一言で「起毛」と言っても、スエードとヌバックではお手入れの方法が異なります。
スエード(スウェード)は牛・羊などの皮の裏側の繊維の太い部分を、サンドペーパーなどで起毛した革です。
シミになりやすいのでデリケートな革というイメージがありますが、実は物理的にはかなり頑丈です。適切な手入れをすると、意外なほどきれいな状態で長持ちします。
ヌバックは一見スエードの毛足が短い革のように見えますが、牛・羊などの皮の表側の細い繊維の部分を起毛した革で、強度がまったく違います。 非常にデリケートな革なので、取り扱いには若干注意が必要です。
靴やカバン、手袋のような小物と、ジャケットそれぞれのお手入れ方法とおすすめアイテムご紹介いたします。
紳士靴やパンプス・ムートンブーツ等、一般的なスエード靴のお手入れ
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新品をおろす前に必ず 防水スプレー をかけて下さい。
履いた後は、馬毛ブラシで全体のほこりを落とし、時々防水スプレーをかけ直します。
革が乾いてきた感じになった時は、保革栄養&防水効果のある ヴィオラ スエードコンディショナー や コロニル1909 シュプリームプロテクトスプレー がおすすめです。
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部分汚れには 消しゴムタイプのヴィオラスエード汚れ落とし をやさしめにお使い下さい。
落ちにくい黒ずみなどには レザーマスター レザークリーナー をスポンジ等で泡立てて泡で汚れを落として下さい。 クリーニング後は 防水スプレー をかけて仕上げます。
靴などに比べ手に触れる機会が多い小物のお手入れ
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鞄や手袋も新品はおろす前に、スエード靴同様に 防水スプレー をして下さい。
通常のお手入れは時々 スエード・ヌバックブラシ もしくは 馬毛ブラシ を使って、ほこりを落として毛並みを整え、時々防水スプレーを かけ直します。
革が乾いてきた感じになった時は、保革栄養&防水効果のある ヴィオラ スエードコンディショナー や コロニル1909 シュプリームプロテクトスプレー をお使い下さい。
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部分的に汚れてきた際には消しゴムタイプの ヴィオラ強力スエード汚れ落とし がおすすめです。
大きい鞄など、広い面積に使うには ヌバック用のクロス が便利です。
落ちにくい黒ずみなどには レザーマスター レザークリーナー をスポンジ等で泡立てて泡で汚れを落として下さい。
クリーニング後、 防水スプレー をかけて仕上げます。
面積が広く、首元や袖口など部分的な皮脂汚れが付きやすい衣類のお手入れ
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スエードのジャケットはおろす前に コロニル1909 シュプリームプロテクトスプレー をスプレーして下さい。
通常のお手入れは 大きめのブラシ がサッとかけられるのでおすすめです。
コロニル1909 シュプリームプロテクトスプレー を時々かけ直して頂くと、防水効果に加え、保革栄養効果でスエードのなめらかさが保たれます。
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部分的に汚れてきた際には消しゴムタイプの ヴィオラ強力スエード汚れ落とし が効果的です。
袖口に雨じみができた時や日常の汚れには、 ヌバック用のクロス がおすすめです。
落ちにくい黒ずみなどには レザーマスター レザークリーナー をスポンジ等で泡立てて泡で汚れを落として下さい。
クリーニング後は コロニル1909 シュプリームプロテクトスプレー をかけて仕上げます。 ※バッグやスエードの小物に使用できる補色スプレーは、弊社にはございません。
つま先部が擦れて固くなってしまった場合は、 コンビブラシ のラバー面でほぐすように擦って下さい。
色が褪せてきた場合は、中に新聞紙を詰めて 補色用スプレー をお使い下さい。
一番汚れやすいフリンジ部分は「汚さない」ケアがとても大事になります。
防水スプレー
をしっかりとかけて下さい。
防水スプレー
は一度に大量かけるよりも、サッとかけて乾いたらもう一度、と3回ほどかけて下さい。
UGGなどシープスキンの場合は、 コンビブラシ ではなく、 馬毛ブラシ がおすすめです。
ミネトンカのように柔らかめのスエードで、お手入れをするとボロボロと崩れてくるような革の場合は、 コンビブラシ のラバー面でそっと撫でるようにお手入れをして下さい。
起毛用クリーナーは汚れの種類によって使い分けするのが、長く綺麗な状態を保つポイントです。
まだ新しいものや、防水スプレーを使用しているもの。
消しゴムタイプのクリーナー が最適です。革にダメージを与えにくく、拭き取りの手間もありません。
ブラシ
などであらかじめ全体のホコリを落としてからご使用下さい。
ご使用の際はカスが出ますので、使用後にブラシでカスを払い落とし、仕上げに
防水スプレー
をかけて下さい。
起毛革は 構造的に水が染み込みやすく 、水と一緒に汚れが侵入した場合、 落ちにくく目立つシミになるなど致命的なダメージを受け易い素材です。
反面、起毛した革は
表面積が大きく防水の効果が出やすいため、防水スプレーをしておくことで、
効果的にシミや汚れを防ぐことができます。
万一汚れた雨水などに晒されても、防水で
汚れを表面で止められればブラシや消しゴムで簡単に取り除け、永く良いコンディションを保つことができます。
防水とブラシのお手入れだけでは、徐々に乾燥したり、色が褪せてきます。 革の乾燥や色褪せに気付いたら...
