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Domaine Dandelion ドメーヌ・ダンドリオン



Domaine Dandelion
ドメーヌ・ダンドリオン


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2015年創業。センスに優れ将来性を期待させる新人!
 
Hautes Cotes de Beaune Rouge 2017
オート・コート・ド・ボーヌ・ルージュ [2017]
品種:ピノ・ノワール100%
植樹:1995年
位置:標高350m、南向き
土壌:粘土石灰質、畑の中央はマール、ガキなどの化石
セメントタンクで3週間マセレーション
古樽で7ヶ月間熟成
無濾過/無清澄。瓶詰め前に澱抜き。

 
 

【出会い】
世界各地に優れた造り手がいると言っても、やはりブルゴーニュのワインと、その動向は気になるものです。フランス在住の友人から、「面白いカップルがいるよ」と教えていただき、初めて訪れたのが2017年の春。栽培や醸造において未だに保守的なブルゴーニュの地にあって、モルガンとクリスチャンの2人の造るワインは、近代醸造の確かさを持ちながら自然なアプローチを感じさせる、とてもピュアなピノ・ノワールを表現していました。そして10月に再訪問した時に足でピジャージュをしている2人の姿にこちらも思わず、照れ笑いしてしまいました。初VT2016年から続く2017年、難しい年からのスタートとなりましたが、彼女たちのように楽しくワインを造る姿を見ると応援したくなります。
 
【モルガン・スイヨ】
ブルゴーニュ出身。ディジョンの大学で外国語を学び、イギリスのウォーリック大学で政治と歴史を専攻。その後モンペリエ大学で国際プロジェクト交渉(NPI)の修士を修了する。しかし2013年にずっと情熱を傾けてきたワインの道を歩むこととなります。ブルゴーニュ大学のAgroSUP(ディジョン)でワインの研究と貿易の学部へ登録し、シドニーで研修と学位論文を行う。クリンクルウッド・バイオダイナミック・ヴァインヤード(ハンター・バレー)とスモール・フライ・ワインズ(バロッサ・バレー)で研修し収穫にも携わりました。2015年の初めにフランスへ戻り、アニェス・パケの元で働きながら、小さな畑を購入。農家の娘という自身の側面を再発見し、同時期にクリスチャンとも出会ったことからドメーヌ・ダンデリオンとしての物語が始まります。2015年も終わりのことでした。
【クリスチャン・ノット】
シドニー出身のオーストラリア人。アデレード大学でワイン醸造とブドウ栽培を学ぶ。バス・フィリップの元で働いた後、2008年にフランスへ。ヨーロッパの様々なドメーヌで研修を行う。ドメーヌ・シャンドン・ド・ブリアイユで醸造責任者となる前にドメーヌ・デ・クロワでも働いていた。
 
ドメーヌ名由来:
Dandelion(英語)はタンポポを意味します。フランス語ではPissenlitと書きますが、別名la dent de lion(獅子の歯)とも書きます。私たちそれぞれの母国語である英語とフランス語のどちらでも同じ子音です。あまり人目を惹きませんが、葉も花も根っこも用途はいくらでもあります。粗野な花に見えますが、多くの特性を持った美しい花です。私たちは子供のように綿毛に息を吹きかけたり、風に遠くへゆったりと運ばれる姿に私たちの人生を重ねて見ています。私たちは多くの旅と出会いを経て最終的にブルゴーニュへとたどり着きました。私たちの人生は風に乗って飛び立ち、穏やかに、けれどもしっかりと根を張るこのタンポポのようでもあります。
新しく購入した、畑は2015年まで除草剤の使用のあった畑で、現在は馬による耕作や緑肥で土地の状態の回復に努めているけれど、まだ時間はかかる。オート・コート・ド・ボーヌには比較的古い畑も残っているので、それらの畑が、良い状態になるのは楽しみだ。赤の醸造は、スキンコンタクト中はブドウにはあまり触れずに、バケツによるルモンタージュを行う。スキンコンタクトの最後に軽いピジャージュを行い、プレス。まだごく少量の生産量という事もあり、手作業が多く、ビン詰までも手作業で行っている(la chèvre à deux becs)。エチケットや、蝋封にも細部までこだわっていて、楽しくワイン造りをしていることが伝わってくる。
手を掛けたワインがブショネになってしまうのは辛いので、クロージャーには、ヴィノ・ロック(ガラス栓)を採用。
 
