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パン作り Q&A〜お菓子のトラブルとポイントQ&A〜

パン作りをしていると、レシピ通りにやっているはずなのに、どうしてもうまくいかなかったり、疑問に思うことが出てきますよね。
「生きもの」であるパン生地の、そこが面白いところではありますが、疑問のままにしておくのも困りもの。ここでは、パン作りの途中でよくぶちあたる、色々な「困った」にお答えします!



■冷菓
Q.ゼリーが固まりません。(または、ゆるい)
A.
ゼラチンの膨潤方法は正しいですか? 水を多く入れていませんか?
【粉ゼラチンの場合】
ゼラチン重量の5倍の冷水を入れたボールにゼラチンをダマにならないように振り入れ、竹串などでよく混ぜて5分以上おきます。
【板ゼラチンの場合】
たっぷりの冷水にゼラチン全体が浸かるようにします。長さを半分に切ったり、重ならないように10分以上浸水させ、『ゼラチン重量+ゼラチン重量の5倍の水』で計量して使用します。

膨潤したゼラチンは、85℃以上の液体で完全に溶かしてから使います。型に流し込む前に冷却し過ぎたり、または生クリーム・ホイップなどを合わせる際は、クリームが冷え過ぎていると、ゼラチンの1部だけが先に固まってしまい、全体が均一に固まりません。
やわらかすぎる場合は、ゼラチン量を増やして対応しましょう(最大液体の2%)。
また、パイナップルなどに含まれるたんぱく質分解酵素は、ゼラチンを固めにくくしますので、注意が必要です。
Q.オーブンでプリンを焼くと、すだちができてしまいます。
A.
プリンを高い温度で一気に加熱すると、水分が蒸発し、気泡ができます。
その気泡が外に逃げる前にプリンが固まってしまい、すだちができてしまいます。
(「す」が入るともいいます)

すだちがない滑らかなプリンを作るコツは、ゆっくりと加熱することです。
まず、バットの底に布巾を敷きます。その上にプリンを並べ、プリンカップの高さの1/3くらいまでぬるま湯を入れます。
バットを天板にのせオーブンで蒸し焼きにします。
こうすることで熱がゆっくりとプリンに伝わり、すだちができるのをふせぐことができます。

■ケーキ
Q.スポンジケーキが思うように膨らみません。
A.
まず全卵を泡立てる器具すべてを油脂分を取り除くために洗剤でよく洗います。
全卵と砂糖を合わせたら、すぐによく混ぜましょう。放置すると浸透圧で砂糖が固まってしまい、ダマが残ってしまいます。
全卵と砂糖は湯せんしながら撹拌を続け、60℃位まで温めてからハンドミキサーなどで常温に下がるまで撹拌します。生地にねばりが出て、たらすとリボン状にしっかり跡が残る位が目安です。
小麦粉は必ずふるい、空気が入り軽く混ざりやすくします。小麦粉を加えたら、生地を練らないようさっくり混ぜます。
生地を一気に型に流し入れ、ここでまたゴムベラで練らないように気をつけましょう。
Q.ホイップしすぎて分離した生クリームを滑らかにする方法はありますか?
A.
液体の生クリームを加え、ゴムべらでゆっくりなじませると滑らかな状態に戻せます。
余分な生クリームがないときは、牛乳を大さじ1くらい加え、ゴムべらでゆっくり混ぜます。
牛乳を足すときは、生クリームに対して20%くらいまでにしてください。
Q.スポンジ生地がぱさつきます。
A.
卵を泡立て過ぎると空気を多く含み、乾燥の原因になります。
以下の状態を泡立ての終わりの目処にしてみてください。
【共立て生地の場合】
生地を持ち上げ8の字をゆっくり書き、書き終わる頃に書き始めが消えかけているくらいがちょうど良い状態です。
【別立て生地の場合】
メレンゲを泡立て器で持ち上げたときに、メレンゲの先が、鳥のくちばしのような形になる状態が良い固さです。

また、共立て生地の場合、湯煎にかけて卵を泡立てるときは温めすぎに注意してください。
卵が温まりすぎると気泡が大きくなり乾燥しやすくなるので、人肌よりも高い温度にならないように気をつけてください。

