンターがイマイチ分からない方、必見です! ライター:もあ
自分に合ったキヤノンのプリンターはどれ?
各モデルの特徴
キヤノンのインクジェットプリンターは、ニーズに合った豊富なラインアップから選ぶことができます。
それぞれ特徴がしっかりとあり、写真または文書どちらの印刷が多いか、どのくらいのペースで印刷したいかを考えると、自分にピッタリのプリンターが見つかります。
『PIXUS XK120』は、写真も文書も頻繁にプリントしたい方におすすめ
写真・文書共に印刷画質は申し分なく、タッチパネルでプリント、スマホ連携、年賀状作りなど多数の機能を直感的に操作できます。
3機種の中では最も高価ですがインクコストが低く、印刷する量が多いほどコスパが良くなるタイプなので、家族みんなで使いたいご家庭にピッタリです。
『PIXUS TS8730』は、写真プリントの色味にこだわりがある方におすすめ
他2機種にはない「グレーインク」を搭載することで、写真プリントの際、繊細で滑らかなグラデーションを表現できます。
見たままの風景を写したような、キヤノンらしい自然な色味がお好きな方はこちら1択。
顔料ブラックインクで文書もくっきり見やすく、印刷スピードも速いなど、総合的にクオリティが高い大人気モデルです。
『G6030』は、文書などを低コストで大量印刷したい方におすすめ
3機種の中で唯一、インクをカートリッジではなくボトルで補充するタイプで、1回の補充で大量に印刷できるのが特徴です。
写真の高画質印刷には向きませんが、インクコストが圧倒的に低いため、在宅ワークや自宅学習で書類をたくさん印刷するのに最適です。
「PIXUS XK120」と「PIXUS TS8730」の外観はほとんど同じです。
大きめ(4.3型)のタッチパネル液晶を搭載し、スマホのように直感的に操作ができて、SDカード内などの画像もタッチパネルで写しながらどの写真をプリントするか選べます。
「G6030」は他2機種よりひと回り大きく、デザインもどこかビジネスモデル風。
液晶画面はありますがタッチパネルではなく、正面に並ぶ物理ボタンを押して操作します。
インクタンクと用紙カセットには窓があり、残量がひとめで分かるようになっています。
用紙カセットには「PIXUS XK120」と「PIXUS TS8730」はA4普通紙を最大100枚。
「G6030」には倍以上の250枚をセット可能です。
ちなみに3機種とも、多くのプリンターが1枚ずつ手差ししていく背面トレイにもA4普通紙を100枚ずつセットでき、連続印刷がとてもスムーズです。
染料インクと顔料インクの違い
印刷の仕上がりの色を左右するのが、搭載しているインクの種類と数です。
インクジェットプリンターには「染料インク」と「顔料インク」があり、主な特徴は次の通り。
染料インク
インクが用紙の内部に染み込むことで着色するインク。
発色が良く色鮮やかに仕上がり、用紙のもつ光沢感を十分に活かせるのが特徴。
写真の印刷におすすめです。
デメリットは顔料インクと比べるとにじみやすく色の濃度が浅いこと。
顔料インク
インクの粒子が用紙の表面にとどまることで着色するインク。
インクがにじみにくく、文字をくっきり鮮明に写せるのが特徴。
資料など文章の印刷におすすめです。
デメリットはこすれ・はがれに弱いこと。
今回の3機種はすべて、文字をくっきりと印刷する「顔料ブラックインク」と写真をキレイに印刷する「染料インク」の組み合わせ。
これをベースに「PIXUS XK120」は染料ブラックを追加、さらに「PIXUS TS8730」は染料ブラックとグレーインクを追加することで、写真プリントをより高画質にします。
染料ブラックを使うとメリハリがついたインパクトのある写真になり、グレーインクは他の基本色(シアン・イエロー・マゼンタ)の色の幅をグッと広げ、自然な色味を表現します。
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キヤノンの純正顔料ブラックインクは「にじみにくい」とよく聞きます。
実際に「PIXUS TS8730」と「G6030」で資料を普通紙で印刷し、出来上がってすぐの状態に蛍光ペンで強めにラインを引いてみましたが、画像にある「臓」のように画数の多い字も潰れずくっきりと残りました。比較的にじみやすいと言われるカラー染料の部分も同じくマーカーしたところ、こちらは気持ちにじんで・・・、ん?いない。
正直なところ、顔料と染料を比較してやはり顔料の方がにじまない!を実感したかったのですが、まさかのどちらもにじまないという結果になりました。
思っていたのと違うけど、にじまない方が絶対良いのでヨシ!
