2022.09.30
Joshin 試用レポート
Knowles社とコラボした最高音質!Noble Audio「FoKus H-ANC」を試聴レビュー!
ノーブルオーディオ ノイズキャンセリング機能搭載 完全ワイヤレス FoKus H-ANC
音質に特化したNoble Audioの「FoKus(フォーカス)シリーズ」に、ノイズキャンセリング機能を搭載した『FoKus H-ANC』が登場しました!
BAドライバーやMEMSマイクが大きく評価されている、Knowles(ノウルズ)社と協力し、高音質を追求したモデル。
完全ワイヤレスイヤホン史上最高音質と有名な「FoKus PRO」の同シリーズということで、音の期待値はかなり上がっています!
早速チェックしていきましょう! ライター:もあ
最高音質+ノイズキャンセリング機能 Noble Audio「FoKus H-ANC」
2021年に発売し、オーディオ界で大きな注目を浴びた、"音質最優先"設計の「FoKus PRO」。
ノイズキャンセリング(以下:NC)機能や防水性能は除いて、音だけにこだわった結果「ワイヤレスイヤホンでトップクラスの高音質だ」と一躍有名になりました。
今回登場した『FoKus H-ANC』は、FoKusシリーズのコンセプトである妥協のない音質に、NC機能をプラスしたモデルです。
ポイントは、高性能BAドライバーやMEMSマイクで有名な「Knowles社」とのコラボレーションにより作られた、臨場感溢れる高音質。
Knowles社が音楽再生のために新設計した「RAN」BAドライバーに、10mmの大型ダイナミックドライバーを組み合わせたハイブリッド構成で、深みのある低域と立体感のある中域、解像度の高い高域を実現しました。
ダイナミックドライバーはFoKus PROの8.2mm径よりさらに大型化しているので、低音域の厚みは相当あるのではと期待です。
また、FoKus H-ANCは音質だけでなく、FoKus PROにはなかったNC機能や外音取り込み機能を搭載し、高い防水性能や長時間バッテリーなど、機能性も充分です。
Noble AudioのNC機能付きモデルは「FALCON ANC」が今年発売されたばかりですが、音のつくりや形状、NC機能の性能も全く異なるとのことなので、早速NC機能からチェックしていきましょう!
風切り音も自然にカットする高性能ノイズキャンセリング
FoKus H-ANCには左右に3つずつ、計6つのKnowles製MEMSマイクが搭載しています。
強力なNC技術である、周囲のノイズを収音して打ち消すフィードフォワード用マイクと、耳に残ったノイズを軽減するフィードバック用マイクを組み合わせた「ハイブリッド方式」を採用し、最大「-40dB」のノイズ抑制を実現しました。
実際に使うとNC性能は高く、屋外のにぎやかな場所でも、ささやき声程度しか聞こえない静かな図書館にいるイメージです。
エアコンや電子レンジなど室内の生活音も抑えていて、音楽を流していないときに起こりがちなホワイトノイズもほとんど確認できなかったので、家で静かに勉強したいときの耳栓代わりにもピッタリです。
FALCON ANCとくらべると電車の走る音は少し聞こえやすく、駅では音楽を聴いていても少しノイズが入る印象です。
ただ、新しく搭載された「風切り音低減モード」のクオリティはとても高く、風の音がほとんど聞こえないレベルのNCは珍しい!と感動しました。
FALCON ANCを使った時は少し風切り音が気になっていたので、この進化は嬉しいです。
FoKus H-ANCは耳穴をガッチリ塞ぐように装着するので、NCをオフにしていても自然な会話が難しいくらい遮音性が高く、レジなどでの会話は周囲の音を取り込む「ヒアスルーモード」は必須。
狭い室内だと少しガサガサとした機械っぽさは残る印象ですが、屋外では風切り音があまり目立たず、使いやすいです。
外で強力なNCは少し怖いという方でも安心ですよ。
1つ残念に思ったのが、本体からNCとヒアスルーモードを切り替えるときに、NCオン→ヒアスルー→風切り音低減→NCオフ→NCオン・・・と変わっていくところ。
NCオンからヒアスルーへは問題ありませんが、その後NCオンになるまで2段階モードの切り替えを挟みます。
切り替えも、本体を長押し3秒と少し長めなので、NCとヒアスルーの切り替えはもっとスムーズにできたらいいなと思いました。
外観と付属品
セット内容 | 本体、充電ケース・ポーチ・イヤーピース(ノーマル:S/M/L)・充電用USBケーブル・クイックスタートガイド |
---|---|
質量(約) | 片方7g(実計) |
対応コーデック | SBC / AAC |
防水性能 | IPX5※ ※IPX5:いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響を受けない |
カラーバリエーションはブルーとパープルの2色。
お馴染みの中央にロゴマークの入ったフェイスプレートと、ブラックの本体のツートンカラーで、Noble Audioらしさ全開です。
光沢のないマットな質感で落ち着いた雰囲気ですが、フェイスプレートのカラーは少し明るく、装着時は良いアクセントになりそうです。
対応コーデックはSBCとAACで、音質重視モデルならaptXやaptX Adaptiveに対応してほしかったなあ・・・と思うところ。
筆者のように音楽再生にiPhoneを使っている方は、問題なく高音質で楽しめますが、動画試聴では少し音ズレが気になるかもしれません。
本体はFALCONシリーズをひと回りふっくらさせた印象。
背面のボコッと盛り上がった部分が耳のくぼみにフィットして、ノズルは短めですが、思った以上に深く耳奥に入り込みます。
イヤーピースのカップが浅いので圧迫感が強い印象はなく、長時間でも快適に装着できました。
本体で約13時間、ケース込みで最大約45時間の再生が可能
充電ケース質量(約) | 55g(実計) |
---|---|
充電時間(約) | 本体2時間 / 充電ケース1.5〜2時間 |
連続再生時間(約) | NCオフ:13時間、NCオン:8.5時間(イヤホンのみ) 45時間(充電ケース込み、NCオフ時) |
充電ケースは、上からみると印鑑ケースのようなスリムな形状。
FoKus PROのように金属製ではありませんが、高級感のあるツートンカラーデザインです。
連続再生時間はNCオンの時でも約8.5時間ととってもパワフル!
