2021.9.10
男女別 ソロキャン必須アイテム
<藤原綾さん>
『sweet』や『SPRiNG』などの女性誌、コレクションブランドからストリートブランドのムック本やカタログのビジュアル制作を手掛けるなど幅広いジャンルで活動中。
<佐藤誠二朗さん>
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
女性のソロキャン必須アイテム
藤原綾編
こんな時だからこそ、
ソロキャンプいくしかないでしょ!
さて、今回はソロキャン企画ということで、前半は三度の飯よりアウトドアの藤原が担当したいと思います!
それにしても驚きました。地味に続けてきた趣味が、ここまでブームになるなんて。アウトドアの人気、ちょっと最近すごくないですか?コロナ禍にありながら、売り上げをぐんぐん伸ばしていて、私も現在、某出版社でアウトドアの本を製作中です。
なかでも、もっとも注目されているのがソロキャンプ。自分のこだわりを思う存分堪能できるし、誰に気を遣うこともなく、のんびり気ままに過ごせるということで、キャンパー達も様々なスタイルで楽しんでいます。かくいう私も、そのひとりなのであります!
私の場合は、ノルディクスのソロテントと小さな焚き火台がパートナーですが、最近は車中泊の人がどんどん増えているみたいですね。
先日インタビューしたキャンプYouTuberの女の子は、軽自動車のなかを可愛くコーディネートすることが楽しみのひとつだそう。毎回、「クリスマス」「ハロウィン」など、テーマを決めてソロキャンプを盛り上げているとのことでした。他にも、ギアを全てヴィンテージで揃えている人や、UL(ウルトライト)で軽量ギアを極めている人などなど、昔と違ってすっかり楽しみ方も多種多様になりました。
友達と大勢でキャンプをするのもいいけど、やっぱりコロナ禍では心配……。その点、ソロキャンプなら車で行って、ソーシャルディスタンスが勝手に保たれる場所で、自然をとことん満喫できるということで、心置きなくキャンプが楽しめるというわけです。
家の中に閉じこもりがちになると、気持ちも塞ぎ込むのか、なんだか周囲のテンションも下がりがち。そんな時こそ、サクッとひとり車を走らせてキャンプ場へ!
行きつけの居酒屋感覚で近場にお気に入りのキャンプ場を見つけておくと宜しいかと。自然の中で、仕事や勉強のことを忘れて、空を見上げて一点病に。頭の中を空っぽにして、毛穴全開でぽかーーーーーん。なぜかわかりませんが、これだけで明日からの活力に。自然のパワーってすごいんです。
キャンプというと夏だと勘違いされがちですが、実際問題、暑くて無理無理。これからの秋がキャンプの本番!
ということで、今回は初心者さんでも挑戦しやすいように時間軸で追いかけつつ、私のソロキャンプ必須アイテムを紹介していきたいと思います!
何事も準備が肝心!
ストレスフリーな基地づくり
行く場所にも寄りますが、キャンプは夜は夜で楽しいので、登山と違って朝はそこまで早くなくてもOK。私の場合は地元のスーパーや道の駅に立ち寄ってから、10:30着を目処にキャンプ場に着くようにセッティングしています。
着いたら、まず拠点づくりから。昼前にはベースは完成させておきたいですね。ひとり用のテントとタープを立てて、焚き火台とチェアを用意。クーラーボックスをチェアの横にセットして、一日中キャンプ場から動かないと決めた日は、スピーカーとハンモックも設置します。
ここで重要なのが、拠点の場所選び。
私がいつも気にしているのは以下の5点です。
1.眺望がいい
なんと言ってもボーッと美しい景色を眺めてナンボ。無理に活用されている場所もあるので、キャンプ場だからといって、どこでも綺麗な景色を拝めるわけではありません。椅子の位置含め、キャンプ内の絶景探しを楽しみましょう。
2.入り口付近は避ける
場所に寄ってはマナーが悪い人が多いキャンプ場もあるので、夜中にキャンプ場を出入りする人も。静かな森の中で、突然のエンジン音に叩き起こされないように、あくまでも利便性よりも景観重視で場所選びを。
3.ペグが打ちやすい
下が砂、緩い土、砂利などでペグが打てない場合は、木や岩に頼ることになるのですが、それも面倒だし、木の位置も運次第。サイトが混んでる時に、空いてた!と思って、いざテントを立てようとすると、ペグが打てないということも。ちなみに、愛用しているノルディスクのペグは、繊細なデザインがヒジョーに気に入っているので、硬い場所に無理に刺さないよう気を遣っております。
4.トイレにほど近い
女子の場合は特に重視したほうがいい点。間近は勧めませんが、選ぶ場所次第で、かなり遠くなることもあるので要注意。念のため、ティッシュも持参を。夜はヘッドライトやハンドライト、手軽に持ち運びできる小さなランタンがあると安心です。
5.地面のコンディションがいい
寝る時にゴツゴツするので、テントはできるだけ石がない場所に設置。また、片付けの面からも、密度の高い乾いた土がある場所がおすすめ。芝生も寝やすいですが、翌朝テントが濡れていることもしばしば。
翌朝まで一切ストレスのない環境にするためにも、最初の準備が肝心です。準備も楽しめば、あとは心地よさに身を任せるだけ。部屋を探す気分で、妥協せずに選びましょう!