他にも、焼いている途中に何度もオーブンを開けてしまうと蒸気が逃げてしまい、乾燥してしまいます。
膨らまない原因にもなるので、焼き上がりまでオーブンはなるべく開けないでください。
Q.カスタードクリームが粉っぽい味になってしまいます。
A.
じゅうぶんに火が通っていないと粉っぽい味になってしいますので、火加減は強火にし、泡立て器で全体をしっかり混ぜてください。
混ぜていると最初は重たく感じるのですが、火が通ってくると軽く感じるようになります。
ツヤがでてきてポコポコと沸いてきたら火を止めてください。
クリームをすくうと、スーッと滑らかにおちる状態になればできあがりです。
Q.メレンゲが角が立つほど泡立ちません。
A.
ボウルや泡立て器に油脂分や汚れが付いていると、卵白の泡立ちを悪くしてしまいます。
お使いになる前にきれいに洗い、よく乾かしておきましょう。
また、卵黄と卵白を分けるときに卵黄が割れて混ざってしまうと、卵黄の油脂分が卵白の泡立ちを妨げてしまいますのでお気をつけください。

<メレンゲを作るコツ>
1.最初は砂糖を入れずに卵白だけを泡立てます。
2.きめ細かくなってきたら、グラニュー糖を少量加えて泡立てます。
3.ツヤが出て、きめが細かくなってきたらグラニュー糖を少量加え再び泡立てます。
4.1〜3を3〜5回繰り返すと、ツヤがあり角が立つきれいなメレンゲが出来上がります。
Q.チーズケーキを作ったら、クリームチーズのダマが残ってしまいました。
A.
使う前の下準備として、常温に戻しておきましょう。
使う量が多いときは、あらかじめ麺棒などで叩いてつぶしておくと、柔らかくなって混ぜやすくなります。
また、焼いたり、冷やし固めたりする前に一度漉して、ダマが残っていないかチェックしましょう。
もしダマが残っていても、裏ごしすれば生地の中に入れても大丈夫です。
Q.スポンジケーキを焼くと、オーブンの中では膨らんでいるのに、出すとしぼんでしまいます。焼色は付いているんですが…
A.
オーブンの温度が高いと、中は焼けていないのに表面だけが焼けてしまうことがあります。
設定温度を下げて焼いてみてください。
また、焼きすぎていると冷めたときに「焼き縮み」といって、小さくなってしまうことがあります。
この場合は、焼き時間を短くして様子を見ましょう。

■お菓子のコツ
Q.コンチェルト(ホワイトチョコレート)にカカオパウダー(ココアパウダー)を混ぜられますか?
A.
カカオパウダーを混ぜていただいても大丈夫です。
ただ、いくつかご注意をいただきたい点がございますので、手順も含めてご紹介をさせていただきます。
・ホワイトチョコレートを40〜50度の湯煎で溶かしていただきます。
・30〜32度の人肌程度まで一旦冷ましていただきまして、チョコレートの分量の5%程のカカオパウダーを入れていただきます。
(カカオパウダーは水分を吸収する性質があるため、分量が多すぎるとチョコレートの水分が少なくなり、きちんと混ざらなくなってしまいます。そのため、最初は5%程から混ぜていただきまして、あとはお好みに合わせて少しずつ足していただければと思います。)
・チョコレートが冷めてしまうと均一に混ざらなくなってしまいますので、一度人肌まで冷ましていただいたあとは、温かいタオルなどで冷めすぎないよう、温度の調整をしていただきながら、泡だて器かゴムベラでゆっくりと混ぜてください。
なお、勢いよく混ぜてしまうと、チョコレートがボソボソになってしまう恐れがありますので、ご注意くださいませ。
Q.粉ゼラチンと板ゼラチンの違いはなんですか?
A.
粉ゼラチンは、使用する水分の2〜3%を分量中の水を使ってふやかします。
ふやかすときのゼラチンと水の割合は1:5です。
分量中の水を使ってふやかすので、ゼラチンを入れる溶液は総量から水を減らした量になります。
例えば、使用する水分量が300gのオレンジゼリーを作るとき、6gの粉ゼラチンを30gの水でふやかします。
ふやかすのに30gの水を使ったのでオレンジジュースの量は270gとなります。 しっかり固めたいときは粉ゼラチンが向いています。

