完成!日本唯一の虎竹ボックスカート REIWA-125号

完成!日本唯一の虎竹ボックスカート REIWA-125号では、竹虎創業125周年を記念して作ったソープボックスカーについて詳しくご紹介します。 REIWA-125号の初期完成イメージ図と完成品

虎竹のボックスカート

日本唯一の虎斑竹(とらふだけ)で作ったボックスカート「REIWA-125号(れいわ いちにごごう)」。ボックスカートとは、エンジンを搭載せず、重力のみを動力に走る手作りの車の事です。竹虎自慢の曲げの技術を駆使し、竹の曲線と直線、両方の美しさが活きるように仕上げました。

REIWA-125号

創業125周年を記念して命名

2019年5月、日本では平成から令和へと元号が変わり新たな時代が始まりました。そして令和元年は、竹虎が創業125周年を迎える節目の年でもあったのです。そこで、竹虎オリジナルのボックスカートは新元号と、竹虎が重ねてきた年月を併せて「REIWA-125号」と名付けました。

竹職人が本気で作る

老舗竹屋のベテラン竹職人が、本気で作ったソープボックスカーです。竹虎創業以来、脈々と受け継がれてきた竹の加工技術が、いたるところで光ります。

油抜き

炙り加減が命

竹は油分の多い植物です。「油抜き(あぶらぬき)」は、竹の余分な油を抜いて耐久性を高め、同時に表皮の汚れを落とす作業の事。炙り過ぎると竹が破裂するため、限界を見極めて適度に熱を入れることが大切です。

矯め直し 矯め直し

125年培った矯め直しの技

最初からまっすぐな竹など、一本としてありません。油抜きの熱を利用して、人の感覚でだけで、竹の曲がりを矯正するのです。竹の重さや反発、立ち上る湯気。それぞれ違う竹の性質を瞬時につかみ判断します。

竹割り

経験とテクニック

竹割りは、竹細工に加工する上で基本の工程。均等に割れ目を入れ、均等に力をかけ、できるだけ真っ直ぐに割ります。

やたら編み

竹細工の顔

ヤチャラ編み、ゴザ目編み、四ツ目編み。竹の編み方は数えきれないほどあります。編み方で竹細工の機能性や表情が決まるのです。

REIWA-125号

職人の感覚のみ

竹が曲がる丁度よい薄さを見つけるのも至難の業です。削った厚みが不均等でも、綺麗な曲がりになりません。しかも、REIWA-125号には型枠などはなく、アールの具合はすべて職人の感覚で決めるのです。

REIWA-125号の全貌を大公開
REIWA-125号の正面 REIWA-125号

直線と曲線

竹には、真っ直ぐに伸びる「直線美」と、しなやかに曲がる「曲線美」の両方があります。竹の原点とも言えるこのふたつの特性を表現したいと考えました。ボックスカートは車体が走行時に激しく揺れます。虎竹フレームを紐で繋いで柔軟性を持たせて仕上げました。床部分は虎竹を均等の幅に割って隙間無く並べています。

REIWA-125号の側面 REIWA-125号の側面

流れるボディ

一度へこみ、また膨らむ。竹虎自慢の曲げの技で、美しい流線形のボディが完成しました。

こだわりの装備品

REIWA-125号のハンドル

虎竹ハンドル

虎竹を厳選して作った車体です。ハンドルも潔く虎竹一本。

REIWA-125号のサドル

竹編みのサドル

サドルはやはりヤタラ編みで仕上げました。最近メキメキと腕を上げている若い職人が手掛けましたので、座り心地は最高です。

REIWA-125号のタイヤ

タイヤ

高橋自転車様で、グリップの強いマウンテンバイク用のタイヤに交換していただきました。

REIWA-125号の背面 REIWA-125号の背面ウイング

タイガーバンブーウィング

虎竹フレームを左右に7本づつ、羽のように取り付けました。折りたたみ可能!タイガーバンブーウィングです。

REIWA-125号

ヒントはバッグ

背面の折りたためるウィングのヒントになったのは虎竹バッグ ニューヨーカー。戦後日本から欧米に輸出されていた竹かごバッグをもとに復刻したバッグです。

REIWA-125号

竹の美しさが詰まった車体

竹は、「柔」と「剛」という相反する特性を秘めた面白い素材です。REIWA-125号では竹のしなやかさとシャープさを表現しました。制作期間約2カ月、前から見ると竹の曲線美、横からは竹の伸びやさかを感じる、竹素材ならではの美しい車体が完成です!

REIWA-125号