2021.12.02
もうすぐアウター本番の季節
今年の冬、買うべき
最強の一着とは!?
<店長>
最近集めていたTシャツを断捨離。30枚ほどなくなってスッキリしました。
<佐藤さん>
メンズ雑誌「smart」をはじめ、これまで多数の編集・著作物を手掛けている佐藤さん。
Q.おしゃれダウンジャケットの発火点。ヨーロッパブランドのおすすめアイテムは?
今年もアウターの季節がやってきましたね。
僕は基本的に寒がりなんですけど、寒い寒い冬はいろいろなアウターを着られるので楽しみだったりもします。
あ、わかります。服好きにはそういう人、多いですよね。今年の冬、メンズはどんなアウターが流行ると思います?
チェスターコートやMA-1がトレンドのようですね。コーチジャケットなんかも流行が続くと予想されていますけど、メジャーな流れとしてはやはり根強いアウトドアブームがありますから、ダウンジャケットやマウンテンパーカーが本命じゃないでしょうか。
やっぱり! 私もそう思います。当店でもアウトドア系ブランドのダウンやマウンパを重点的に入荷していますが、どれもこれも魅力的で、自分が欲しくなって困ります(笑)。
(笑)自分が本当に欲しいものを人にすすめる、っていうのがショップを運営する人の誠実な姿だと思うので、いいじゃないですか。
そうですよね!
順番はつけられないのかもしれませんが、店長がまずおすすめしたいアイテムはなんでしょうか?
フランスのブランド、ピレネックスのダウンジャケット「スプートニックミニリップストップ」です。
ピレネックス!! このブランドは素晴らしいですよね。
“違いのわかる男のためのブランド”と呼んでいます(笑)。
ピレネックスって、19世紀の中頃にダウン製造業者として創業しているんですけど、自社ブランドとしてアパレル事業をスタートしたのは1990年代なんですよ。
意外と遅いんですね。それまでは何をやっていたんでしょうか?
OEMメーカーとして、さまざまな有名ブランドに高品質ダウンを提供していたそうです。有名どころでは、モンクレールのダウンはピレネックス社製であることが知られています。
あのモンクレールのダウンが。それだけで、いかに高品質かがわかりますね。
だから保温性や耐久性といった機能面は折り紙付き。それにラインナップを見ていただければわかりますが、流行に左右されないシンプルでオーソドックスなデザインのアイテムが多いですよね。
まさに。飽きずに着られそうなものばかりです。次にご紹介したいブランドは、イタリアのデュベティカです。当店ではここのアイテムも数多く取り揃えていますが、特に推したいのは定番ダウンジャケット「デュベドゥエ」。オーソドックスなボーダーキルティングを採用した、バランス抜群のアイテムだと思います。
いいですね、デュベティカ。何を隠そう、僕がここ10年間で一番愛用しているダウンはデュベティカなんです。モデル名がわからないんですけど、「デュベドゥエ」と同様にフードの頂点までジップが施されているダウンジャケットです。
そうなんですね! やはり着心地いいですか?
かなりいいですよ。とにかく保温力抜群で、これさえあればどんなに寒い冬でも乗り切れます。僕が持っているものもそうなんですが、デュベティカのダウンジャケットは表地がちょっとギラっとしたシャイニー素材。イタリアブランドらしく程よいラグジュアリー感があって、気分がふさぎがちな激寒な日に着ると、ちょっと気分を上げてくれるんですよね。
なるほど。冬のアウターは、そういうところも大事ですね。デュベティカはモンクレールと関係があるんでしたよね。
そうです。デュベティカはsince2002年の比較的新しいブランドなんですけど、創業者であるジャンピエロ・バリアーノはモンクレールの元社長です。そしてモンクレール同様、ダウンはピレネックスから提供を受けているんですよ。
それなら品質に間違いはありませんね。
そういうことですね。
Q.アウトドアシーンだけではなく、タウンンユースに最適なダウン&マウンパは?
紹介したいブランドがまだまだあるので、次にいきましょう。アメリカの老舗アウトドアブランド、コロンビアです。
コロンビア、注目株ですよね。値段が手頃なうえに、最近、デザインもかなり良くなってきていて、ファン激増のようです。
老舗の総合アウトドアブランドだけに、アイテムの幅が広いのも魅力ですよね。フリースやダウンジャケットから、シューズ、バッグ類まで、アウトドア系のアイテムはほぼ網羅しているので、何か欲しいものがあったらまずコロンビアをチェックするのがいいと思います。
一押しはやっぱりアレですよね? 話題の……。
そう、アレです(笑)。「ロマビスタフーディー」です。
これ、マウンテンパーカーというカテゴリーでいいんですか?