一方、板ゼラチンは粉ゼラチンと同じく使用する水分の2〜3%を使用するのですが、分量外の水につけてふやかします。
分量外の水を使ってふやかすので、溶液を減らす必要はありません。
たんぱく質のにおいが少なく、透明感のある仕上がりになります。
柔らかい食感にしたいときは板ゼラチンが向いています。 どちらもふやかすときは必ず水を使ってください。お湯を使うとふやける前に溶けてしまいます。
Q.マシュマロとギモーヴは同じものですか?
A.
どちらも同じ“ウスベニタチアオイ”という植物の名前が由来で、マシュマロはアメリカ、ギモーヴはフランスが発祥のお菓子です。
もとはゼラチンのかわりに、この植物の根から取れる粘液で固めていたことから、そのまま菓子の名前として残っています。
この2つの違いは材料にあります。
マシュマロはメレンゲに香料を加えゼラチンで固めますが、ギモーヴはピューレとゼラチンを泡立てて固めます。
そのため、ギモーヴのほうが柔らかくジューシーな食感になっています。
Q.ドーナツにコーティングチョコレートをかける場合、1個あたりどれぐらいのチョコレート量になりますか?
A.
作っていただくドーナツの大きさにもよるのですが、ドーナツの片面全部にチョコレートをコーティングしていただくと、1個あたりおよそ10〜15gのチョコレート量になります。
なお、オールドファッションのような、デコボコとした表面ですとチョコレートがつきやすくなります。
また、アツアツのドーナツにはチョコレートがつきにくいので、粗熱を取って、人肌程度の温度に冷ましていただき、湯煎で50〜60℃に溶かしたチョコレートをつけていただきますときれいにコーティングできます。
Q.形のくずれないきれいなシュクセの作り方を教えてください。
A.
きれいなシュクセを作るには、2つのコツがあります。
まずは、メレンゲをカチカチになるまで泡立てることです。
卵白よりもグラニュー糖のほうが多い配合なので、しっかり泡立てても分離する心配はありません。
ミキサーを低速にしたときに、ホイッパーの中にメレンゲが固まるくらいが目安になります。

次に、カラカラに乾燥するまで、低温でじっくりと焼成します。
水分が残っていると、形がくずれやすくなりますので、100℃くらいのオーブンでじっくりと乾燥焼きをして、しっかり水分を抜いて形を固定します。
Q.果物を飾るとき、果物についている水分が気になるのですが、どうしたらよいですか?
A.
果物は基本的には水洗いせずに使用します。
水で濡らしたキッチンペーパーなどで、表面をきれいに拭いてお使いください。
ただし、オレンジやライムなど、柑橘系の果物は外皮に農薬や防腐剤が付着しているので、少量の台所用洗剤で洗い、水分をきれいにふき取ってお使いください。
Q.フルーツをたくさんのせたタルトやケーキを作りたいのですが、色のバランスを整えるのが難しいです。
A.
フルーツを飾るときは、色の薄いフルーツから盛るとバランスがとりやすくなります。
例えば、苺・ブルーベリー・キウイ・オレンジ・グレープフルーツを盛る場合、グレープフルーツ・オレンジ・キウイ・苺・ブルーベリーの順になります。
レシピ本に載っている写真を見ながら盛り付けると、コツをつかみやすくなります。
Q.グラニュー糖と上白糖は使い分けたほうがよいですか?
A.
グラニュー糖よりも上白糖のほうが「蜜」の量が多いため、仕上がりにもその違いが出ます。
さっぱりとした甘さにしたいときはグラニュー糖を、しっかりとした甘さにしたいときは上白糖がオススメです。

