「かに親分」のかに工場がある羅臼町は、世界自然遺産知床半島の右側に位置する漁業の町。道内でもトップクラスの水揚げ量を誇る羅臼漁港の目の前には根室海峡が広がり、そのわずか数十キロ先に北方領土・国後島が横たわっています。北はシベリアから冷たい海流が絶えず流れ込み、海の生き物たちに十分な栄養を運びます。羅臼で捕れた毛蟹がずっしり重く、しっとり甘いのは、栄養豊富な海の恩恵だったのですね。
海だけでなく、世界自然遺産知床にはまだまだ手付かずの自然環境が残っています。それはヒグマや鹿、キツネ、タンチョウヅル、オオワシにシャチといった知床半島に生息する動物たちにとってこの上ない楽園です。かわりに冬の寒さは厳しく、生き物たちも冬を乗り切るために一生懸命です。2月頃には流氷が流れ込み、北の長い冬が徐々に終わりつつあることを知らせるのです。