オーナー : Toni Söllner トーニ・ゼルナー、Daniela Vigne ダニエーラ・ヴィーニュ
地域 : Wagram ヴァーグラム
地区、村 : Gösing ゲージング
醸造責任者 : Toni Söllner トーニ・ゼルナー
栽培責任者 : Toni Söllner トーニ・ゼルナー
コンサルタント名 : なし
ドメーヌ創業年 : 1900年
ドメーヌ解説
歴史&造り手略歴 : ダニエーラ・ヴィーニュとトーニ・ゼルナーは1995年に
出合い、結婚してからワイン農民になることを決意しました。1989年から1995年
にかけてトーニ・ゼルナーはワインと果樹栽培の経験を積みました。醸造学校に
通っていた16歳の時に初めて葡萄を圧搾しました。職業訓練の一環として、他の醸造所や海外の醸造所を見学しました。
両親もワイン造りをしていた環境の元で育ったので、幼少の頃より自然は自身の心の中の深い所で結びついており、持続可能な農業を可能にする全ての事柄に強い関心を持ってきました。1995年にビオロジックの認定を取得することを決意したのは自然の流れでした。1997年からは有機栽培農業規約に従って耕作しており、現在は国家認定を受けた検査機関の指導を常時受けています。2004年からはビオディナミのプレパラートを使っています
哲学 : 私達は、生命力のある土壌だけが、魂、個性とエネルギーを備えた、本当に良質で健康に良いワインやその他の製品を育てることが出来ると考えています。ここ数年にわたり葡萄畑の耕作面積を増やして来ましたが、その際単調な葡萄畑の続く景観だけでなく、動植物の生育環境(ビオトープ)を整えることにも真摯に取り組んできました。農園の作物は動植物の生育環境の中の様々な植物や生物と共生しているという考えのもと、我々は全ての畑でビオディナミを実践しています。我々は後の世代の為、肥沃で生き生きとした土地を守ることに真摯に取り組んでいます。
我々のワインは葡萄樹に育ち、セラーでは葡萄樹がもたらしたものを維持するにすぎないと考えています。セラーでの原則は出来るだけ技術で手を加えないということです。葡萄は家族と長年一緒に働いてきた作業者が、手作業で選別しながら収穫します。収穫後の葡萄はポンプを使わずに移動し、圧搾します。果粒は新しく導入した選別機で果梗や昆虫や傷んだ果粒を風圧で飛ばして除去します。マストはゆっくりと野生酵母でステンレスタンクか大樽、あるいは陶製のタンクで醗酵します。赤ワインは伝統的な開放桶で(ワインによっては味わいとアルコールを増すため少量の有機栽培による砂糖を加えて)醗酵し、昔ながらの手作業で下へ突いて攪拌し、香味と味をよりよく抽出します。醗酵後は味わいを良く調和させるために、澱もしくは澱引き後に残った微細な澱とともにワインを熟成し更に品質を向上させかすが、その期間はワインのタイプにより異なります。総亜硫酸量は最大100mg/ℓに抑え、ものによってはタンパク質の除去に粘土の一種であるベントナイトを用い、オーガニックのゼラチンとチョークを利用することもあります。様々な品種の葡萄は、ワインのタイプと葡萄畑にふさわしい個性的なワインとなるようにブレンドされます。醸造では時間という要素が重要な役割を果たします。我々は飲んで楽しく、体に良く、欠点がなく、魂と個性を持ったワイン造りを目指しています。
栽培方法 : ビオディナミ
その栽培方法の開始時期 : 2004年
その栽培方法を適用している畑名 : 全ての畑
栽培方法の将来的な展望 : ビオディナミを継続
認証機関 : ラコンLacon
土壌 : ゲーシング周辺の段丘にセルナー醸造所が所有する広く地続きとなっている各畑、ヘングストベルク、フムベルク、ベルク・アイゼンフート、ブリュンドルグラーベン、グザングとヒンメルライヒの合計約15haの葡萄畑があります。そこに白ワインの品種であるグリューナー・ヴェルトリーナー、ローター・ヴェルトリーナー、リースリングや赤ワインの品種であるブラウアー・ツヴァイゲルト、ザンクト・ラウレントと少数のカベルネ、それにいくつかの試験栽培品種を育てています。フンベルク、グザングとヒンメルライヒの段丘には厚さ数メートルのレス土に腐葉土が堆積しています。アイゼンフートの丘の段丘には赤い砂利にレス土と堆積粘土が混じります。赤ワイン用の葡萄樹は、粘土質に海砂が混じる砂利の多い粘土質土壌のフンベルクと、砂質の割合が高く石灰質を含むレス土のブリュンデルスグラーベンに植えられています。
微気候 : 葡萄畑の標高は海抜250~350mで、昼はパンノニア気候の影響下で暑くなり、夜は隣接するマンハーツベルク
の森林からの冷気の影響で寒くなります。
自社ブドウ畑面積 : 15ha
契約ブドウ畑面積 : 0ha
自社ブドウ畑の数 : 数について回答はなかったが、『8つの丘陵・斜面にまたがって畑が存在している』とのこと
自社栽培ブドウ品種 :
(白品種) グリューナー・ヴェルトリーナー、ローター・ヴェルトリーナー、リースリング、ヴェルシュリースリング、ミュラートゥルガウ (赤品種) ツヴァイゲルト、サンクト・ラウレント
ブドウ以外の自社農作物 : 小麦、ライ麦、大麦、ひまわり、アルファルファ、シロツメクサ、果物
ブドウ畑以外の自社畑総面積 : 30ha
主な仕立て方法 : ギュイヨ式
仕立ての支柱の素材 : 所有している森から切り出したハリエンジュの木
仕立ての添え木の素材 : 金属
堆肥 : 羊・馬の糞とブドウの搾りかすから作った堆肥と、ビオディナミプレパラートを使用
酵母のタイプ : 野生酵母
圧搾方式 : 空気圧式プレス
醗酵容器の素材と容量 : 様々な容量のステンレスタンク、炻器製タンク、500L~9000Lの木樽
熟成容器の素材 : 様々な容量のステンレスタンク、炻器製タンク、500L~9000Lの木樽
セラー環境 : 醸造所を併設している家の敷地内地下にある
年間生産ボトル本数 : 約80,000本