■商品の使い方について
Q.シリカゲルは、どのサイズを使えばよいのですか。
A.
入れるお菓子やパンの重さの1/20〜1/25を目安にお考えください。
例えば、50gのクッキーを入れる場合、2g(1/25で計算)のシリカゲルになります。
また、仮に10gのシリカゲルを入れないといけないときは、2gを5個でも、5gを2個でも効果は変わりません。
Q.生クリームの選び方を教えてください。
A.
購入する際、乳脂肪%と規格を確認します。【クリーム】とあれば純乳脂肪のみのクリームで、デコレーション用ホイップクリームには乳脂肪40%以上が向きます。
ムースや、料理には乳脂肪35%前後など用途で選ぶとよいでしょう。購入後は冷蔵庫で1晩ほど休ませ、さらに氷水で冷やしながらホイップすれば乳脂肪が安定し、黄色くバター状になりにくくなります。
もちろんホイップし過ぎると黄色くバター状になってしまいますので、ホイップは慎重に”ちょっとゆるい位”に立てて、使用直前に調整するとよいでしょう。 【乳等を主要原料とする食品】の場合は、植物性脂肪、安定剤などが入っており、ホイップの失敗が少なく、白さが強調されます。いずれも用途に合わせて選びましょう。
Q.ケフィアの種継ぎはできますか?
A.
種継ぎで連作をしてしまうと、空気中の雑菌がはいりやすくなるため、どうしても、ケフィアの菌のバランスが崩れてしまい、雑菌が繁殖してしまう恐れがあります。
また、連作によって風味や味わいが変わってしまう場合もございますので、必ず1度ずつ新しく作ってくださいませ。
なお、ケフィアの発酵適温は、人の生活適温と同じ20〜30℃になりますので、冷暖房のある部屋では通常1日で発酵できます。
しかし、気温の下がる季節には、冷暖房のない部屋では発酵に2〜3日かかる場合がございます。
表面がつるんとプリンのような固さになりましたら、発酵終了となります。
Q.発酵バターと普通の無塩バターはそれぞれどんなお菓子に向いていますか。
A.
発酵バターには特有の香りがあり、生地をより香ばしくしてくれるので、フィナンシェなどの焼き菓子やパイ生地、タルト生地には発酵バターが向いています。
また、無塩バターは他の素材の香りを引き立たせるので、フルーツを飾ったり、生クリームやムースを重ねたりするスポンジケーキに向いています。
Q.乾燥剤(シリカゲル)と脱酸素剤の使い分け方は?
A.
乾燥剤(シリカゲル)は湿気を吸収してくれるので、食感を残したいお煎餅やクッキーなどの保存に適しています。
食感は残せるのですが、食品の劣化を抑えることはできないので、長期保存には向いていません。

脱酸素剤は、酸素に触れることで起こる、油脂やビタミンの変質・風味の変化・カビの繁殖などを抑えるので、しっとりとした、マドレーヌやパウンドケーキなどの、半生菓子の個包装に向いています。
脱酸素剤は酸素を通さないガス袋に入れて、シーラーなどで密封してお使いください。
Q.ケーキを作るときにバターの代わりにマーガリンを使用してもいいのですか?
A.
マーガリンでも代用できます。
マーガリンを使用すると、バターに比べて食感や風味が軽くなります。
お菓子にコクや深みを出したいときはバターを、香りや食感に軽さを出したいときはマーガリンを、というように使い分けてみてはいかがでしょうか。
「バターの香りがほしいけど、食感は軽くしたい…」というときは、バターを配合したコンパウンドマーガリンがおすすめです。
Q.ケーキを作るときベーキングパウダーの代わりに重曹を使っても大丈夫ですか?
A.
ベーキングパウダーは縦に、重曹は横に膨らむ性質があるので、縦に膨らましたいケーキにはベーキングパウダーがおすすめです。
また、膨らむ力がベーキングパウダーの方が重曹よりも2倍強いので、レシピの配合をそのまま代用すると膨らみが悪くなります。
では、ベーキングパウダーの2倍の重曹を入れればよいかというと、そうでもありません。
重曹はベーキングパウダーよりも苦味があるので、ケーキの風味を邪魔してしまいます。
やはり、作るお菓子に適した材料を使うことをおすすめします。

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