基本のKEY クリームパン
~グローブ成形~

日本の代表的な菓子パンと言えば、中級編でマスターしたあんぱんに次いで、ジャムパン、クリームパンを思い浮かべるのではないでしょうか? 今回は昔ながらのグローブ成形で作るクリームパンをマスターしましょう!
よくある失敗の焼いている間にカスタードクリームが生地の中から出てきてしまう多くの原因は、生地の状態と成形方法にあります。 失敗しにくいグローブ成形のポイントやコツを掴んで美味しいクリームパンを作りましょう。
また、フランス語でクレーム・パティシエール(菓子職人のクリーム)と呼ばれる、バニラの香りの濃厚なカスタードクリームは、多くのパンやお菓子作りに使われる基本のクリームです。
ぜひ、こちらもマスターしてください。

【シェフのワンポイントアドバイス】
綴じ目に切り目を入れるのは、生地をしっかりと綴じるためだけでなく、内側に溜まってしまった空気の逃げ道を作るためでもあります。深く切り目を入れ過ぎないように気をつけて行いましょう。

材料(6個分)

 
材料名 配合率 分量

【生地】

 

 

強力粉(はるゆたかブレンドプレミアム7)

100%

150g

上白糖

4%

6g

きび砂糖

4%

6g

2%

3g

スキムミルク

4%

6g

セミドライイースト 金

1.2%

2g

卵黄

20%

30g

50%

75g

無塩バター

7%

10g

 

 

 

【カスタードクリーム】

 

 

牛乳

 

200g

卵黄

 

40g

グラニュー糖

 

35g

薄力粉(ドルチェ)

 

10g

コーンスターチ

 

10g

バニラビーンズ

 

2g

 

 

 

【トッピング】

 

 

アーモンドスライス

 

お好みで

作り方

1.下準備

【生地】
・セミドライイーストを水で溶かしておきます。
・強力粉、上白糖、きび砂糖、塩、スキムミルクをよく混ぜ合わせておきます。
・バターを室温に戻しておきます。

【カスタ―ドクリーム】
・薄力粉とコーンスターチを合わせてふるっておきます。


2.【カスタードクリーム】

鍋に牛乳とバニラビーンズをいれて弱火にかけ、沸騰直前まで加熱します。
ボウルに卵黄とグラニュー糖を加え、白っぽくなるまで擦り混ぜます。(ブランシール)

シェフのワンポイントアドバイス


ブランシールとは卵黄と砂糖を空気を含ませながら、白くなるまで混ぜることをいいます。
この作業を行うことによって、熱の伝わりが緩やかになるので後に混ぜる粉類や温まった牛乳などの他の材料がダマになりにくく綺麗に混ざりやすくなります。
また、しっかり混ぜることにより空気を含み、なめらかな口当たりに仕上がります。

準備しておいた粉類を加え、再度擦り混ぜます。
牛乳が沸騰直前まで温まれば、ボウルに少量ずつ加えながら混ぜ合わせていきます。
全体がなじんできたら鍋に戻し、クリームが鍋に焦げ付かないように泡立て器で手早く混ぜながら 鍋底からフツフツとしっかり沸騰するまで加熱していきます。
次第にトロミがついてきて、部分的に固まってくるので、ダマにならないように鍋底からしっかりと混ぜ合わせます。


締まった状態のクリームから、少し緩み艶が出てきたら火から外します。
清潔な乾いたボウルやバットに、アルコールスプレーを振りかけてからクリームを移します。
表面が乾いて膜が張らないように、上からラップをかけて密着させ、氷煎をして急冷します。

シェフのワンポイントアドバイス

カスタードクリームは栄養の多い材料を使って作るため傷みやすいので清潔な容器に移してください。
菌が繁殖しやすい温度帯(60~20℃)を早く通過させるために必ず急冷しましょう。
また、成形方法によってカスタードクリームの固さを調節してください。

【カスタードクリーム作りのPointを動画で!】



3.ミキシング

ボウルにイースト溶液、混ぜ合わせておいた粉類、卵黄の順で入れて、捏ねていきます。
グルテンチェックをし、ある程度なめらかな状態になればバターを加えて、さらに捏ねていきます。
なめらかな状態になれば、綺麗に丸めて分量外の油脂を塗ったボウルに入れます。


     ■推奨捏ね上げ温度:27~28℃

4.フロアタイム(一次発酵)

温度32℃、湿度80%(発酵器)で、約60分発酵させます。



5.分割・丸め

約45g(6玉)に分割し軽く丸めます。


6.ベンチタイム

約20分生地を休ませます。


7.成形(グローブ成形)

生地をめん棒で楕円形に延ばします。
生地の端半分に分量外の塗り玉をし、中央にカスタードクリームを絞ります。
クリームを包むように上から生地を折りたたみ、両端をしっかりと閉じます。

※この時、上にかぶさる生地の方が少し大きく、端がはみ出るように重ねてください。

焼成の際にはじけてしまわないように、スケッパーやドレッジなどを使い3か所ほど切り目を入れて綴じます。

シェフのワンポイントアドバイス

生地がしっかりと閉じられていないと、焼いている間にカスタードクリームが生地から出てきてしまうので注意しましょう。
また、水分量のあるカスタードクリームを包み込んでいるので、加熱すると生地の内側に水蒸気が溜まり、空洞化したり破裂しやすくなります。
綴じ目に切り目を入れるのは、生地をしっかりと綴じるためだけでなく、内側に溜まってしまった空気の逃げ道を作り空洞化を防ぐためでもあります。 切り込みをし過ぎないように気をつけましょう。

【成形のPointを動画で!】


8.ホイロ(最終発酵)

温度34℃、湿度80%(発酵器)で、約60分発酵させます。


9.焼成

塗り卵(分量外)をして、アーモンドスライスをトッピングします。


200℃に予熱しておいたオーブンに入れ、約13分焼きます。

※オーブンの機種・小麦粉等の違いにより焼き上がり時間・焼き上がり方は異なります。 お持ちのオーブンに合わせて、温度や時間を調節してください。


10.完成



レシピ作成者:Shimizu、photo:Konishi
所要時間:3時間

パン作りのコツを学ぼう!

SNS