アウトドアブランドであるコロンビアの商品ですから、マウンテンパーカーと分類していいと思うんですけど、おっしゃる通り、ただのマウンパとは違いますよね。
裾の丈とかリブ使い、フロントジップのシンプルな仕立てとか、ワークジャケットの要素を取り入れていますよね。それでいて、袖やフードのデザインは完全にマウンテンパーカー。両方の良い点をミックスしたデザインが新鮮でおしゃれだと思います。
ありそうでなかったデザイン性が受けて、大ヒット商品になっています。裏地にフリース、表地にコットンを用いた生地も程よい保温性で、使い勝手がいいようです。
あ、それ分かります。ここまで紹介してきたような本気のダウンジャケットって、本当に暖かいから真冬の屋外を歩くときは「もう最高!」って思いますけど、お店の中などに一歩入ると……。
そう! 保温性が良すぎて、暖房の効いた屋内に入ると途端に暑く感じられることがあります。
冬のアルアルですね。ダウンジャケットはかさばるから、脱いで手に持つのも億劫。だから暖かい屋内でも我慢して着たままでいると、汗がダラダラ出てきたり。
そうなんですよ。冬場のアウターは、その日の行動に合わせて考えないといけないんですよね。このコロンビアの「ロマビスタフーディー」はそこそこの保温性なので、屋内と屋外を行き来するような日に使うといいですよ。
ワークテイストをミックスしたデザイン性も含め、タウンユースできるアウトドアアイテムとして評判がいいようですね。最近は特にそういう需要が伸びているから、人気が出るのも納得です。
ミラノ発のブランド・タトラスも、タウンユース向きなアイテムがたくさんラインナップされていると思います。デュベティカと同じイタリアンブランドですが、より洗練されていて、大人の雰囲気を醸し出しているブランド。最高純度のポーランド産ダウンを使用しているので、抜群に軽くて暖かく、着心地最高ですよ。
値段もなかなか……
そう、ちょっとお高めではありますが、素材感や縫製など、一般的なアウトドアブランドとは一線を隠すような高級感があって、まさに一生ものです。ダウンジャケット「ドミッツィアーノ」などは洗練されて落ち着いた雰囲気なので、どんなシーンでも着られると思いますよ。
確かに、ビジネスシーンでスーツの上に着てもおかしくないですね、フードが取り外し式になっているのは、そんな都会モードでも着やすいようにという意図があるのかもしれませんね。
そうなんですよ。ジャケットやスーツスタイルにダウンを重ねるのって、ちょっと抵抗があった方も多いかもしれませんが、タトラスのようなアーバンな雰囲気だったらまったく問題ないと思います。
表地の素材もウール95%+絹5%ですか。アウトドアウェアっぽいツルンとした素材感ではないのも、街で大人が着るのに最適ですね。
Q.究極の冬物ぽっかぽかウェア。電熱ジャケット&ベストのおすすめ品
そして最後。ちょっと激推ししたいんですけど、当店のオリジナルブランドであるインクルーシブの電熱式アウターです。中綿入りのジャケットとベストがあるんですけど……。
愛用させていただいております(笑)。
そうでしたよね。佐藤さん、去年からこのベストを使っていらっしゃるとか。
はい。もう手放せない体になってしまいました(笑)。電熱式の虜にしていただき、ありがとうございました。
モバイルバッテリーに接続すれば発熱し、内からポカポカ温まる電熱アウターは、ここ数年、非常に注目されていますよね。
もっと前からバイク乗りやガードマンなどの間では知られていたアイテムらしいのですが、一般ユーザーの間で流行りだしたのはここ数年のことですね。まあ、これの良さは使った者じゃなきゃわからないですよ。
そんなによかったですか(笑)。
そりゃもう(笑)。最初はゴルフで使おうと考えていたんです。でも僕は下手っぴなので、自分の打った球を追って必死で山登りすることが多く、体は常にポカポカ。出番はありませんでした。そこで次のスキーのときにでも使おうと思いつつ、朝晩の犬の散歩時に実験的に使用してみたら、まあ、これが最高で(笑)。スイッチを入れると10秒足らずで首と背中がホカホカしてくる。人間、ここさえ温まれば大体OKなんだなということがよくわかりました。
設定温度は45℃、35℃、25℃と切り替えられます。
使ってみた感触では、東京の冬だったら基本は25℃。一番寒い時期でも35℃で十分です。スキーに行ったり氷上でワカサギ釣りしたり、アラスカ探検したり(笑)するときは45℃設定がものをいうのかな。これ、評判はどうですか?
おかげさまで上々です。昨シーズンまでブラック一色だったのですが、今シーズンから迷彩柄とカーキも追加します。どうですか、もう1着。
マジですか!? カーキ、良さそうだな。ベストしか持ってないから、ジャケットを買っちゃおうかな……。
お買い上げ、ありがとうございます!
考えるスキを与えませんね。さすが、敏腕店長(笑)。