誰に邪魔されることもなく、
自由な時間を気ままに過ごす
拠点づくりが終わったら、焚き火は夜に回して、ランチは買ってきたもので済ませちゃうスタイルです。スーパーや道の駅で、すぐに食べたいものがたくさん売っているので、積極的に誘惑に負けることにしています。
そこから16:30くらいまでは自由時間。
ただただのんびりしたい時は、音楽を聴きながら、逆に無音にしたりもしながら、ハンモックに揺られて読書をしつつ、そのままうつらうつら夢の中へ。
海や川が近い場合は、さくっと遊覧船や舟下りに行ってみたり、ちょっとした散歩コースがあったら冒険気分で散策したり、ちょっとしたアクティビティに行くのも大好きです。意外な絶景に出会えることもあって、一度キャンプ場の消えかかった看板に従って歩いていったら、誰もいない美しい滝壺に辿り着いた経験も。
もしくは、近場に温泉があるキャンプ場も多いので、夜は飲んでそのまま寝るなら、このタイミングでゆっくり温泉を楽しむのもおすすめです。
16:30を過ぎたあたりから、のろのろと夜の準備に取り掛かります。とにかく、陽が沈むまでに夜の体制を整える! 基本的に時間に縛られない1日ですが、暗くなってから準備をするのは結構ストレス。火がいい具合になるタイミングと、夕陽を眺めるタイミングがぴったり合うのがベストです。
調理に使うものは、まとめてボックスに入れています。私は超ズボラキャンパーなので、スキレット、お皿、カトラリー、マグくらいしか持っていきません。
キャンプ場近くのスーパーや道の駅に立ち寄って、現地の食材を買って、焼いて、お皿に乗せて食べるというかなりシンプルなスタイル。人数が多い時はテーブルが必須ですが、かさばるのでクーラーボックスやギアを入れているボックスをテーブルがわりにしています。
初心者でも簡単にTRY!
お手軽キャンパースタイル
普段は小さな焚き火台を使っていますが、今、気になっているのはバーベキューグリル。これだったら、小さいテーブルがあったほうがいいかもしれませんが、着火がとにかく楽そうで。火を見るのは好きなのですが、火を起こす作業は大して好きではないんですよねー。この辺が男性キャンパーとの違いかもしれません。
友達が使っていた鉄焼きのプレートと鍋のセットも、ズボラ派&合理派にはめちゃくちゃ嬉しいアイテム。固形燃料でさくっと調理できるし、意外とレパートリーも広いそう。
とはいえ、最近、思わず焚き火用のグローブを手に入れてしまいました。友達がレザーのグローブを使っているのを見て試させてもらったら、軍手との違いにびっくり。もう、ソッコーで買いに行っちゃいましたよ。
野菜やお肉をただ切って、ハイボールの準備ができたら、あとはもうスピーカーで音楽を流して、好きな食材を焼いて食べて、お酒をマイペースに飲んで、の繰り返し。星空を眺めて、頭空っぽ、毛穴広がりまくりの最高の1日の出来上がりです。 キャンプ場は夜遅くまで騒ぐのはご法度なので、就寝も早め。自然の中は早朝も綺麗なので、片付けと寝る準備を整えて、22:00にはテントに入ることにしています。
寝る時は寝袋ですが、本当はコットで寝たい! ただ、そうなると必然的にテントも大きくなるわけで、荷物は増える一方……。
快適を目指せば目指すほど、荷物が増えて逆にストレス、ということにもなりかねないので、自分にとっての快適なバランスを見つけるのがいいのかなと思います。
昔、キャンプ初心者の友達が、キャンプにシルクのパジャマを持ってきて度肝を抜かれましたが、今考えると、それはそれで彼女の快適さのバランスだからいいのかなという気持ちに。
登山だとそうはいきませんが、私もキャンプだけの場合はルームウェアを持っていきます。そのまま、もしくは翌日の服に着替えて寝る人もいますが、寝付きの早さが全然違うんですよね。
翌日は朝の少し冷たい空気の中で、コーヒーを飲みながらのんびり準備をして、軽い朝食を食べたら帰り支度。何から何まで自分でやることばかりだけど、なんかすっきりした気分になれます。
帰りも道の駅に寄って、ソフトクリームを食べてから帰路へ。家に着くまでが遠足です。
私みたいな、難しいことをしないズボラキャンパーは、恐らく初心者の方の参考になるのではないかと! 興味はあるけど、やったことはないという人も、最小限の初期投資さえしてしまえば意外と手軽に続けられる趣味なので、ぜひぜひ挑戦してみてください♪
後半では誠二朗さんが男の浪漫を語りつつ、厳選された商品紹介をしてくれると思うので、こだわり屋さんはそちらをご参考に!
