2023.01.24
Joshin 試用レポート
耳の前にスピーカーが浮く!?ソニーの新たなスポーツモデル『Float Run』をレビュー
ソニー オープンイヤーヘッドホン Float Run(WI-OE610)
2023年のソニーのイヤホンは、近年爆発的な人気となっている、耳を塞がないオープンイヤーヘッドホン『Float Run』からスタート!
形状から骨伝導イヤホンに見えますが、骨を振動させるのではなく、耳の前に浮いたスピーカーから音を鳴らします。
骨伝導タイプと比べると音質や使用感はどうなのか、オープンイヤーヘッドホンの魅力と併せて見ていきましょう! ライター:もあ
ランニングの快適さを追求した ソニー オープンイヤーヘッドホン『Float Run』
スポーツや家事をするときを中心に、周りの音を聞きながら音楽をBGMとして楽しむ"ながら聴きスタイル"が大流行。
耳を塞がないオープン型や骨伝導イヤホンを求める方が多くなっています。
今回登場したソニーのオープンイヤーヘッドホン『Float Run』は、その名の通りランニングの快適さを追求した、新たなスポーツモデル。
本体を見て、まず目を引くであろう真っ白の16mmドライバーのスピーカーが最大の特徴で、装着するとなんと耳穴の前にスピーカーが浮くらしい。
筆者は音質のいいオープン型イヤホンを使ったとき「耳元にスピーカーを付けているようだ」といった感想を抱くことがありましたが、まさか現実になるとは・・・。
約1年前に発売されたオープン型の完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds」も独特の形状でしたが、今回もまた、かなり個性的です。
本体が耳穴に触れない形状は骨伝導イヤホンとよく似ていますが、音はスピーカーで鳴らすタイプで、骨への振動はありません。
スピーカーやカナル型イヤホンのように空気振動した音を鼓膜経由で聴くため、左右別々に音が入ってきて正しいステレオ感を得られます。
Float Runは、耳をふさがず長時間音楽を聴いても疲れにくい骨伝導イヤホンを使いたいけど、振動や音質、装着感が合わない・・・といった方に特におすすめのモデルなのです。
外観と基本機能
セット内容 | 本体、キャリングポーチ、充電用USBケーブル(長さ:約20cm、USB-A to USB-C)、保証書、取扱説明書 |
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質量(約) | 33g |
対応コーデック | AAC / SBC |
防水性能 | IPX4相当 ※IPX4:あらゆる方向からの、飛沫に対して本体機能を保護するもの (USB Type-C端子のフタが完全に閉まっている状態であること) |
カラーリングはブラックの1色のみ。
本体自体はシンプルで、白色の小型スピーカーをバッチリ目立たせています。
本体、スピーカーの質感は共にツルツルしており、汚れがついても拭けば落ちそうです。
持ち運びには付属のキャリングポーチを使うとさらに安心です。
形状はスポーツ用イヤホンの定番である、左右のイヤホンをバンドで接続し首に掛けて使うネックバンド型で、激しく動いても落下の心配がなく安定した装着感が魅力的。
電極部は厚みがありますがそれ以外のバンド部分はとても細く、装着時の干渉が少ないのではと予想できます。
ネックバンドは左右に大きく開くので、頭部の大きさ関係なく使いやすそうです。
連続再生時間(約) | 最大10時間 |
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急速充電(約) | 10分の充電で60分間の連続再生が可能 |
スピーカーの位置は完全に固定されていて、動かしたり取り外したりはできません。
本体右側には、音楽の再生/停止などの操作ボタンと、充電端子(USB Type-C)があります。
バッテリーはフル充電時に約10時間連続再生可能と、スポーツをするには充分。
マイクを搭載しているので、テレワークやオンライン授業でも活躍しますよ。
寝ころびながらも使いやすい!安定した装着感