ワイヤレス充電が非対応なのは少し残念ですが、毎日通勤に使うくらいなら、1週間くらい充電をしなくても大丈夫そうです。
音楽を聴いてみた
装着イメージ
装着はとてもカンタンで、本体をそのまま耳穴にいれると自然にベストポジションに収まります。
FoKus PRO同様イヤモニのような付け心地に近く、個人的にはFALCONシリーズよりもホールド感が高く、安定していると感じました。
本体が少し分厚いので、耳の小さな方は長時間付けると圧迫感があるかもしれません。
本体操作方法
本体操作方法
音楽の再生/一時停止 | 右または左側を1回タップ |
曲送り/曲戻し | アプリで設定 |
ボリューム(+/-) | アプリで設定 |
アンビエンスコントロール | 左側を3秒間長押し (NCオン→ヒアスルー→風切り音低減→NCオフ) |
音声アシスタント機能 | 右側を5秒間長押し |
フェイスプレートのロゴマークはタッチセンサーになっていて、音楽の操作ができます。
シングルタップ(音楽の再生/一時停止)と長押し(アンビエンスコントロール/音声アシスタント機能)の操作は固定で、ダブルタップ・トリプルタップの操作はアプリで振り分けします。
センサーの反応は良くトリプルタップもスムーズに行えますが、長押しの時間が他のイヤホンと比べると長く、せっかちな筆者は押しながらまだかな?と思うことが多かったです。
長押しでの切り替えがスムーズになれば完璧だと思うので、アプリのアップデートなどに期待したいところです。
ペアリング方法
充電ケースを開くと自動でペアリングモードになるので、スマホのBluetooth設定で「NOBLE FoKus H-ANC」を選択して接続します。
別の端末につなぐときなど手動でペアリングをするときは、ケースに本体を入れたまま背面のペアリングボタンを3秒長押ししましょう。
【音の感想】自分の耳に合わせてパーソナライズ化された高音質
iPhoneに接続し、AACコーデックで音楽配信サービスの曲を聴いてみました。
まず女性ボーカルの曲を聴いてみると、Noble Audioが作る音の魅力の1つである「刺さりすぎないきらびやかな高音」が透明感のあるボーカルの声とうまくマッチしています。
音のメリハリもしっかりあり、パッと跳ねるように明るくなる曲は、特に聴きごたえがありました。
音の分離感や情報量は、aptXコーデック対応のFoKus PROに軍配が上がりますが、低音域の深みは負けず劣らずで、ロックやEDMなど派手なサウンドはFoKus PROよりも迫力があるのではと思う場面もあります。
- 怪物 / YOASOBI
-
FoKus PROと比べると音のハリは控えめに思いますが、曲の入りだしの跳ねるようなベース音やサビのスピード感など、欲しい音はしっかり鳴っています。
中音域を中心に立体感があり、たくさんの音が混ざりあうサウンドの中でもボーカルがしっかり前に出てくる印象です。
- Pirates of the Caribbean / 2CELLOS
-
低音域の豊かなチェロ演奏で、大型化したダイナミックドライバーを力をチェックしました。
FoKus PROの多くの音が詰まったような低域よりは少し滑らかに思いましたが、曲全体の迫力を底上げする重低音はしっかり出ています。
テンポが速くなる箇所でもこもりのようなものは感じず、全体的に音の輪郭はとてもハッキリしているように思います。
ダイナミックドライバーが大型化しましたが、低音が多すぎるということはなく、全体的に低域〜高域までのバランスはよく感じます。
どの音楽ジャンルもキレイに鳴らしますが、個人的には躍動感のある曲の盛り上げがすごく上手なイヤホンという印象で、明るいポップスとかなりマッチしていると思いました。
曲によっては高音域で1枚ベールのかかったような雰囲気がありましたが、アプリの「ヒアリングテスト」で自分専用のイコライザーを作り設定したところ、クリアで伸びやかな音になりました。
アプリのイコライザー設定はクオリティが高く、どのプリセットも自然に好きな音を増強してくれるので、音にこだわりがある方にオススメです。
まとめ
『FoKus H-ANC』は、FoKus PROと全く同じ音とはいきませんが、一般的なワイヤレスイヤホンと比べると充分高音質で、音質特化モデルといえます。
特にバランスの取れたメリハリのある音は聴きごたえ抜群で、スピード感のある曲を好む方は「FoKus PROの音より好きかも」となるかもしれません。
強力なNCと高い防水性能がついて、通勤やスポーツ時など多くのシーンで使いやすくなっています。
音に妥協したくないけど、NC機能もほしいiPhoneユーザーは、選択肢に入れて間違いありません。
FoKus PROが気になっているけど価格が・・・という方も、ぜひ聴いてみてほしいです。 2022.09.30 (もあ)