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ビルケンシュトック看板

2021.7.26

定番中の定番!トレンドの着こなしに合わせたいビルケンシュトック

佐藤 誠二朗さんメンズファッション誌
「smart」元編集長
佐藤 誠二朗さん

メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
2018年11月には「ストリート・トラッド~メンズファッションは温故知新」が発売
こちらを本屋で見かけて読まれた方もいるのでは!?
そんな佐藤さんが当店の取り扱いアイテムをコラムで熱く語ってくれるコーナーです!
実はあまり知られていないブランドの歴史などもこれを見れば知ることができるかも!?

創業247年の超老舗ブランド

ニューバランス、ドクターマーチン、そしてビルケンシュトックの共通点は何だと思いますか?
ニューバランスは、1906年にアメリカで創業したスニーカー中心のブランド。
ドクターマーチンは、1947年にドイツで生まれ、1960年からイギリスで販売されたブーツ中心のブランド。
ビルケンシュトックは、18世紀にドイツで創業したサンダル中心のブランド。
一見、共通項など何もないような気がします。
しかし各々の沿革をたどってみると、いずれも足の健康を望む人のために開発された医療用“矯正靴”が、ブランドの礎になっていることが分かります。

3ブランドの中でもっとも長い歴史を持つのが今回の主役、ビルケンシュトックです。

創業は1774年とされています。
現在のドイツ・ヘッセン州ランゲン=ベルクハイムにある教会の公文書に、その年、ビルケンシュトックの創業者であるヨハネ・アダム・ビルケンシュトックが、「臣王(王の家来)のシューマイスター(靴職人)」として登録された記録が残っているのです。
ちなみに同地は当時、ヘッセン=カッセル方伯領という神聖ローマ帝国の領邦国家の中にありました。ヘッセン=カッセル方伯領がのちのドイツ帝国の中核となったプロイセン王国に併合されるのは1866年のことです。
世界史に疎い私でさえ、近世ヨーロッパのそんな国々の名前を見ていると、ビルケンシュトックというブランドの歩んできた道のりの長さを実感し、ため息が出てきます。

さて、ここまではブランド物語の最序盤。いわば神話時代のような話なので、創業者のヨハンとその息子がどんな靴をつくっていたのか、正確にはわかりません。
現代のビルケンシュトックにつながる靴づくりの歴史は、家業を受け継いだヨハンの孫、コンラート・ビルケンシュトックの代から改めてスタートします。
時は19世紀後半。プロイセン王国を中心に統一されたドイツ帝国が勢力を伸ばし、世界の中で一際大きな存在感を示していた時代です。

ビルケンシュトック1

温泉に集う富裕層向けに開発

19世紀後半のヨーロッパといえば、「列強」と呼ばれた重要諸国の覇権争いが激化した時代。学校の歴史の授業では、そうした国々の政治・経済・そして軍事的な争いの話ばかりを暗記させられます。
しかしそんな暗澹たる世情の中でもさまざまな文化が花開き、当時の人々は人生を謳歌していました。
ビルケンシュトック創業者の孫、コンラート・ビルケンシュトックが家督を継ぎ、ヘッセン州のフランクフルトに2軒の靴専門店をオープンさせた1896年当時、ドイツは空前の温泉ブームに沸いていたそうです。

ビルケンシュトックが拠を置くヘッセン州の南、バーデン=ヴュルテンベルク州には、ローマ帝国時代から続く温泉施設が数多くありました。
バーデン=バーデンなどの今でも有名な保養地には、ヨーロッパ各国やアメリカから多くの人々が足を運んでいたといいます。
もちろん当時の世界で、温泉に入るためにわざわざ遠くからやって来られるのは富裕層。贅を尽くした暮らしをする彼らは、温泉保養地で過ごすときのための快適なワードローブを求めていました。
そこに着目したコンラートは、足裏のアーチに沿うように凹凸をつけた、柔軟性の高いフットベッド(インソール)を持つ靴を考案。
さっそく製品化し、保養地に集う人々に売り込みます。

従来の靴づくりの常識からみると、この立体的なインソールはあまりにも画期的なものでした。コンラートの発案まで、靴のインソールはフラットであるべきという概念が浸透していたからです。
当然ながら、人体解剖学に基づいたインソールの履き心地は抜群に良かったため、ビルケンシュトックの靴は瞬く間に大きな評判を呼びます。

1913年には整形外科医だったコンラートの長男、カール・ビルケンシュトックが、医学的見地からフットベッドをより進化させます。
そして1914年から1918年にかけて繰り広げられた第一次世界大戦時中は、フランクフルトのフリーリヒスハイムの野戦病院にて、コンラートは整形外科靴の製作に従事。
ビルケンシュトックの靴は保養地用のコンフォートシューズから、医療用矯正靴へと変化していきます。

