奥本製粉株式会社 
製パン技術講習会レポート

Day1:2023年10月25日
会場:奥本製粉株式会社内テクニカルセンター
講師:奥本製粉株式会社 テクニカル担当 日根野谷 禎 様

美味しくなる一手間と、
それを支える主原料の小麦粉の力。

2023年10月25日。
奥本製粉株式会社テクニカルセンターにて、台湾よりベーカリーシェフをお招きして製パン講習会を開催させていただきました。
奥本製粉株式会社代表取締役社長 小笠原様の開会の挨拶とともに、国を超えたパンの学びの会が始まりました。
2日間の講習会初日の講師は奥本製粉株式会社テクニカル担当の日根野谷様で、通訳さんを介して新商品の「湯だねっ粉」を使用した6アイテムの実演を行なっていただきました。

奥本製粉株式会社 代表取締役社長 小笠原様

講師の日根野谷様と通訳さん

ブリオッシュ食パン

~湯だねっ粉使用~

湯だねっ粉を通常のブリオッシュレシピに配合することで、卵によるパサつきを抑え「しっとり感」が維持されます。
※使用小麦粉:ベストン+湯だねっ粉

プレーンの山型とオレンジピールとチョコチップの入ったプルマン、丸く成形したブリオッシュと湯だねっ粉を配合したダマンドフィリングにチョコレート・マカダミアナッツを組み合わせた4種類。

おいしくなる秘密

その昔、日本のベーカリーにおいてイーストも小麦粉も不安定な時代がありました。

※事前に液体と結晶(塩、砂糖など)を混ぜ合わせている。

当時はイーストの発酵を助けたり生地への分散が良くなるということに加え、最終的にパンになった時の舌触りや口溶けが向上するため、液体と結晶(砂糖、塩)を事前に混ぜておくのが鉄則でした。
通常のパン作りにおいては、生地を練りながら砂糖や塩が徐々に溶けていきます。その生地の中で水を取り合っている。
その水の奪い合いをなくすべく事前に液体に砂糖や塩を溶かしておくことで、最終的にパンになった時に材料がパンの生地中に均一に分散されます。
もしいつものパン作りにおいて、液体と結晶を事前に混ぜていないようでしたら、一度お試しいただきたい。その違いを感じていただけると思います。

レトロバゲット生地 /
ブランシュ・ド・ノア

~湯だねっ粉使用~

湯だねっ粉をライ麦製品に使用すると、老化の遅延としっとり感を維持できます。また、もち感も付与されます。
※使用小麦粉:アンシェンヌ+湯だねっ粉+セーグルT130

レトロバゲット生地を使った「ブランシュ・ド・ノア」

レトロバゲット生地を使ったブランシュ・ド・ノアは、ナッツ類が非常に多く入った生地。
成形のコツは通常のフランスパンの成形と違い、ゆっくりと自然に生地が伸びるようにすること。

生フランス

~「い~湯だね!R」
「五穀豊穣 黒仕立てα」使用~

通常のフランスパンと違い、米油を配合した生地です。
※使用小麦粉:ベストン+い~湯だね!R、ベストン+五穀豊穣 黒仕立てα

プレーンタイプには「い~湯だね!R」を使用。
「い~湯だね!R」とは、常温保存が可能なレトルトタイプの湯種です。お使いになる前に少し練り合わせておきます。練り合わせて柔らかくすることで、小麦粉と合わせてミキシングした際に粒状の湯種が残ることを防げます。

「い~湯だね!R」を事前に練り合わせる説明

五穀豊穣 黒仕立てα

カレーパン&生ドーナツ

~湯だねっ粉使用~

カレーパンは波のようにトレンドが訪れる商品で、パン屋さんでの売上も非常に安定しています。
ただ、昨今は具材へのこだわりが強い傾向にあるので、今回は素材を活かすために生地作りから一新しました。
カレーパンの生地は湯だねっ粉を使用した「生ドーナツ生地」です。

※使用小麦粉:オーク+湯だねっ粉

カレーパン

湯だねっ粉は生地にも使用していますが、バッター液にも使用しています。

バッター液にも湯だねっ粉を使用

バッター液に湯だねっ粉を使用することで、パン粉の付きが良くなり油の吸油を少なくできます。
そのため、フライ中の油にパン粉が剥がれることも少なくなります。
パン粉などのカスが少ない=フライ油の劣化も抑えられます。

生ドーナツ(和三盆仕立て)

フライ後に冷凍保存しておいた生ドーナッツを解凍して、和三盆をトッピング。

粉糖とは違い、上品な和三盆の味と香りが生ドーナッツの生地にマッチしていました。

パン ペイザン

~「湯だねっ粉」
「焙煎香る全粒粉」使用~

年々ベーカリーでよく作られるようになったハード・直火焼き系の商品。
美味しい反面、時間が経つとナッツやドライフルーツがパンの水分を吸収するため、数日後にはパンがパサつきやすくなります。
パン生地に湯だねっ粉を配合することで、水分をしっかりと保持してくれるため老化防止(パサつき防止)に効果があります。
※使用小麦粉:アンシェンヌ+セーグルT130+湯だねっ粉+焙煎香る全粒粉

また焙煎香る全粒粉は、非常に香ばしい(食欲をそそる)香りが特徴です。
お使いになる際はちょっとした下処理が必要です。
焙煎香る全粒粉100%:水210%で水漬けを行い、しっかりと全粒粉に吸水させるます。水漬けしてから使わないとパン生地の水分をぐんぐんと吸ってしまい、パサついたパンになってしまいます。

作る生地は多加水のため、オートリーズを取り、バシナージュを行いながらミキシングを行います。

パン・ド・メティル

~湯だねっ粉使用~

パン ペイザン同様にハード系・直火焼き系のパンです。

※使用小麦粉:湯だねっ粉+セーグルT130+琵琶の音

メティル(小麦粉とライ麦粉の配合が、50:50の意味)は、ドイツ語ではミッシュブロート。
ひとつの生地で、レーズンのラム酒漬けと、ドライフィグのキルシュ漬け、アーモンドロースト刻みのコアントロー漬けの3種を作成。

ブレヒ・クーヘン

~湯だねっ粉使用~

ブレヒ・クーヘンはドイツ、オーストリアのスイート系のパン。
ブレヒ=板、クーヘン=お菓子という意味です。

※使用小麦粉:オーク+湯だねっ粉+琵琶の音

菓子パンは副材料の影響で老化が早いが、添加物ではない天然素材(小麦粉)の湯だねっ粉を使用することで改善できます。
天板に敷き詰めた生地を焼き、焼成後にお好みの大きさにカットしてチョコレートカスターを絞った後に、チョコレートホイップを絞りピスタチオをトッピング。

ちょっとケーキのような食感の菓子パンです。
作業効率も良いパンなので、挟むクリームを変えれば商品アイテムを楽に増やせる一品です。

中華まん

中華まん専用に作られた小麦を使用し、インスタントドライイーストとベーキングパウダーを併用。
イーストだけだとガスの多いところと少ないところが出るため、イーストとベーキングパウダーを組み合わせることでガスの気泡を均一化。
またベーキングパウダーを入れることで蒸し上がり後の縮みを防ぐことも兼ねています。

朝9時から始まった講習会。
実際に生地に触れ、皆んなでパンを作り上げる。

疑問を疑問のまま残さず、聞いて覚え、実践できることはすぐに行う。
パン職人のパンに対する情熱は万国共通。
台湾の地で、この講習会のパンがお店に並ぶことを考えると非常にワクワクします。

2日目の講習に続く

 

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