【エチケットについて】
エチケットに使用している紙はボークリューズ県の今も水車使う製紙工場の手作りのもの。素材は綿やリネン、麻にヤグルマギクの花がちりばめられている。生産者側でボトルのサイズに合うよう切り分け、モルガンお手製の鳥のスタンプを押し、手書きで一枚一枚、ドメーヌとキュヴェ名を記入している。バックラベルはメインラベルと同じ材質(花はない)。手作りのスタンプが押印されている。
 

【蝋キャップについて】
蝋はボーヌのミツバチの蜜蝋を使用。
 
201802月 合田玲英のフィールドノートVol.56
 
 コート・ドールの新規の造り手の紹介です。世界各地に優れた造り手がいると言っても、やはりブルゴーニュのワインと、その動向は気になるものです。フランス在住の友人から、「面白いカップルがいるよ」と教えていただき、初めて訪れたのが去年の春でした。モルガンとクリスチャンの二人はオート・コート・ド・ボーヌのムロワジー村(Meloisey)に本拠地を置き、畑もまだ買ったばかり。設備も充実していませんが、足りない部分は若さで補いながら、ワイン造りをしています。ブルゴーニュのあり方と未来像の一つを指し示しているかのようで、元気づけられました。
 
 思えば、ブルゴーニュへ行くときは、高速道路を降りて、ボーヌへ行き、コート・ド・ボーヌやコート・ド・ニュイに行くことはあっても、さらに西のオート・コートに行くことはありませんでした。たった5kmもないほど、西へ行くだけですが、森がたくさん残っていて、どこか忘れ去られた雰囲気のある素朴な街並みに、放牧されている家畜。ブドウ樹も、むやみに植え替えられることがなかったためか、樹齢の高いものがまだあります。
 
ブルゴーニュで生まれた、モルガンと、オーストラリア出身のクリスチャン。二人ともまだ20代で、この世代らしく、北半球、南半球どちらでも醸造の経験をし、ムロワジーの地にたどり着きました。そんな自分たちの人生をタンポポ(ダンドリオン)の綿毛にたとえ、ドメーヌ名にしました。
 
 栽培や醸造において保守的なブルゴーニュの地にあって、モルガンとクリスチャンの2人の造るワインは、近代醸造の確かさを持ちながら亜硫酸無添加であることをはじめ、自然なアプローチを感じます。
 
10月に再訪問した時に足でピジャージュをしている2人の姿はとても楽しそうで、こちらも思わず、照れ笑い。初VT2016年から続く2017年、難しい年からのスタートとなり、いろんな国へ売れる量となるとまだ少量ずつですが、彼女たちのように楽しくワインを造る姿を見ると応援したくなります。
 

2017年

春:霜が降ったが予め予想はしていたので、畑に四晩火を焚き、霜に備えることができた。また、2016年と違い、暑く乾燥していたため早熟。芽の成長はとても速かった。春の終わりは焼けつくような暑さであった。
夏:週ごとに雨が降ったり暑かったりと天候が落ち着かなかった。9月半ばからは涼しく、9月末から10月の初めにかけてはまた暑さが戻った。
収穫の間:10/1のピノ・ノワール収穫時、朝は涼しかったが日中は良い天気。3区画から約15樽分の収穫を行えた。太陽の恵みをブドウにたっぷりと与える為あえて収穫の時期を何度も先延ばしにした。そのため知っている限りだと、このあたりでは収穫を最後に行ったのは私達のようだ。けれども13℃の気温下で家族や友人と共に収穫が出来、満足している。選果をほとんど必要とせず、ガメの収量は非常に少なく、いくつか結実不良もあった。アリゴテは皮が黄金色で赤褐色の斑点がついた良い状態で収穫をした。アリゴテは樹齢が1944年と古い畑にも拘らずブドウは素晴らしい。13アールに対しドゥミ・ミュイ(大樽)1樽とフェイエット(136L)1樽分の収量。(生産者)

2016年

春は寒く雨も多かった。天候が不安定で、4月の終わりには霜が降り、少なくとも全体の80%に被害があった。そのあとは夏の終わりまで十分に暑く乾燥していたため、ブドウの状態も良く、きれいに熟した。収穫は10月に始まり、アリゴテはまったく収穫できなかった。