ビルケンシュトック2bild:Larry Koester, flickr.com, CC BY 2.0

ヒッピーのユニフォームに

第一次世界大戦明けの1920年代には、足にまつわる整形外的研究がより積極的に行われるようになり、先駆者であったコンラートは、講習会を開いて医師たちに専門知識を伝授するようになります。
当時すでに、「矯正靴といえばビルケンシュトック」という確固たる地位を築いていたわけです。

1925年、コンラートはヘッセン州フリードベルクの大規模な工場を買収し、24時間稼働を開始。大量生産されたビルケンシュトックの靴は、ドイツ国内にとどまらず、ヨーロッパ各国へ出荷されるようになります。
ところが母国ドイツはアドルフ・ヒトラーが台頭し、ナチス政権が誕生した1933年以降、全体主義国家と化して他国へ侵攻、第二次世界大戦を引き起こします。
1939年にはじまり1945年に終結したこの戦争は、ヨーロッパ各地に多くの負傷者を出してしまいます。
そしてナチスの支配から解放され、国際社会に復帰したドイツのビルケンシュトックシューズは、整形外科医から推奨され、ヨーロッパ各国に帰還した負傷兵の間に広まっていきました。

1954年、コンラートから経営を引き継いだカール・ビルケンシュトックは、サンダルの開発に着手します。
そして1963年、カールは天然のラテックスとコルクを混合した柔軟な素材を開発。
その素材で形成した新しいフットベッドを使い、医療用サンダルのファーストモデル“マドリッド”をリリースします。

ビルケンシュトックはすでに、医療用矯正靴メーカーとして広く認知されていましたが、より気楽に履けるサンダルは、医療というカテゴリーから飛び出して人気を集めるようになります。
アメリカ西海岸に上陸し、当時の若者のメインカルチャーであったヒッピーのユニフォーム的存在となったのです。

既存社会に対して反旗を翻すヒッピーは、ラブ&ピースの博愛主義者。人間としてのナチュラルな生き方を標榜した彼らは、裸足にサンダル履きで過ごすことを常としていて、天然素材のヘルシーなフットベッドを使ったビルケンシュトックのマドリードは、おあつらえ向きだったわけです。
1969年におこなわれたヒッピーの祭典、ウッドストック・フェスティバルの会場でも、ビルケンシュトックの“マドリッド”や、ついで発売されたサンダル“チューリッヒ”を履く若者の姿が多く見受けられました。

ビルケンシュトック3bild:July Pastorello, flickr.com, CC BY 2.0

ロングセラーモデルとEVA

1960〜70年代のアメリカで、ファーストモデルの“マドリッド”とそれに次ぐ“チューリッヒ”がヒッピーたちの間で大ヒットしたことを受け、ビルケンシュトックは新モデルを次々とリリースしていきます。
“チューリッヒ”をベースにしつつ、隙間のあるダブルストラップを採用することで、より涼しげな印象となった1973年発売の“アリゾナ”。
ヨーロッパで古くから用いられる木靴のデザインをベースとし、1970年代に登場した“ボストン”。
古代ギリシャのサンダルからインスパイアされ、1984年に誕生したトングサンダルの“ギゼ”。
これらはビルケンシュトックの代表モデルとなり、以降数10年にわたって愛され続けるロングセラー商品となりました。

そうした伝統的モデルの良さを生かしつつ、より現代的な素材を使ってリフォームされたアイテムも誕生します。“EVAシリーズ”です。
ビルケンシュトックのフットベッドは、カール・ビルケンシュトックが開発した構造を頑なに維持し、ラテックス(ゴムの木からつくられる樹脂)混合の天然コルク+通気性に優れた2枚の麻+柔らかなスエードという4層になっています。
この構造が自然でほどよい硬さを生み出し、足裏全体を快適に支えてくれるのです。

しかし、この複雑なソールのサンダルは、水辺での使用には向いていません。負傷兵用の医療目的がルーツですから、リゾートでの使用は想定されていなかったのです。
そこでビルケンシュトックは、ロングセラーモデルのデザインや履き心地を保ちつつ、水辺での使用を念頭に置いたEVAシリーズを開発、リリースします。
EVAはスポーツサンダルなどのソールによく使用される素材。軽量でウオッシャブルであるという特性を持っています。

長時間履き続けたり、長い距離を歩いたりするのには、従来の天然コルクをメイン素材としたソールの方が向いていますが、ウォータースポーツなどで短時間履くときや、家を中心としたワンマイル、あるいはキャンプなどのときに軽く突っ掛けるときには、軽くて手軽なEVAシリーズがおすすめです。

あまりにも歴史が長く、ずっと人気を保ち続けているビルケンシュトックはもはや語られ尽くされた感があります。でもこうして改めて見てみると、やっぱりすごいサンダルなんだと再認識できたのではないでしょうか。 今こそビルケンシュトック! 定番中の定番を、トレンドの着こなしに合わせるのもとてもおしゃれなのではないかと思います。

ビルケンシュトック4bild:Francis Bourgouin, flickr.com, CC BY-SA 2.0

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