スペイン・セゴビアで今最も注目を集めている「マイクロ・ビオ・ワイン」による、徹底して自然と共生した、高樹齢のブドウを用いたナチュラルワイン生産者です。
「イスマエル・ゴザロ」は元々ブドウの栽培をしていた家系の5代目で、現在でも所有する畑から採れるブドウの60%は売却していますが、特に優れたブドウが採れる区画を自社用のワインとして使っています。所有する畑の広さは28.5haにも及び、そのほとんどに白ブドウのヴェルデホが植えられており、赤ワイン用の黒ブドウ品種の栽培面積は2割以下ですので、ヴェルデホを中心にワイン造りをしていると言えます。
ブドウ畑は全て徹底した無農薬で管理されており、有機農法の認証を受けていますが、あえてワインのラベルには「オーガニック」の言葉を表示しておりません。
所有するブドウ畑はいずれも特に砂が多いため、これまでほとんどフィロキセラの被害を受けてきませんでした。(砂質の多い土壌だと、アブラ虫が穴を掘って地中にもぐっても穴が崩れてしまい、地中で窒息してしまう為です。) それ故、全体的に樹齢が非常に高く、一番古いブドウは250年にも及ぶ樹齢を誇ります。
樹齢が100~200年のブドウの樹からは取れる房は、例えばヴェルデホの場合は1房が80gくらいでとても小さく、人の手の拳ほどもない大きさですが、味が非常に凝縮しています。このような高樹齢のブドウ樹は台木に接ぎ木をする必要がないため、若木を育てるときは、中でも特に優れた株を選び、その枝を地面に直接植えて苗木にするか、マルコタージュによって株分けをしています。
「イスマエル・ゴザロ」はブドウの味わいの違いとなる核は特に「ミクロクリマ」であると考えているため、細かい区画ごとのキュヴェ造りを徹底しています。「風通しがよい」「ぶどうの房が小さい」「ブドウがよく熟す」といった自社の基準を設け、区画ごとに「1級」や「特級」と独自の標識を立て、特に優れたブドウを選定してワインを造り分けています。
標高:800~900m 年間降水量:約250mm
プレス時は、祖父の代から使っている500L容量の小さな垂直式の圧搾機を使用しますが、枠の部分はステンレス製に作り変えて洗浄しやすく改造し、雑菌が繁殖してワインの劣化を起こすことがないようにしています。他にもバスケットや櫂など、代々伝わる古い道具を大切にし、改良しながら上手に付き合っています。