水が掛かるとやはり染料はにじみやすいですが、印刷後すぐにマーカーを引く分には全く問題なさそうです。
色味と印刷速度をチェック
写真をA4プリント
実際に写真プリントを行い、どれだけ色味が違うのか見てみました。
印刷用紙は全て、キヤノンの純正光沢紙を使用しています。
上で染料ブラックやグレーインクを追加した場合の写真プリントの仕上がりについて軽く触れましたが、オムライスの写真ではそれがハッキリと分かりやすく現れました。
基本の3カラーのみの「G6030」は全体的に白っぽく淡い色、染料ブラックが追加された「PIXUS XK120」は一気にコントラストが高くなりパキッとした色合いに。
そしてグレーインクを追加した「PIXUS TS8730」は、染料ブラックだけでは食べ物にしては濃く出すぎてしまった色を、柔らかみのある美味しそうな色に表現しました。
イルミネーションはオムライスほど色の違いは出ませんでしたが、「G6030」のみ暗い部分がグレーっぽくなっていて、やはり全体的に淡い印象。
夜景などコントラストが高い方がキレイに見える写真では、染料ブラックインクは重要だと感じます。
写真をL判プリント
L判も印刷してみました。
ここでも「PIXUS XK120」はコントラストが高くインパクトのある色、「PIXUS TS8730」は肉眼で見た風景に気持ち明るさを足したような自然な色合い、「G6030」は全体に薄くベールが乗ったような淡い色、という印象は変わりません。
「PIXUS XK120」は明暗がハッキリしていて、夜景など暗いシーンの写真や物撮りしたものを印刷するのに向いていそうな色味。
「G6030」はインクの数が多い他2機種と並べると、どうしても印象が弱くなってしまいますが、印刷コストが圧倒的に低いならこの色で充分!と感じる方は結構多いのではと思います。
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「PIXUS TS8730」は、Joshin web恒例の「プリンター主要メーカー徹底比較特集」にてエプソン、ブラザーのプリンターと「どの色が好みか」でバトルをし、見事スタッフ人気1位を獲得しています!
全体的に明るく表現されるシーンが多い印象ですが不自然にはならず、透き通るような肌の色と、柔らかい雰囲気になる食べ物の色は特に好評でした。
「PIXUS TS8730」が気になった方は、ぜひ特集ページをチェックしてみてください。
【2023年度 プリンター比較特集】はこちら
カラーコピー
資料のカラーコピーでは、右上の青色の部分など色味に少しずつ違いはありますが、黒文字は3機種どれも引き締まった色で読みやすいです。
光沢紙では色が淡くなってしまっていた「G6030」も、普通紙へのカラーコピーでは他2つと変わらないくらいハッキリとした色が出ました。
目立つ裏写りもなく、カラーコピーは3機種全て満足度が高いです。
モノクロコピー
最後にモノクロコピーの色味をチェックしました。
スペック表の色の付いた部分は原本では青みの強いグレーだったのですが「PIXUS XK120」は濃くなりすぎて、反対に「G6030」は色が飛んでしまいました。
「PIXUS TS8730」はカラーと文字の黒色のバランスが良く、文字が自然に目に入ってくるように思います。
印刷速度をチェック
XK120 | TS8730 | G6030 | |
---|---|---|---|
写真A4プリント | 1分53秒 | 1分50秒 | 1分58秒 |
写真L判プリント | 46秒 | 30秒 | 37秒 |
カラーコピー(5枚連続印刷) | 1分15秒 | 1分20秒 | 2分01秒 |
モノクロコピー(5枚連続印刷) | 43秒 | 35秒 | 43秒 |
※ カラー印刷は印刷画質「きれい」を選択。写真A4プリントは2枚印刷の中間値
印刷速度は、どの印刷もほとんど「PIXUS TS8730」がトップでした。
「PIXUS XK120」と「PIXUS TS8730」は仕上がりが速くてキレイと聞いていましたが、カラーコピー以外は「G6030」もあまりスピードが変わらなかったのに驚きです。
3機種どれを選んでも、プリントがなかなか終わらなくてストレスということはなさそうですね。