Float Runを見たときから、よくあるネックバンド型だけど何か違和感がある・・・と思っていましたが、装着して納得。
耳を塞がない形状の場合、耳の後ろからフックを引っかけるものがほとんどですが、Float Runは耳の前から引っかけて1番重みのある電気部品を耳の後ろで固定します。
本体が耳に触れる範囲が広く重さが分散されるので、一箇所だけ痛くなってくることがなく、圧迫感も少ないように思います。
電気部品に厚みはありますがメガネ+マスクを付けてる状態でも違和感はありませんでした。
そして筆者が感動したのは後ろのネックバンドの位置。
一般的なネックバンド型は後頭部の中央〜少し下あたりにネックバンドが来ることが多いのですが、Float Runは首の位置までグッと下がります。
画像のように髪を1つに結んでいてもネックバンドが結び目にあたることがなく、少し深い帽子を被っても干渉はナシ。
また、うつぶせに寝転んでも後頭部にネックバンドがあたりません。
筆者は音楽を聴きながらゴロゴロできる!とテンションが上がりましたが、日々筋トレに励むスタッフは「腹筋をするときにネックバンドがあたらないのすごくいいですね!」と一言。
このイヤホンはFloat Runの名前の通りスポーツモデルであることを思い出し「正解!」と叫びました。
音楽を聴いてみた
操作方法とペアリング
音楽の再生/一時停止 | 中央のボタンを1回押す |
ボリューム(+/-) | 右側ボタンを1回押す/左側ボタンを1回押す |
曲送り/曲戻し | 右側ボタンを長押し/左側ボタンを長押し |
音楽操作は本体右側にある物理ボタンで行います。
細長いボタンの左/中央/右を押すだけなので覚えやすく、操作に迷うことはありませんでした。
ペアリングは中央の電源ボタンを長押しして、端末のBluetooth設定で「Float Run」を選択すればOK!
今回はAndroidスマホ「Xperia 1 IV」と接続して音楽を聴いてみます。
【音質レビュー】長時間でも聴きやすいバランスの取れた高音質
音質はソニーサウンドらしいクリアな高音質で、耳を塞いでいないとは思えないくらい細かい音も鮮明に聴こえます。
特に中音域の解像度が高く、ボーカルの聴こえやすさはこれまで使ってきた耳を塞がないイヤホンの中でもトップクラスだと思います。
高域の抜け感の良さや機械っぽさのない自然な音など、オープンイヤーヘッドホンの長所が上手く出ていて、長時間作業しながらBGMとして音楽を流しても聴き疲れしませんでした。
骨伝導イヤホンは顔が浮腫んでいる時やランニング中に少しズレた時など、骨のあたり方で聴こえ方が変化しますが、Float Runは常に音のバランスが一定なのも聴きやすいと思ったポイント。
LinkBudsと比べると低域の重みも増しているようで、オープン型の中ではバンドサウンドなどの迫力もしっかりある印象です。
強いて言うなら、音漏れは骨伝導イヤホンより少しするかなと思いましたが、通勤電車に乗ると近くの人に聴こえるかもというレベルなので、ランニングやスポーツシーンでは問題なさそうです。
家で使うときはあまり音量を上げなくてもハッキリ聴こえるので、音漏れが同居人の迷惑になることもありませんよ。
まとめ
車や自転車など周囲の環境音が自然に聞こえ、イヤホンの落下の心配がないことから、スポーツをする方に人気のオープンイヤーヘッドホン。
装着感や使いやすさ重視で音質は二の次という方もいるかもしれませんが、音楽をBGMとして長時間楽しむなら、聴き疲れしない高音質の方が絶対いいです!
『Float Run』の耳の前に小さなスピーカーを配置するという斬新な切り口には驚きましたが、シンプルに耳元に自分専用スピーカーがあると考えると、高音質が届きやすいのも納得。
本体の1番重いところを耳の後ろに固定することで、どれだけ走っても頭を振ってもスピーカーの位置はビクともせず、ずっと安定して音を鳴らしていました。
ランニングやジムでのトレーニング、家事、テレワークなどのお供にピッタリです。
ながら聴き用のイヤホンをお探しの方は、ぜひチェックしてみてください。 2023.01.24 (もあ)