基本のKEY くるみの下処理

くるみを混ぜ込んだパンがパサパサしたり、くるみの風味がしなかったという経験はありませんか?
それは、生地に混ぜ込む際にくるみの下処理がきちんと行われていないからかも知れません。
クルミをローストすることにより香ばしさ、風味がよくなりますがそのまま生地に混ぜ込むと生地中の水分をくるみが吸収してしまい、パン生地がパサつく原因に繋がります。 また、くるみはエグみや渋みが強いので、今回は一般的なぬるま湯ではなく牛乳に漬け込んでマスキングする方法を紹介します。
下処理をしっかり行うことで生地の水分を保ち、乾燥することなくふっくらとしたパンが焼きあがります。

【シェフのワンポイントアドバイス】
香ばしくしっかりとした食感のパンを作るには、くるみの下処理をしっかりと行うことと、混ぜ込むタイミングがポイントになります。
くるみが美味しくなる下処理方法や混ぜ込みのポイントを押さえて、いつものくるみパンをワンランクアップしていきましょう。
また、ローストしてあるくるみであっても開封から日にちがたったり、湿気った時も軽くローストしてから漬け込むと香ばしさ・風味が増します。

材料

材料名 分量

クルミ LHP

100g

牛乳

適量

作り方

1.くるみの下処理

香ばしさを出すため、ローストします。

【シェフのワンポイントアドバイス】
温度があまり低すぎると脂肪分が滲み出るような感じになり、コクが失われてしまうので、160~180℃のオーブンで10分前後ローストします。
(ローストする量により時間を調整してください。)
    基本のKEY くるみの下処理の下処理

2.

ロースト後、使用用途に合わせて、軽く砕きます。

※ローストする際、クルミLMPを使用すると、砕く手間が省けてとても便利です。

3.

ぬるま湯で軽く洗い、しっかり水気を切ったあと剝けたうす皮を取り除きます。
そうすることで、舌触りが良くなります。

    基本のKEY くるみの下処理の下処理

4.

くるみがひたひたに被るくらいの人肌程度の牛乳に、約15分漬けます。
ザルにあげ、しっかり水気を切ってから使用します。

【シェフのワンポイントアドバイス】
くるみはナッツ類の中でもエグみや渋みが強いので、マスキングするために牛乳に浸けて置くのがおすすめです。
    基本のKEY くるみの下処理の下処理
    基本のKEY くるみの下処理の下処理

5.生地へ加えるタイミング

生地に加えるタイミングを大きく分けると、捏ね上げ後、パンチ時、分割時、成形時に分かれます。

【シェフのワンポイントアドバイス】
より多くの混ぜものをする場合は、一度に加えても上手く混ざらなかったり、パン生地の発酵がおそくなったりします。
分散して混ぜ込むことで、混ざりやすかったり、パン生地の発酵もストレスなくスムーズに進みやすいです。
また、種類によって形状や硬さが違うので、生地を破かないよう気をつけましょう。

ナッツ類の配合が対粉50%を超えると生地が繋がりづらくなり、生地自体も重たくなることで発酵が遅く、窯伸びも悪くなったりします。
ボリュームを求めたり、ソフトさを求める場合は、下記の対策方法があります。

【中種法で仕込む】
配合する50%以上で種を作り、一度発酵させたあと、残り材料をいれ再度ミキシングして生地を作る方法です。
生地の硬さも調整しやすく、繋がりの良い生地になり発酵力も安定します。

【発酵種(老麺生地)を加えて生地を仕込む】
伸びの良い生地ができ、発酵力が安定します。
また、風味も増します。

【酵母量を増やす】
混ぜものが多いと、その分生地全体が重くなり、膨らみが悪くなります。
また、火の通りも悪くなり口溶けも悪くなります。
酵母量を増やすことでボリュームを出しやすくし、火の通りも良く口溶けの良い焼き上がりになります。

【力の強い強力粉を選ぶ】
混ぜものが多いと生地の繋がりが悪くなったり、窯伸びがわるくなったりします。
グルテン量が多く、強い小麦粉を選ぶことで改善できます。

6.アレンジ例

しっかりと下処理を行う事でパン生地はパサつかず、混ぜ込んだくるみは香ばしく良い食感に仕上がります。

■ソフト系
プレミアム7で作るくるみパン⇒レシピはコチラから

    アレンジ例

備考
レシピ作成者:Shimizu、photo:Sawai
所要時間:30分以内

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