家族みんなでたくさん印刷するなら『PIXUS XK120』
・直感的にカンタン操作
・写真も文書も頻繁に印刷する方向け
「PIXUS XK120」のメニュー画面には仕事・学校・ライフを切り替えできるタブがあり、シーンに合った機能をすぐに呼び出しできます。
学校用メニューにはタイプの違うレポート用紙や方眼紙があったり、ライフメニューでは包装紙のデザインが豊富に用意されていたりと、使い道はかなり多そうです。
操作がとてもカンタンなので、プリンターを初めて使う方もすぐに慣れますよ。
写真プリントと資料のコピー共にハッキリとしたコントラストの高い色味になることが多く、パッと見た時のインパクトは3機種中トップ。
黒が特に濃くて読みやすく印刷スピードも申し分ないため、趣味の写真プリントだけでなく仕事などの文書の印刷に使いたい方にもおすすめです。
購入時の価格は少しハードルが高いかもしれませんが、印刷コストが低いためたくさん印刷していたら「PIXUS TS8730」よりコスパが良くなっていたということも全然あります。
家族みんなで使いたいご家庭や、日常的にプリンターを使う方にピッタリです。
写真プリントの色にこだわるなら『PIXUS TS8730』
・多機能をカンタン操作
・使用頻度があまり高くないならコレ!
「PIXUS TS8730」は、「PIXUS XK120」と同じメニュー画面の切り替えタブにインク残量やお手入れ方法をすぐに確認できる「かんたんモード」が追加されています。
通常は設定メニューから少し深堀しないといけない項目なので、ワンタッチで表示されるのはとても便利です。
インクの数が6色と多く、印刷画質は3機種中トップクラスです。
特に写真プリントの自然な色味とグラデーションはとても美しく「カメラが趣味でプリントも自分でしたい」と考えている方は「PIXUS TS8730」でないと満足できないのではないでしょうか。
使いやすくて仕上がりがキレイ、かつ印刷スピードもすごく速く、苦手な分野がないのではと思うオールラウンダーなプリンターなので、迷ったらコレでOK!と自信を持って言えます。
ただ、あまり印刷頻度が高すぎるとインクコストが気になるかもしれません。
低コストで大量印刷がしたいなら『G6030』
・インクの交換頻度が少ない
・文書や資料を印刷、コピーする方向け
「G6030」は他2機種とは違い、インクをボトルで直接注入するタイプ。
インク交換はカートリッジタイプより少し手間ですが、1度満タンにしてしまえば、普通紙で最大カラー7700枚、モノクロ6000枚を印刷できるため、たくさん使っても交換頻度は少なくて済みます。
前面用紙カセットにセットできる枚数も多く、用紙とインクの残量は窓から見えるようになっていて、連続印刷がスムーズです。
また、プリントヘッドが交換可能となっていて(他2機種は故障した場合修理)、長く使えるのも大きなポイントです。
耐久枚数が6万枚と、他社のインクタンクモデルと比べても1万枚ほど多いこともあり、今後買い替えはほぼ不要ではないかというレベルで愛用できますよ。
インクが4色しかないため写真プリントは少し淡い色になることが多く、こだわりがある方は物足りなく感じるかもしれませんが、年賀状印刷などで時々使うくらいなら充分です。
文書の印刷・コピーをメインに使いたい方にピッタリの機種で、在宅ワークや自宅学習、事務所用におすすめです。
まとめ
年々プリンターの数が増えて「どれを選べばいいか分からない、もうどれも同じなのでは」という声を聞くことは多いです。
今回ピックアップした3機種でも、インクの種類が違う「G6030」はともかく「PIXUS XK120」と「PIXUS TS8730」に違いがあるのだろうかと思いましたが、実際に印刷してみると色味に個性が出て、印刷コストにも違いがあり、それぞれおすすめしたいと思うタイプも違いました。
今回は紹介できませんでしたが、3機種とも同じスマホ専用アプリに対応していて、通常の写真プリントはもちろん、写真の加工、SNSからのプリント、Webサイトの文書印刷、年賀状や証明写真の作成などできることがたくさんあります。
「写真または文書のどちらをメインで、どのくらいのペースで印刷したいか」をじっくり考え、お客様にピッタリの1台をお選びください。
2023.12.20 (もあ)