男性のソロキャン必須アイテム
佐藤誠二朗編
まず必要なのはハンモックだ
というわけで後半は私・佐藤が、“男性のソロキャン必須アイテム”について語りたいと思います。 しかし何を隠そうワタクシ、ソロキャンどころか普通のキャンプさえも自力ではほとんどやったことがありません。そんな男がキャンプについて語るなど甚だ僭越ですし、ちゃんちゃらおかしいと思われるかもしれません。 ただ私は、普段暮らしている東京の家とは別に、山梨県の山中湖村、自然豊かな山の中腹に建つ通称“山の家”を持っていて、ほぼ毎週のようにそこへ足を運ぶいわゆるデュアルライフ実践者です。 別荘とは名ばかりの山小屋に毛が生えた程度の家ですので、そこではそれなりのアウトドアライフを送っております。
そして最近は思うところあり、「ソロキャンプならやってみたいな」という気分も高まっています。 そこで山の家暮らしによってある程度のアウトドアノウハウを持ち、近い将来にはソロキャンデビューを考えている一介の初心者男として、皆さんとともに必須アイテムを考えていきたいと思います。 要するに“妄想キャンプ”なのですが、男たるもの妄想してナンボ。 何かことを起こすなら妄想を重ね、ビシッと形を整えてから臨むのが真の男だとも考えているので、ぜひお付き合いのほどを。
深く深〜く考えてみたところ、男のソロキャンパーとして、まず揃えたいものは3つあります。 その3点のアイテムについて、順を追ってお話ししていきたいと思います。
“ソロキャンプ”という言葉が気になりはじめてから、私はヒロシのYouTube動画をよく見るようになりました。 彼が実践するキャンプは示唆に富んでいます。同じ男として「こんな風にありたい」と思える、無骨なソロキャンスタイルを学ぶことができるのです。 ヒロシがキャンプ場に着いたら、まず初めにすることは何だと思いますか? 居場所となるハンモックをつるすのだそうです。 これでしょ、これ!
というわけでまず一つ目の“男のソロキャン必須アイテム”は『ハンモック』なのです!
