アンリ・ド・ヴェズレ協同組合がシャブリジェンヌに吸収されたため、協同組合をヴァン・ナチュールの醸造方法へと導いたジャン・モンタネ氏が、独立して興したネゴシアン。2007年は、果実味と酸がよく調和した、みずみずしくて澄んだ味わいで、飲み心地の大変よいワインです。アペリティフにはもちろん、様々なお料理にも幅広くおすすめできます。
ドメーヌ創業年:2010年
哲学:システマティックにならない事、常習的な手法に留まることなく常に考えてワイン造りを行う。子供を育てるのと同様で、全てのブドウに対し同時期同手法で対応してはまともなブドウは育たない。高品質なブドウを収穫する事を第一とし畑仕事を重要視、蔵に着いてからの醸造と熟成はシンプルに。
自社ブドウ畑面積: 0ha
契約ブドウ畑面積: 21ha
ブドウ品種: シャルドネ、ピノ・ノワール、ムロン・ド・ブルゴーニュ、ガメ
栽培:ビオロジック(1999年より、2002年認証取得)
認証機関:アグリカルチャー・ビオロジック、カリテ・フランス※2002年認証取得
栽培方法の将来的な展望: ビオディナミへの転向等は予定なし、化学薬品は一切使用しないが型にははまらずブドウ樹に付き添い常に進化し続けていく
土壌:粘土石灰質、赤粘土、青粘土
酵母のタイプ: 野生酵母
圧搾方式:水平式Vaslin二台と空気圧式一台
醗酵容器の素材と容量(L):白は27hlと50hlのステンレスタンク、赤は228l、400l、500lの樽、琺瑯を一台のみデブルバージュ用に所有
熟成容器の素材:キュヴェにより異なる。ステンレスか樽、新樽は一切使用しない。
セラー環境: 自宅地下一階が樽用のカーヴ、ステンレスタンクは併設された建物の2階に設置、収穫用の選果台やプレス機などは数百メートル離れた場所にあり、収穫後は主にそちらで作業する。畑はCuverieを中心として全区画4km圏内
年間生産ボトル本数:約110000本(うち、ブルゴーニュ・ヴェズレイとムロン・ド・ブルゴーニュを30~50hl/ha外部から購入)
今年は難しい年だった、と、この数年毎年のよう書いている気がする。幸運なことにブドウ生産地域は広く、ワインのマーケットもファンも世界中にいるので、皆で助け合っている様子がインターネットを通して見られる。収量がほとんどなくなってしまった生産者の少しでも手助けになればと、Vendanges SolidairesというFacebookグループもあった。このグループの意思に賛同するワインバーやショップは、10月3日から10月23日の間、ボトルが売れるたびに2ユーロの寄付をするというもの(ネット上の寄付も受け付けていた)。生産者にとっても消費者にとっても、心温まり勇気付けられるけれど、どのワイン生産地域も問題のない年がそろそろ来て欲しい。スズキ(ショウジョウバエ)の被害を聞くのもうんざりだ。
南部ローヌのジル・アゾーニやドメーヌ・グラムノンは、雨に恵まれたそうだ。特にジル・アゾーニは例年よりも多くのブドウがつき、さらに果汁も多く、この地域からブドウを買う北部生産者も多くいた。北ブルゴーニュの3生産者、カデット、ド・ムール、トマ・ピコはこの地域のビオのブドウの栽培家から一緒にクラレット種を購入。同じく北ブルゴーニュのヴィニ・ヴィティ・ヴィンチでも、タヴェル(グルナッシュ、サンソー、クラレット)、ガール(シラー)、ボジョレー(ガメイ)でブドウを購入した。
・ヴィニ・ヴィティ・ヴィンチ(ニコラ・ヴォーティエ)、ドメーヌ・ド・ラ・カデット(ヴァランタン・モンタネ)
どちらも、自分の地域の畑の収量は70%以上の減。南のブドウを買い求めて醸造をしているが、めったにない機会だけに、生産者も楽しそうに話してくれた。
“自社の畑については残念だけど、経験を積むいい機会だ。実は前からガメイを醸造してみたいと思っていたんだよね。それから、マコンからもシャルドネを買うことができた。ボジョレーもマコンも霜と雹が酷いと思われているけれど、被害は局地的で、ボジョレー南部とマコン北部はブドウの状態も収量も素晴らしかったよ。買いブドウを選ぶにも、いい栽培者をしっているブドウ畑のクルティエがいるんだ。ほとんどはブドウの質を考えず、紹介するだけの人ばかりだけれど、若いクルティエのなかには、興味と情熱を持っていて、少しでも良い状態の畑を探してくれる人がいる。いい出会いがあってよかったよ”。