ソシアンド・マレーを初めて口にしたのは今からもう20数年前。その当時は5代シャトーですら1万円しなかった時代だが、そんな時代にもっとリーズナブルなボルドーはないものかと探していたときに出会ったのだ。その当時注目されていたソシアンド・マレーとシャス・スプリーンは5級のワインに匹敵するといわれリーズナブル系お気軽ワインの代名詞といった存在だった。
現在酒質が更に向上し、ただの分かりやすいボルドーから卒業し他の地域の有名ボルドーと完全に肩を並べる存在となった。そして更にコンディションの良いワインを飲むと更に素晴らしいことが分かってきた。ヴィノラムの輸入したワインは過去最高の状態だと思っていたが、ラシーヌの輸入したワインはそれを完全に超える驚異の状態。価格は高いがそれだけの見返りがあるほどに驚くワイン達だ。
地域:Bordeaux
地区、村:Haut Medoc オー・メドック
造り手:ジャン・ゴトロー
歴史:
メドックはレスパールに生まれる。早くからその才能を発揮させたゴトロー氏は21才でクルティエに勤めワインの業界に入ります。そして僅か2年後に独立。1956年にはボルドーワインの価格が高騰し、その甲斐もあって翌年の1957年ネゴシアンとして会社を設立。そして1969年、ベルギー人の取引先の依頼を受けシャトーを探す中、ソシアンド・マレに出会う。状態の悪い建物であれどもそこから見渡せるパノラミックな風景に心を奪われ、自らの購入に踏みきる。畑は5ha。当時の金額で25万フラン。
古びた家とガレージのみで、セラーもなにもない状態でワイン造りを始めます。以前からシャトーでワイン造りをしていたクレール氏の力を借ります。2年目のヴィンテージで砂利と粘土石灰を地質とするソシアンド・マレの畑特有の冷涼なワインを造ることに成功。品質の向上を目指して建物を改築、セラーを建て、畑に植わったブドウの品質を高めていきます。現在110ha(うちブドウ畑は85ha)を所有しています。
シャトー解説:
栽培品種:カベルネ・ソーヴィニョン48%、メルロー47%、カベルネ・フラン5%
自社畑面積:85ha
土壌:
Saint Seurin de Cadourne村の東に位置し、なだらかな丘一面に広がる日当たりのよい畑の土壌は深い粘土石灰質土壌の上に砂利で形成されています。栽培密度は1mX1.2m感覚で8.333本/ha
醸造・熟成:
自然酵母でのみの発酵。セメントタンクとステンレス製タンクを使用。25-30日間。2次発酵もタンクでおこなう。ファーストワインは100%新樽熟成。期間は約12ヶ月。セカンドは25%新樽熟成。