音楽さえあれば寂しくない
ハンモック、いいのがありましたよ。 持ち運びしやすいという観点から言えば、GAVICの「シングル アドベンチャー ハンモック」がおすすめです。 小さく畳んで付属の袋に収納すれば、バックパックに入れての持ち歩きも楽々。 荷物はなるべく小さく軽くというミニマム派はこれ一択だと思います。
でも山の家でハンモックを頻繁に使っている私の経験から言わせていただくと、このタイプのハンモックは、肩幅の広い男性には少し辛いのです。 ハンモックは寝転がって体重をあずけると、体の重みで布地が全体的にぎゅっとすぼまります。 すると両肩が圧迫され、とても窮屈に感じるのです。 そこで男性に限定して特におすすめしたいのが、布地の前後両端部に木材が施されていて、重みが加わってもすぼまらない「シングル バハマス ハンモック」。 畳んでもそれなりのサイズですので、持って歩くのには少し難があるかもしれません。しかし体の大きな男性にとって、使い心地は間違いなくこちらが格上です。 車でキャンプ場に直行するような人なら特に、こちらを選ぶべきだと思います。
私のように妻子&犬とともに、にぎやかな毎日を送っている者にとって、ソロキャンプで獲得できるたった一人の時間と空間は贅沢なものです。 でもありがちなことですが、「はあ、ええなあ〜」というくつろぎタイムは束の間で、割とすぐに寂しい気分になってしまいます。
そこで第二の“男のソロキャン必須アイテム”の登場。それは『ブルートゥーススピーカー』です! 好きな音楽をかけていれば、一人キャンプの寂しさもまぎれ、豊かな気分になること請け合い。 家で使っているスピーカーを持ち出せば事足りると思うかもしれませんが、それはダメ。 やはりキャンプ専用のものを用意した方が気分は上がります。
PEACE PARKの「ファイブエレメンツランタン&ワイヤレススピーカー」や「スピーカー&ライト付き ワイルドランプ」など、キャンプのマストアイテムであるLEDランタンと一体化したスピーカーはおすすめです。
しかし私がもっと心惹かれたのは、PEACE PARKの「ソーラー ミュージック ランプ」です。 ソーラー充電で三段階に調整できる照明をメイン機能に、スマートフォンなどのためのUSB充電端子、防蚊機能のあるハンディライト、分離式のブルートゥーススピーカーと、とにかく多機能。 ソロキャンパーの頼もしい相棒となってくれることでしょう。
私だったらそうですねえ。 このスピーカーで、古いロックステディかソウルミュージックなんかを聴きながら、焚き火の火を見つめて物思いにふけるかな……。 くう〜、いいですねえ!(妄想ですが)
テーブルを侮るなかれ
PEACE PARKの「ソーラー ミュージック ランプ」にも防蚊機能付きハンディライトが付属していますが、私にとってアウトドアライフの最大のネックは、カのほかにもブヨやアブなどウヨウヨといる吸血鬼(刺す虫)の存在です。 私はなぜか人一倍虫に刺されやすい体質で、野外活動をしているときはとにかく防虫対策が欠かせないのです。 私は下戸なので飲みませんが、ソロキャンプの楽しみが焚き火の横で飲むワインやウイスキーという男性も多いでしょう。 酒を飲むと血行が良くなり体温が上昇するので、普段よりもさらに虫から狙われやすくなったりもします。
今回の“男のソロキャン必須アイテム”トップ3には入らない番外編として、そんな私がおすすめしたいのは、林業従事者などのプロが愛用する強力蚊取り線香「森林香」です。 ググっていただければわかると思いますが「森林香」には黄と赤の2種があり、私がより強く推奨するのは、パワーのある赤タイプ。 キャンプ場でライトをつけていると嫌な虫が続々と集まってきますので、PEACE PARK「ソーラー ミュージック ランプ」の下部にあるハンモック状物置には、ぜひ「森林香」を置いておきましょう。
さて、それではラスト。三つ目の“男のソロキャン必須アイテム”は『折りたたみ式テーブル』です! え? テーブル? なんか当たり前すぎて腰砕けだな〜、と思うなかれ。 私の経験から言わせていただくと、テーブルなんてと侮っている人に限って、さまざまなアウトドアシーンで難儀しているのです。
男のソロキャンプで焚き火を使って作る料理といえば、まあ肉ですよね。 ジュウジュウと美味しそうに焼けたステーキ肉に粒マスタードなど乗せて、用意周到に持参したナイフとフォークを握って、さあ、いただきます。 テーブルがないとどうなりますか? 皿を地べたに置き、情けなくしゃがんで肉を切らなければならなくなります。
パーコレーターで淹れたブラックコーヒーで、至福のひとときのはじまり。 LEDランタンの光で、一人静かに読書などしようかなと思ったその瞬間。 マグカップはどしましょう? 土の上に置いたコーヒーは、途端に魅力が半減します。 キャンプ場として整備された場所はフラットで、木の切り株とか大きな岩とか、テーブルの代用になりそうなものなどが意外とないのです。 ね? テーブルが必要でしょ?
持ち運びやおしゃれさなどを総合的に勘案し、私が一番気に入ったのは、PEACE PARKの「ポータブル バンブー テーブル」。竹製なのでルックス抜群のうえ軽量。これ、なかなか秀逸なアイテムだと思います。 黒い金具部分も無骨なインダストリアル感が醸し出されていて、男の道具としてふさわしいものです。
ハンモック、ブルートゥーススピーカー、そして折り畳みテーブル。 ソロキャンプ未経験者の戯言とはいえ、このセレクションは我ながらなかなかいい線をついているのではないかと思います。 私はまずこの3点を買い揃え、この秋、ファーストソロキャンプに出撃したいと思います。