オイルや栄養分が入ったスプレーなどで保革をしたり、 靴の場合は補色のために、スエード用のコンディショナーを使用します。
- 靴の補色などに使用するコンディショナーはスプレータイプなので、靴の中や周囲まで色が着いてしまわないよう、新聞紙などでカバーしてください。
- 靴よりもやや薄めのコンディショナーを全体に均一にスプレーします。
- 乾かしてからブラシで毛足を整えます。
あらかじめ防水スプレーをしてある場合、ほとんどはこうした部分的な汚れにとどまります..
早めに消しゴムタイプのスエードクリーナーで対処すると 簡単に汚れを落とすことができます。
- まず、汚れた部分を消しゴムで丁寧にこすり、汚れを落としていきます。
- ブラシでラバーの汚れとくずを払います。
防水しないまま雨水に当たり、汚れが革の中にまで浸透してしまったケースでは..
残念ながら、完全に汚れを取るのは困難です。シミを緩和して目立たなくする方法をご説明します。
- スエード用ブラシか、きれいな靴ブラシで表面の泥汚れを払います。
- スエード靴用クリーナーを全体に均一に吹き付けます。
- 濡らした綺麗なタオルで、念入りにふき取ります。この時、汚れがしみ込んだ部分は叩くようにしてやると、シミが取れやすいです。 色の薄い靴の場合、クリーナー成分が革の中に残ると色が濃くなる場合があるので、丁寧によく落とします。
- よく乾かしてからブラシで毛足を整えます。
一見、毛が抜けたようにも見えますが、きちんとしたお手入れで大抵は毛足が戻ります...
履いているうちにカカトなどこすれやすい部分の毛が寝てしまう場合があります。一見毛が抜けたように見えますが、お手入れをすれば大抵は毛足が戻ります。
- ヌバック用のラバーパーツのあるブラシを用意して、ブラシの頭部分を持ちます。 かなり力を入れるので、柄を持つとブラシが折れてしまうので、注意して下さい。
- 毛の寝ている部分にラバーパーツを当て、力いっぱいにこすって下さい。スエードの毛は太い繊維で丈夫ですので、柔らかなラバーパーツでしたら遠慮なくこすっても問題ありません。
- 毛が戻ったら、通常のブラッシングで毛足を整えてください。
大切に仕舞っていた靴を、久しぶりに箱から取り出してみたらカビが生えていた...
カビが深く根付いてしまうと綺麗に落ちませんので、カビ靴を見つけたら専用のクリーナーで早めにお手入れをして下さい。
- カビ取り&クリーナーを布にとって、そっとカビをちらさないように拭っていきます。カビを拭いた布は捨てて下さい。
- 靴の中も汚れている場合は、サンダル&靴の中クリーナーで拭き取ります。
- 上記を2,3回繰り返し、乾かしてからスエード用のブラシで毛並みを整えてください。
- 革が乾燥している場合は、保革効果のある防水スプレーでケアをしてください。